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なぜ運動療法と電気刺激療法は併用した方がいいのか?
実は運動療法で行う筋力トレーニングと電気刺激による筋力トレーニングでは2つの違いがあり、その違いを理解することが重要です。
まず一つ目の違いは動員される運動単位の順序です。
従来の生理的収縮では太い線維より先に径の細いTypeⅠ線維(遅筋・赤筋)が興奮し,その後サイズの原則に従い徐々にTypeⅡの線維が興奮する。
しかし、電気刺激では
運動単位の動員は非選択的であり、初期よりTypeⅡの運動単位の収縮も見られる。
次に二つめの違いは収縮開始の円滑性です。
生理的収縮は通常、滑らかに筋の収縮力を斬増させる。運動単位が非同期的に動員され、収縮の円滑性が保たれる。しかし、電気刺激による収縮では刺激が閾値に達すると同時(同期的)に収縮が起こり急速に収縮する。
※疼痛を有する症例では急速な関節運動は疼痛に繋がるため注意が必要
電気刺激は運動単位の動員の非選択性と収縮の非円滑性という特徴を有する。
その特徴が運動療法との併用の意義に繋がります。
サルコペニアによる筋萎縮ではTypeⅠ線維の萎縮が著明であり,術後の廃用ではTypeⅡの萎縮が著明である。
術後の廃用に対する通常の運動療法を行った際にはサイズの原則に従い、小さい運動単位から動員されるためTypeⅡの運動単位の動員が難しい場合がある。。。
その際、電気刺激を併用すれば通常では働きにくいTypeⅡ線維の収縮を同時に促すことが可能になり、より早期の術後廃用からの回復が期待できる。