知っておきたい入札用語:発注予定(発注見通し)

工事の発注予定(発注見通し)は、発注者がその年度内において発注する予定の工事の概要を公告や指名の前に公表するものです。発注予定は、建設業界において非常に重要な情報であり、企業が今後のビジネス戦略を立てる際の指針となります。本記事では、発注予定の意義、発注者が公表する理由、そして企業がどのように活用できるかについて詳しく説明します。

発注予定の意義

1. 公平で透明性のある競争の促進

発注予定は、発注者が事前に工事の発注計画を公開することで、公平で透明性のある競争を促進することを目的としています。これにより、参加を希望する企業は十分な準備期間を持つことができ、入札における公正な競争環境が整えられます。

2. 計画的な業務遂行のための指針

企業にとって、発注予定は今後の受注計画や業務遂行のための重要な指針となります。事前に発注予定がわかることで、必要な人材・協力業者・資材の確保、技術力の向上など、計画的な準備を行うことが可能になります。

発注予定の内容

発注予定には、以下のような情報が含まれます。

工事の名称
工事を行う場所
工事の規模や範囲
工事の種類(土木、建築、電気、管など)
工期
入札方式(一般競争入札、指名競争入札など)
入札実施予定時期
担当部署

などが記載されます。大まかな情報でありますが、これらの情報により、企業は自社の能力やリソースに見合った工事を見極め、入札に向けての準備していくことができるようになります。

発注予定はどこで見られるか?

発注予定はまずネットで探してみることをお勧めします。多くの市町村では発注予定をネットで公開しています。

発注者名+発注予定 あるいは 発注見通し 

で検索すると出てくると思います。

出てこない場合は、庁舎の前の掲示板で掲示されていたり、閲覧所にて公開されていると思います。

発注予定から傾向を読み取る

発注予定は新規参入者にとって情報の宝庫です。個別の工事の情報では公告の方がより詳しい情報を得られますが、発注見通しはその年度内において発注予定の工事が発注予定公開段階でわかる分、ずらーっと書かれています。

このためその発注者の傾向が公告を一つ一つ見ていくよりもわかりやすい面もあります。

一般競争入札が多いのか?指名競争入札が多いのか?
どの工種がどれだけの量予定されているのか?

などがわかります。特に注目したいのがどんな工種で発注されているかです。土木や建築など発注する業種の許可を取得していないと入札に挑戦することができません。自社がその許可を持っていないのであれば、まず許可を取ることから始めないといけません。

自社がやりたい工事が全く発注が予定されていないということであれば、戦略を一から考えさなければいけないこともあるでしょう。

というように、発注予定を見ておくかどうかは、公共工事に新規参入をしたい方にとっては大切なことです。

まとめ

工事の発注予定(発注見通し)は、発注者がその年度内に発注予定の工事の概要を公表する重要な情報です。これにより、公平で透明性のある競争が促進され、企業は十分な準備期間を持って入札に参加できます。

発注予定には工事名、場所、規模、工期、入札方式などの情報が含まれ、企業はこれを基に計画的な業務遂行やリソース配分が可能となります。

新規参入希望者にとっては、発注予定を活用して市場調査し、入札準備を行うことで、競争力を高めることができます。発注予定はネットや公共掲示板などで確認できますので、ぜひ、これを利用して戦略的に公共工事への新規参入を進めていきましょう!

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