公共工事の新規参入を成功させるための考え方とは?

公共入札の甘くない現実を下の記事でご紹介しましたが、では、どうしたら公共工事への新規参入はうまくいくのでしょうか?成功させる確率を上げるための考え方をご紹介します。

目標を決めることから始める

まずは、どの発注者(県や市町村)の、どんな工種(土木や空調設備など)の、どのくらいの金額の工事をやりたいかを考えてみることをお勧めします。ただ、漠然と自治体の仕事をやりたいということでよく考えずに新規参入しようとすると↑の記事みたいなパターンに陥る可能性が高いです。

ですから、同じような失敗をしたくない方は、どんな工事を自社でやりたいのかをしっかり考えてみることから始める。それをすることで目標を達成するための課題が見えてくるわけですね。例えば次のような課題が出てくるはずです。

1.やりたい工事が少ない、ない

例えば、足場の工事を自治体から取りたいですとなったとしても、私の地元胎内市では足場工事だけを市が発注するということはちょっと考えづらいんです。これは私の地元の話だけではないと思います。このように取りたい工事がそもそもない、あっても年に1,2件とか普通に起こりえます。このような場合は、工種を自社がやりたい工種の関連分野まで広げたり、違う発注者ならば案件がないかなどを調べる必要がありますね。

2.実績が足りず、入札に参加できそうにない

これから公共工事に参入していきたいのに入札に参加するためには公共工事の実績が必要です みたいな条件が設定されていることがあります。実績なんてあるわけないですよね。これから始めるんですから。
このような場合は、いきなり目標の工事を取りに行くのではなく、その目標の工事の入札に参加するための実績を作るにはどうしたらよいかを考えないといけません。

3.現場代理人や現場の技術者として配置できる人がいない

公共工事では、現場代理人の常駐を求められることがよくありますが、建設業許可業者は現場に技術者を配置しないといけません。規模が大きい工事では、技術者もその現場に専任でなければいけません。簡単に言うと会社によっては工事を落札しても、適法に工事ができるだけの人が足りない ということが起こりえます。

他にも公共工事への新規参入の課題というか壁になりそうなものはあるのですが、これらが最初から分かって取り組むのと、何もわからない状態で取り組むのとでは、結果が違ってくるであろうことはなんとなくわかると思います。

私はお客様から公共工事をやりたいと相談を受けた時は、お客様の希望を聞いて、それがいま実現可能なのかを調べて、すぐは無理そうなら正直にその旨伝えています。そして、すぐには結果が出なくてもよいから挑戦してみたいという方から依頼を受けることにしています。厳しい現実を知った上ではじめるからこそ、すぐには結果が出なくても長い目で取り組むことができるのではないかと考えています。

まとめ

公共工事への新規参入を成功させるためには、事前の準備と計画が不可欠です。まず、どの発注者のどのような工種の工事を狙うかを具体的に決めることから始めることが重要です。漠然とした目標ではなく、具体的な目標を設定することで、必要な実績や人材、入札参加条件などの課題が明確になります。

例えば、狙いたい工事が少ない場合は他の発注者にも対象を広げて調査することや、実績が足りない場合は小規模な工事から実績を積むことが必要です。また、適法に工事を遂行できる人材の確保も重要な課題です。

これらの課題を事前に把握し、現実的な計画を立てることで、成功の確率が高まります。安易な参入は失敗のリスクが高いため、十分な準備と長期的な視点での取り組みが求められます。また、詳しい行政書士に相談することで、専門的なアドバイスやサポートを受けることができ、より確実に進めることが可能です。

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