所有者様
所有者様とお会いしたのは、30歳を少し越えた頃でした。彼女は、20そこそこで、ちょっとしたイベントで初めて会い、その後日を改め、新宿の喫茶店で、初めて二人だけでお話ししました。
心踊らせ、待ち合わせ場所に行きましたが、その時の印象は、恐ろしい人だ、こんな人と一緒にいたら、駄目だといったものでした。
まだ、若かったせいか、目の前のかなり歳上のM男に、なめられないようにか、兎に角過激な発言が、多かった。
この女性と一緒にいたら、殺されるかもと本気で思ってしまいました。
それでも、一応連絡先を交換して、別れましたが、もう会わない方が良いと本能が告げていました。
実際1年以上全く接することは、ありませんでしたが、ある時PHS が鳴り、誰かなと相手を見ると、所有物者様でした。
再びお会いして、大変驚きました。
彼女全く雰囲気が、変わって、いや激変してました。
前回お会いした時は、アルバイトで生計をたてておいででしたが、なんと、ライターいった肩書きが。
定職に就かれ、以前の過激さは全く無くなっておりました。
彼女は、本物のS女性で、女王様ではありません。ご自身で、私は、サイコパスと仰いますが、それも間違ってはいないかと。
ただ、反面大変な常識人であり、まじめな一面もあり、そして責任感も強いのです。
仕事を進めていく為に、後者の部分を前面に押し出して頑張っておられるといった感じでした。
もう一度言いますが、彼女は、女王様ではありません、S女性なのです。
例えば、私が、こんな欲求がありますとお話しすると、それはさぁ、M男がやりたいことでしよ。私が、したいのは、もっと酷いことなんだよねと仰います。
解ってます。
彼女の、したいことをやっていくと、それは、限り無く快楽殺人に近くなってしまう。
初めてお会いした時は、これだった。1年数ヶ月が経ち、本当に穏やかに変わっていたのです。
確かに、お会いしなかった1年数ヶ月の間に、命の危機を含め色々なことがあったようだ。彼女は、劇的に変わった。そして、私も彼女に、蕩けてしまった。
彼女の役に立ちたいと思った。
そこから、彼女の下でマゾをやった。彼女と直接SMをやった訳ではなく、あくまで、彼女の下でやった。
形は変わったが、30年近くたった今も、彼女との関係は続いている。
彼女と一緒にいると、素の自分でいられる。それは、とても楽で、幸せなことだ。