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【アラサー防災シリーズ #特別編】災害ボランティアの経験をもとに防災会社を起業した男のお話
こんにちは😀
3月11日も近づき(とうとう明日)、様々なメディアで震災関連の報道が増えてきていますね。
#あれから10年 のハッシュタグもよく見かけるようになりました。
さて、連日更新しているアラサー防災シリーズですが、
今回は特別編として、株式会社KOKUAの疋田裕二(@yujihiki_)さんにあれから10年の話を聞いてみようと思います✨
10年前、大阪で高校生をしていた疋田さんが災害ボランティアに取り組み、現在アラサーになり、防災に取り組む会社の代表をしている経緯について聞いてみました!
震災の時に何していた?
カシラ(以降、カ):
さっそくですが、疋田さんは当時、地震が発生した時にはどんな風に過ごしていましたか?
疋田:
当時、大阪に住んでいた僕は、高校3年生で大学進学も決まっていて、授業も何もなく、卒業式というイベントだけを残して高校生活を謳歌している時期でした。高校の友人たちと思い出を作るために遊びに行ったり、大学入学後にどんなサークルに入ろうかとワクワクしていた時期でした。
ちょうど3月11日は、朝から遊びに行っていたところでした。
大阪の大半は震度3を記録していましたが、自分は全く気づかず、帰りの道のりで、ニュースの通知やTwitterから流れてくる投稿をみて、驚愕したことを覚えています。
#j_j_helpme
#hinan
#anpi
#save_fukushima
日本語ハッシュタグが存在しなかった当時、見慣れないこのようなハッシュタグがつき、被害や救助に関するたくさんの投稿で溢れ、多くの方が混乱と不安の渦中にいたことを覚えています。
帰宅してからはTVの映像で津波の惨劇を知りました。
大津波にのみ込まれる街。屋上で救助を求める方々。燃えさかる海と建物。状況が掴めない福島第一原発。
ニュースをみて、これ現実なの?と思うと同時に、困っている人のために自分は何かできないだろうか?困っている人を助けられる人になるにはどうしたらいいのだろうか?と考え始めました。
答えが見つからないことで自分の今の無力さを感じるとともに、高校卒業から大学入学までの空いた時間をそんなことを考えて過ごすことになりました。
その結果、進学後は大学生が中心で運営している災害救援系のNPOに所属してそこで活動することになりました。
災害ボランティアではどんな活動を?
カ:
そうやんなぁ。ほんまに信じられへん映像やったことを強く覚えてる。
そのNPOの団体ではどんな活動をしてきたん?
疋田:
初めて被災地に訪れたのは2011年7月です。
当時は発災から4ヶ月ということで、関西では震災に関する報道もほとんどされなくなり、社会の関心が震災から少し遠くなってきていた時期だと思います。
当時ほとんど知識がなかった僕も被災地に向かう夜行バスの中で、『4ヶ月も』経ったしある程度の復旧は進んでいるのかなと考えていたのを覚えています。
しかし被災地に入り、そのような想像がいかに薄っぺらかったかと思い知らされました。
・廃車となって校庭に積み上げられている大量の車。
・一階は柱しか残っていない店舗や住宅。
・畑の中に倒れてる住居。
・海岸で倒れてる堤防。
・道路の端に倒れてる船。
・「お世話になった6年生に感謝の気持ちを・・・」と書かれた看板が掲げてあるぼろぼろの体育館。
・そして、街の跡地と思われる広大な何もない土地。
関西でどこか向こう側の世界と思って過ごした『4ヶ月』の想像力は明らかに欠如していました。
それ以来、週末や夏休みなどを中心に、宮城県の気仙沼や亘理郡山元町などで、ガレキ撤去から住施設再開のための作業まで色んなお手伝いをさせていただいていました。
東日本大震災以外でも、国内地域で災害が発生するたびに、現地に訪れ、支援させていただいたり、防災の啓蒙活動をさせていただくようになりました。
日本各地の被災地に行ってたくさんの被災地の方と話してきて、「まさか自分が被災するなんて」「いろんなものを失ったけど、生きていてよかった」などの声を聞くたびに、災害が無差別に人を襲う恐ろしさを感じてきました。
今はどのような活動を?
カ:
ありがとう。疋田は東日本大震災をきっかけに、全国各地で起こる災害に向き合い続けていたな。
そういった背景があり、今はどんな活動をしてるんやっけ?
疋田:
学生時代、突如発生する災害の恐ろしさと不条理さを目の当たりにし、もっと普段の生活から自然と防災を取り組める仕組みや枠組みが必要だと感じ、NPO時代に一緒に活動をしてきた仲間と株式会社KOKUAという会社を2020年に創業しました。
KOKUAでは現在、いのちをまもるカタログギフト「LIFEGIFT(ライフギフト)」という商品の企画から販売まで行っています。
「LIFEGIFT」は生活に馴染む防災グッズだけをセレクトした日本初のカタログギフトで、防災グッズを贈りたい人が購入して、身近な人にプレゼントとして渡せるサービスです。
防災グッズの準備が必要だと感じている人は多いにも関わらず、購入するきっかけがないことから、準備ができていない人が大半だということに問題点を感じ、人から人に防災グッズを贈る動線を作ることで、この問題を解決しようと思っています。
ありがたいことに、昨年9月に事業立ち上げのためのクラウドファンディングを実施し多くの方の共感を得ることができ、12月の一般販売以降、NHKさんなど多くのメディア様に取り上げていただき、防災を贈るという行為が文化として少しずつ広がってきていると感じます。
今年の3月はYahoo! JAPANが運営するエールマートの「おくる防災」企画の共感企業として、Yahoo! JAPANさんと一緒におくる防災の文化を広める活動をしたり、期間限定でカタログギフトLIFEGIFTの売上の10%を寄付として、被災地や防災活動を行う団体に送るキャンペーンをしたりしています。
カ:
うちらの友達から、こんな素晴らしいアイテムを作り出したってことを本当に有り難く思うよ。
どうやったら防災って進むんやろう?とずっと考えていたけど出なかった答えの一つが、しかも大切な人を守るための仕組みとして誕生したことが心から嬉しい。
今後も、より多くの人の日常に防災が馴染んでいくような取り組みができていくことをほんまに祈ってるで!
何かあればまた、みんなで協力して頑張ろう!
ほな、次回へつづく〜!