「スポーツマーケティングから学ぶ、ファンとの関係構築や組織マネジメントの共通項【論文紹介】」MarkeZine 2022/11/11
【記事の要約】
スポーツマーケティングの特異性には、平和や長寿などの社会課題の解決に寄与する側面があるという「公共性・公益性」、勝敗や観戦経験はマーケターもコントロールできないという「競争性」、スポーツ消費者がどの程度主体的かつ積極的にスポーツに取り組んだかにより、経験や勝敗が左右される「自発性・自主性」、スポーツを「見る」あるいは「する」場所が限られるため、時間が制約されるという「時間的制約性」がある。また、観戦の満足度についての研究では、X世代、Y世代、BD世代(ベビーブーマーと団塊世代)の男性ファンは一流選手のプレーを見ることが満足度に大きく影響しているのに対し、X世代やY世代の女性ファンは、好きな選手を応援することや、スポーツ観戦自体が好きであることが満足度に大きく影響していること、BD世代の女性は、会場近くに魅力的な観光地があることが満足度に大きく影響していることが明らかになった。「一生に一度」という広告フレーズは、若い世代よりもBD世代で、満足度に強く影響していることも分かった。
【私の考え】
研究結果から一流選手、人気選手の重要性が明らかになっており、実際にスポーツチームでマーケターを務める人のインタビュー記事でも、今後の課題はチーム強化のための資金を捻出することと述べられていたため、プロスポーツチームでは人気選手を集めることは経営において欠かせないと考えられる。スポーツマーケターは、勝敗や観戦者の態度など、コントロールできない点を明らかにした上で、コントロールできる試合前後や休憩時間の見せ方を工夫することや、各セグメントの満足度に合わせたPR活動が重要になると考えた。