[Q&A]新車で納車されるときに染みやキズは絶対にないと言えるんでしょうか?
僕が子供の頃は50万円で買える新車もありましたが、今では軽自動車でも200万円を超えることも珍しくなくなってきました。
様々な安全性や機能性を持つようになっているからです。
大きな買い物となる訳ですから、どうしても慎重かつ神経質になる部分も出てきます。
今回の記事では、僕が2021年度中に購入した二台の新車、その納車直後に撮影した写真を題材にして解説していきます。
まず最初に結論を言います
ビックリされるかもしれませんが、
染みもキズも付いている場合があります。
これは硬化型コーティングのあるなし関係ありません。
ちなみに僕が購入した2台とも硬化型コーティングは施工しておりません。
新車納車直後に見つけた実際の症状を見ていきましょう。
ホンダ N-ONE RSの事例
ディーラーさんで納車され、家に帰ってから各部をチェックしていた時の写真です。
ボンネットやルーフのように上を向いている面は「染みが付きやすい」部分ですので要チェックポイントです。
ちなみに「マイティ3」を施工してみましたが全く歯が立ちませんでした。
なので汚れではなく染みだったということです。
ただし、手磨き用コンパウンドである「FLAYER1」を固めのスポンジで施工したらキレイに落とせましたので、軽度の染みであったと言えます。
マツダ ロードスターRFの事例
納車されてから1週間位した時に気付いた症状です。
こんなのを見つけた日にはガッカリしてしまうと思います。
クレームを入れるにしても、納車時にあったものなのか、納車後に付いたものなのか、判断が難しいとなります。
ですがガッカリするのはまだ早いんです。
最初見た時はキズかと思ったんですが、とりあえずマイティ3を掛けてみました。そしたら落とせましたので、本物のキズではなく「キズのように見える汚れ」だったと言えます。
僕の予想ですが、おそらく保護フィルムを剥がすときに残った糊だと思います。
昔、自動車の部品メーカーに勤めていた経歴から思うこと
あなたがこうした症状を見た時に
と感じるのであれば、納車時に伝えれば良いと思います。
何らかの対処はしてくれるはずです。
ちなみに僕がディーラーさんにそうしたクレームを入れなかったのは、洗車という手法でどこまで対応できるのか試したかったからです。
それは仕事においても好奇心を満たす上でも、そうした積み重ねが大きな経験となっていきます。
ちなみに僕ははるか昔ですが自動車部品メーカーに勤めていました。
そこでの品質基準は、一般の方が目の当りにしたら気が遠くなるレベルを求められます。
もし自動車メーカーさんに出荷する部品に今回のような症状があったら、100%間違いなく不良品扱いされます。
それにもかかわらず、
なぜ染みやキズが付いている状態の新車が納車されるのか
その理由を知って頂くには、新車が納車されるまでの経緯を見ていこうと思います。
新車がお客様に納車されるまでの経緯
当然の話しですが、メーカー工場で作られたものがお客様に即日直納される訳ではありません。
クルマは各メーカー工場で完成した後はどこで保管されているか
ディーラーさん等の販売店にどのように運ばれてくるのか
ディーラーさん等の販売店でどのように保管されているか
についてお話ししようと思います。
完成した大量の新車はどこに保管されているのか
超高級車でもない限り、上記写真のように野ざらしになります。
モータープールと言われるこうした場所は、自動車メーカーさんの工場近辺や港などに設けてあります。
これはどのメーカーさんも同じです。
日本国内の新車販売台数は約500万台と言われています。
個人としては高い買い物な訳ですので
というのが人情ですが、台数が台数だけに「物理的に無理だな」というのが分かります。
ただし野ざらしは痛みが出やすくなる要因ですので、ボンネット、ルーフ(屋根)、トランクなどの上を向いている面には白い保護シートが貼られるのが一般的です。
ちなみにメーカー工場で完成後9ヶ月以内であれば陸運局にクルマを持ち込まなくてもナンバーが交付される仕組みがあります。
なのでその期間の数か月間が野ざらしとなる場合もあり得ますが、早いと数日程度で出荷されているようです。
余談ですが、在庫車両は最終的に新古車(登録済未使用車)として流通します。それが走行距離の少ない安いクルマが売られているという仕組みとなります。もし買うなら決算月の翌月である4月や10月が狙い目なんだそうです。
新車はどのように運ばれてくるのか
こういった感じの大きなトラックを見たことがある方も多いと思います。
キャリアカーに乗せられ、モータープールからディーラーさんに配送されていきます。
高速道路を走っていたりするとよく見かける気がします。
新車販売店は新車をどう保管しているのか
これはディーラーさんなどに見に行けばすぐ分かることです。
屋根があったとしても整備工場や最新の展示車両だけで、あとは屋根のない駐車場であることが多いと思います。
なので納車されるまで野ざらしとなることが普通です。
そして納車前に洗車して、お客様に届けられます。
まとめ
このようにメーカー工場で作られてからお客様に届けられるまで、染みもキズもいくらでも付く可能性があるということです。
ですが、シミやキズが付かないようにする保護シートが貼られていたり、携わる方たちの配慮も当然されています。
許せないレベルの染みやキズというのは当然ありますので、その時はクレームを入れるのもやむなしと思います。
ですが、全くのゼロを求めるのも酷です。
もし僕が完全にお客様の立場だった場合で考えると
多少の洗車キズ程度なら目をつむるけど
染みだけは付けないでほしい
ここに線を引きます。
参考になれば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。サポートしてくれた方のメッセージ読ませてもらっています。洗車のプロである僕が「何を見ていて」「それをどう判断し」「行動に移すのか」、YOUTUBE動画では解説し切れない頭の中のことをアウトプットすることで皆さんの参考になればウレシイです。