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0901手紙-日頃見失うものへ-

携帯へ
いつもいろんな情報を与えてくれてありがとう。音声や文字や写真を瞬時に残せるようにしてくれてありがとう。離れた人とつながれるのも君のおかげ。付き合いが長くなるほど離せなくなって君との距離感にはいつも困るよ。

コップへ
飲みたい分の水分を保持してくれてありがとう。たまにうまく飲めなくて服にだばだばかかるけど、嗜好品を作るときには絶対に欠かせない。コーヒーも紅茶もワインも君がいなくちゃ始まらない。

箸へ
初めは使うのに苦労したけど、今も苦労しているけど、君が居なかったらべちょべちょのごはんを手にべちょべちょにつけてべちょべちょがべちょべちょだ。ありがとう。

本へ
御前が居なかったら私は生きてない。「おまえ」って言葉が昔は敬意が強い言葉だってことも御前さんがいなければ知る由もなかった。世界を豊かにしてくれるのはいつも君だ。

チョコレートへ
なんでそんなにおいしいの?でもカカオはとんでもなく苦いよね??砂糖と掛け合わせようとしてくれたの誰??麻薬的においしいよね。ありがとう。

手へ
君のおかげでモノがつかめる。箸がつかえる。本のページをめくるのもなんのそのだ。あの紙の質感を味わえるのも君のおかげ。携帯を使う時なんてとんでもなくかかせない。誰かの頭をなでることもできる、手同士で握ることで言葉では伝わらない感情を味わうことができる。君がいなくなったらと思うと私の生活は明日からがらりと変わる。

目へ
君のおかげで今もこうやって文字が読める。本が読めるのは君のおかげ。映像を楽しめるのも、きれいな自然の風景をみれるのも、大好きな友人の笑っている顔がみれるのも、君のおかげで何度も幸せを運んでもらった。君がいなくなったら歩くこともままならくなってしまうよ。ずっと暗闇で色という概念を知ることもできなかった。世界がカラフルに彩られているのは君がいてこそ。

脳へ
君のおかげで考え事ができる。想像ができる。創造もできる。絵をかいたり、文章を書いたり、音楽をつくったり、勉強をしたり。そうして自分らしさが生まれていく。自分らしさが新しくつくりだされていく。いつも負担をかけてばっかだけど、私を私でいさせてくれてありがとう。君が居なかったらと思うと、感情も思考も自分も何もないのかな。

数字へ
君がいるといないとでは世界が全く違う。生まれてきてくれてありがとう。インパクト強すぎて悩まされることも多いけど、いなかったらきっともっと苦労している。伝達の効率が全くもって変わってしまう。存在してくれてありがとう。

優しさを持つ人へ
「ありがとう」そんな一言で、ほんの小さな一言で救われる。あなたの何気なくかけたその優しさのつまった言葉が、世界に留まる勇気をくれる。今日もここにいるのは、そんな優しさを持つ人たちがいてくれたからこそ。人を思う気持ちは何よりも人間らしさとして美しさを感じさせてくれる。今日も優しさを持っていてくれてありがとう。

地球へ
空気も自然も地面も海も太陽も、君がいなくなったらきっと私もいない。だから、できる限り優しさを渡すように気を付けるね。エコバックは持つようにするし、物は必要最低限にして繰り返し使えるものは繰り返し使うし、大事な資源を使わないまま捨てるなんてことはしないからね。今日も明日も健康でいてね。生を宿らせてくれた地に感謝を。「ここ」は君でもある。

私の周りに関与するものには、できる限りのやさしさをあげたい。
困ったときは、困ったときじゃなくても、やさしさが欲しくなったら私の近くにかけこんでくれ。その代わりいつでもその優しさに「ありがとう」と言える人でいてね。優しさに感謝できるものにこそ優しさをあげたくなるからね。いつだってその気持ちを忘れない限り私は優しさをいつでもできる限りに渡しますので。

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