地域に飛び込む~イベント編~
第10回はテーマを「地域に飛び込む」に変更し「催し(イベント)」について書きたいと思います。
役場には地域を活性化し、盛り上げるために「イベント」を実施することが多いと思います。また「イベント」に多くの人が集まると「盛り上がってんなー」とビジュアル的に感じることができるので、活性化の見える化として扱われることもあります。
一方で人口減少が進む地方では「イベント疲れ」のような現象も発生しており、「イベントを実施する人がいない」「イベントの資金がない」「イベントを辞めたいけれど辞めれない」などの問題も生じているようです。そしてそのしわ寄せが役場にきて「職員動員(休日出勤)」「補助金としての歳出増加」などの負担が増えているとも聞きます。
さて、そんな「イベント」ですが、「地域に飛び込む手法」としては一番お手軽です。慢性的な人手不足で、仲間探しは常にしているので、間違いなく大歓迎されると思います。では具体的にイベントに携わることによるメリットを書きたいと思います。読んでいただいた方が少しでもイベントに携わる視点が変わると嬉しいです。
※デメリットについては【第4回「地域に飛び出す落とし穴」】を参照してください。
イベントによる人脈づくり
イベントの運営に参加して一番最初に感じられるメリットは「知り合い(仲間)が増えること」だと思います。地域に知り合いができて、ちょっとあったときに会釈とか会話する人が増える。イベントでいわゆる偉い人と面識ができて気にかけてもらえるということです。また、イベントに携わる方は分野のプロフェッショナルのある方が多いので、日常生活にて困ったときとか気軽に相談できるなんていうメリットもあります。
おもてなし・コミュニケーション能力の向上
イベントは1人ではなくチームで運営します。それも仕事ではない給料が発生しないボランティアで構成された人達でイベントを実施するケースが多いです。そのためチームワークは欠かせません。立場も年齢も異なるメンバーと良い信頼関係を築くことはコミュニケーション能力の向上になります。
次に「おもてなし」について。イベントにはたくさんのお客様が参加します。役場で行なう接客とは別のお客様対応を学ぶことができます。「知らない」「担当じゃない」「あうあうあー」がリアルで許されませんし、イベント全体を把握してその場で対応し、イベントに来てもらった人に満足してもらう必要があります。言葉遣い、表情などリアルな「おもてなし」の基本が学ぶことができます。
この二つの能力は確実に仕事に活きます。いわゆる「コミュニケーション能力がある人」になれます。「コミュニケーション能力」なんて所詮、「どれだけ人と関わって対応したか」という経験値でしかないと考えています。
段取りの大切さを学ぶ
「段取り8分(ぶ)、仕事2分」という言葉を耳にしたことが多いと思います。イベントはまさにこれです。もちろんイベントの本番もですが、準備、撤収も含めて「段取り」です。撤収までの流れを頭の中でイメージして、問題想定して、人の動きを想定して、対応してを繰り返して本番を迎えます。
この「段取り」の訓練がイベントではできます。役場での仕事をするときも「段取り」の大切さを理解することで、段取り良く進められるようになります。
立場を超える経験
ボランティアで運営されるイベントでは年齢・職業・出身大学などによる上下関係は存在しないです。「リーダー」として「マネジメント」を経験することもできます。役場で働いていればそのうち部下ができます。「指示をする」「マネジメントする」ということが求められます。イベントで立場を超えてマネジメントを経験したり、リーダーを経験することは大変良い経験になります。
失敗しても”all right”
言い方は悪いですが、所詮ボランティアです。給料をもらっているわけではありませんし、義務でもないです。大いに挑戦し、大いに失敗できます。もちろん信頼関係を失うような失敗はダメですよ。前向きな失敗です。役場の仕事で挑戦は難しいですが、イベント運営なら挑戦できます。失敗できます。成功より失敗って自分の糧になると感じています。
達成感を味わう
イベントには絶対終わりがあります。上手くいっても、ミスっても時間が経過すればイベントは終わります。役場の仕事は数十年先の未来をつくる仕事や単純作業が多く成果が見えにくいですし、達成感なんて感じられることは稀です。
ーーー私が初めて携わったイベントにてこんな経験がありましたーーー
そこそこ歴史のある屋外イベントなんですが、段取りが悪く、スタッフの人数も少なく、撤収作業が難航し、メンバー全員が必死に動いて作業していました。私もイベント運営に携わったばかりで右も左もわからず、指示に従ってがむしゃらに作業していました。もちろんボランティアです。
やっとのことで撤収作業が終わり、あとは偉い人の挨拶のために集まるだけになりました。イベントに私より前に携わっている人と集合地点に移動しているときに、その人が撤収作業が終わったイベント会場を眺めて
「この景色は特別なんだよなー。毎年この景色見ると達成感を感じるし、この景色はイベント運営に携わった人だけが見ることができる特別な景色だ。疲れるし、ムカつくし、嫌になるけど、この景色見ると来年また頑張ろうって思うんだよなー」
と呟きました。なんだろう。すごく特別な経験させてもらっているし、これが達成感かぁーと気持ちが熱くなったことを記憶しています。
達成感を味わってみたい方、イベントに携わった者しか見ることのできない景色を見たい方はぜひ参加してみてください。悪くないと思いますよ。
さて、第10回は「イベント」について書きました。第11回は「観光」についてFRTの考えを書こうと思います。
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