飛行機で出会ったベトナム人の話Part3
大学二年生の夏の時、私は約3週間東南アジアを一人バックパッカー旅をした。
今回はその時に出会ったベトナム人の話Part3。
↓part1&2
https://note.com/310_ki/n/na60e53af9b25
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旅の初日の疲労は半端ではなかった。しかし、死んだように寝た次の日は清々しい気持ちで朝を迎えられた。
目を開けた瞬間いつもの自分の部屋とは全く違うことに気づく。
「そうだ、今は外国に来ているんだ。半径1000km以内には自分の知っている人は誰一人としていないんだ。」そう考えるとなんだか身体がゾクゾクしたのを覚えている。
朝ごはんは何も用意していなかったので、昨日ドゥエンからもらったお菓子を食べることにした。
私が泊まった宿は日本人宿だったため、私以外に2.3人の日本人が泊まっていた。
私はすぐに話しかけたくなってしまう性格なので、隣の隣で寝ていた同年代っぽい二人組と少し話をして最後にドゥエンから貰った辛いタイのお菓子をあげた。(彼らも私同様舌をヒーヒーさせていた。なんかごめん。)
彼女と今日会う約束をしていたので、早々に宿の外に出ることにした。
宿を一歩出ると、そこには昨日暗くてみることの出来なかった景色が広がっていた。
延々と鳴り響くバイクの音。笠を被って歩く人々。どこからか漂うガソリンの臭い。小さな屋台で肉を焼く元気なおばちゃん。古びたカフェでぼーっとしている西洋の観光客。複雑に絡みつくツタや木の枝。何重にも重なった電信柱の数々。
見るもの全てが今まで一度も見たことがない景色だった。まるで日本とは別世界だ。
海外に来たことをひしひしと感じながらも、ドゥエンとの再会を待つことにした。
20分ぐらい待つと彼女はタクシーでやってきた。昨日の友達も一緒だった。今日はハノイの市内を案内してくれるらしい。ハノイ1日目はノープランだったのでこれほど嬉しいことはない。私は彼女たちについていくことにした。
はじめに彼女たちが案内してくれたところはベトナム料理が食べられるレストランだった。
そこに入るやいなや彼女たちは「何が食べたい?」と聞いてきた。「君達のオススメの料理が食べたいな!」と答えると色んなベトナム料理を注文してくれた。旅の初日&貧乏旅だったので内心どのぐらいの値段なのか少し気になったが、せっかく頼んでくれているものは美味しくいただこう。
次から次へとどんどん料理が運ばれてくる。
名前もわからず、どれも初めて食べるベトナム料理ばかりだったが、地元の人が勧めてくれるだけあってどれも美味しかった。彼女たちは終始笑顔で私が料理を食べるごとに次から次へと料理を作ってくれお皿に乗せてくれた。
「すっごい優しい人達だな。」と彼女たちの優しさに感動していた。「こんなに美味しいご飯をありがとう」そう彼女たちに伝えた。
その後、お腹をいっぱいにして食事を済まし、勘定をするためお金を出そうとしたら「ダイジョウブ」と言い彼女たちは頑なにお金を受け取らなかった。
案内してくれた上にご飯を奢ってもらうなんて流石にちょっと気が引けたので「払うよ」と伝えたがそれでも「ダイジョウブ」と言って全部奢ってくれた。
その後、私は彼女たちについていき、またタクシーに乗り込んだ。「今度はどこにいくのだろう」と心をワクワクさせながら窓の外をみると、道路を埋め尽くすバイクの数々が目にとまった。よく見ると車の数よりはるかに多いバイク達が道路を占めており、私たちが乗っているタクシーをスイスイと追い抜いていく。
しばらくすると私たちのタクシーはハノイにある大きめのモールに着いた。そこで映画を見ようと映画館に連れて来てくれた。映画館の受付は日本のそれと変わらない綺麗な雰囲気だった。
観た映画は当時日本で公開されていなかった「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」というホラー映画。もちろんベトナムの映画館なので日本語字幕はない。彼女たちは私のことを考えてくれたのかベトナム字幕英語音声を選んでくれた。
まさかとは思ったけどこの映画館のチケットもポップコーンも全部奢ってくれた。「なんでこんなに私に優しくもてなしてくれるのだろう。日本人だから?」と内心不思議で仕方なかったがここも存分に甘えてしまう自分がいた。
映画を見ている彼女たちは凄まじかった。ホラー映画なのでびっくりさせるシーンが多々あるが、その時に「wowaahhhhhhhhhhhh」とか「キャーーーーー」と普通にジェットコースターに乗っている時と同じくらいの声量で叫んでいた。
最初はかなり戸惑っていたが段々慣れてきて、自分も一緒になり楽しくなって叫んでしまった。あんなに大声で映画を鑑賞したのは初めてだ。笑 自分の感情を表に出しやすい海外の雰囲気なのか彼女達の性格なのかわからないがとにかく楽しかった。
最後の方ではドゥエンの友達が上映中にも関わらず大声で誰かと電話越しに会話を話し始めた時は笑ってしまった。
そんなこんなで映画を十分楽しんだ後、ドゥエンの友達が仕事が入ってしまったそうで、彼女と別れドゥエンと二人で次の目的地に向かうことにした。
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今回はここで終了。
ここまで見てくれてありがとうございます!
続きは次回挙げます。多分次回で最後になります。
良い一日を!