#4 え:エゴサーチ
勉強も運動もできて、かわいい女の子
でも多汗症で悩んでいる。
髪の毛が太く強く癖がつきやすい。指がちびっこくて短い。身長が低い。難聴で片方側から聞こえにくい。足が短い。ほくろが多い。
身体的特徴は悩みを生みやすい。
生まれつき。ってどうにも変えられないんだもん。
体のあらゆる部位には人それぞれのコンプレックスが抱え込まれている。
かくいう私は生まれつきの顔のあざ、高めのアニメ声などがそういったコンプレックスにあたっていた。
顔のあざは中学が終わってからは気にしなくなっていたけど。
アニメ声は今年の4月まではまだまだコンプレックスの中だった。
そのため、電話というのが何よりも嫌いだった。テキストでの会話を連絡の際は望んでいた。幼く聞こえるこの声はよくふざけてるようにとられやすい。信憑性や重みが低くなる傾向がある。
「やたら声が高い人がいた」「顔にあざがある人がいてビックリした」
誰だかわからない言葉。
私の名前は書かれていない。
けど、そういった身体的特徴に関する投稿をネットで見ると、
なんだか、心が、ズキリとする。
名前も生まれてから持ってるもので、私の持っている身体も生まれてから持っているもので、
なにも罪はないんだ。
生まれてから、名前も、身体も、私と一緒に付き合ってるんだ。
生まれてから、名前も、身体も、私が刻まれている。
私を検索するって、名前だけじゃないでしょ?
そこには私がいるの。
でも、だからこそ、嬉しさも私のものとなる。同じ生まれつきを共有することで生活に少しだけ向き合える。そうやってたくさんの私の生まれつきと私は電子でつながる。エゴサーチする。