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鑑賞のお話

初めてバイトを掛け持ちした。

普段は、よく記事にも出している飲食店で働かせて貰っているのだが今回初めてそのお店以外でバイトをする事になった。

そのバイトというのは、個展ギャラリーの受付である。

業務内容は座ってフライヤーを渡したりアンケートに答えてもらったりなどなど。

とりあえず座って待機の仕事である。

飲食店で立ち仕事を5年続けていた私としてはこの仕事は何だかドキドキしてしまう。

本当にこれだけでいいのかと心配になるのだ。

何か仕事ないだろうかと思っても、特に無いようで、とりあえず座っているだけ。

お客さんも1時間に1人か2人、来ない時間もある。

そうなると、極少ないお客さんだが今年大学の展示を控えているため研究がてら観察する事にした。

見ていると色々な事に気がついた。

気づいた中でも1番の収穫は鑑賞についてである。

今読んでくださっている方で美術館や個展ギャラリーなどに行ったことがある人は、滞在時間はどれくらいだろうか。

1時間?30分?もっと短いのか、もっと長いのか。

人それぞれだろう。

私はキャプションを全て読んでしまうタイプなので規模にもよるが1時間はかかってしまう。

しかし、観察していると私のようにキャプションを熟読してじっくり見ている人もいれば、さっと見て10分程で帰っていく人もいた。

どちらの鑑賞の仕方も良し悪しがあるのでどちらが正解だという事はないし、私が決めるものでもない。

良し悪し、というのもキャプションを読んでいれば作品の概要を知ることができて、そこから作品への考えが広がることもある。

反対に、サッと見ることで自分の第一印象が残るから印象が強い作品は恐らくだが記憶にも残るだろう。

抽象画でも具象画でも、キャプションを読まずとも印象的な作品はピタリと足を1度は止めてしまう。

美術に関心がない人でも、パッと見た時に惹き付けられる作品が望ましいのかもしれない。

しかし惹き付けるだけでなく、関心のない人がどういう意図で作ったのかと気になりキャプションまでを読んでもらえると良いのではないか。

何となく、そんな気がした。

持論にすぎないうえに、美術の鑑賞については苦手分野に入る私だからあまり良いことは言えないが。

美術、アート、芸術、こういった分野は難しい。

正解は無いし、感じたことを表現する人が多数なため国語のように作者の気持ちを読み取るのは難解である。

抽象画に限らず具象画でも。

例えば私の大好きな鳥獣戯画。

これも文字での説明は無いに等しいし、作者が誰かも明確に分かっていない。

色んな動物が相撲らしき事をしていたり川を泳いでいたり。

パッと見た感じはそういった感想だが、作者の意図は分からない。

どんな目的で描いたのか、どんな風に描いたのか。

事実はわからない。

しかし、分からないからこそ好きな人もいる。

自分の中の考察、解釈、色々な事を頭で考え心で感じながら鑑賞していると思う。

皆さんはどうだろうか。

今まで書いてきた事はあくまで私の勝手な持論であり、実際は人の気持ちなんてものは分からないし心が読める訳でもない。

しかし美術教師となるうえで鑑賞に対する考え方というのを私なりにまとめて置く必要がありそうだ。

ぜひオススメの鑑賞の仕方があれば教えて欲しいと思う。

また、個展や美術館行ったことない人は気まぐれ程度に覗いてみるのもいいかもしれない。



ここまで読んでくださった優しい方、ありがとうございます。

では、また。

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