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フリーランスエンジニアになって見えた「収入以外の3つのメリット」
『フリーランスになれば収入が上がる』
そんな話は、もう聞き飽きていませんか?
確かに収入アップは魅力的です。でも、僕がフリーランスになって3年が経ち、実感しているのは、むしろ「収入以外のメリット」の大きさなんです。
特に、エンジニアという職種ならではの発見が、たくさんありました。
今日は、普段あまり語られることのない、フリーランスの「意外なメリット」について、僕の経験をお話ししていきます。
1. お客様と100%向き合える環境がもたらす「心の余裕」
これは、僕がフリーランスになって最も実感している変化です。
会社員時代、僕は旅行会社のシステム開発プロジェクトに携わっていました。お客様は熱心で、より良いサービスを作ろうと細かな要望を出してくれます。
でも、ここで問題が発生するんです。
お客様の要望と、会社の方針が食い違うことが頻繁にありました。例えば、マスターデータの持ち方や画面遷移の設計で意見が分かれると、その度にテーブル設計からやり直し、画面遷移のロジックを根本から修正する必要が出てきます。
「お客様の要望を全て聞いていたらプロジェクトが遅延する」
「システムのプロでないお客様の要望は、時として現実的でない」
会社側のこうした主張にも、もちろん一理あります。
でも、板挟みになった結果、どうなったか。
朝は「お客様の要望通りに進めましょう」と説明し、夕方には「会社の方針でこう変更します」と言い直す。その度に、設計書を書き直し、デザイナーやエンジニアとの調整をやり直す。
精神的にも、物理的にも、かなりの負担でした。
一方、フリーランスになってからは、状況が大きく変わりました。
お客様と直接向き合えるようになり、2〜3週間単位でリリースするアジャイル開発がスムーズに進むようになったんです。方針が二転三転することも激減し、ドキュメント更新や関係者との打ち合わせに費やす時間も大幅に減りました。
その結果、より本質的な課題に頭を使う余裕が生まれました。
「システムをどう改善すれば、本当にお客様の課題が解決できるのか?」
こういった戦略的な視点で仕事に向き合えるようになったのは、大きな変化でした。
2. 自分の興味に合わせた案件選びができる喜び
会社員時代、僕はtoC向けのサービス開発に携わりたいという思いを持っていました。
でも実際には、BtoBの銀行システム開発にアサインされ続けていました。単価が高い案件だったため、会社としては「金のなる木」状態で、なかなか異動のチャンスがありませんでした。
フリーランスになってからは、これまで4つの案件を経験しましたが、全て自分の意思で選べています。
会社のサービス内容
現場の年齢層や雰囲気
自分の経験が活かせるか
こういった観点で案件を選べることで、仕事の満足度が格段に上がりました。
もちろん、「契約をいつ終了されるかわからない」というデメリットはあります。でも、それは自分から契約を終了することもあるわけで、お互い様です。
3. 会計・税務の知識が、思わぬ強みに
これは意外な発見でした。
会社員時代は、給与から源泉徴収された後の金額が振り込まれるだけ。健康保険料や年金、住民税がいくら引かれているのか、正直あまり気にしていませんでした。
フリーランスになって、全て自分で管理する立場になり、初めて「お金の流れ」が見えてきました。
経費の使い方、確定申告の仕組み、法人化のメリット。これらの知識は、単なる「必要な手続き」以上の価値があることに気づいたんです。
例えば、年収1000万円のケースで考えてみましょう。
会社員の場合、経費を使う余地はほとんどありません。一方、フリーランスの場合、必要経費を差し引いた上で課税されるため、手元に残る金額は100万円以上違ってくることも。
さらに法人化すれば、法人の収入と個人の給与を分けて管理できます。これにより、社会保険料や住民税をコントロールすることも可能になります。
会社員時代、給与を上げようと思えば激務に耐えるしかありませんでした。でも、会計や税務の知識を身につければ、より効率的に実入りを増やせる。そんな発見もありました。
まとめ:フリーランスの本当の価値
収入アップは確かに魅力的です。
でも、僕が3年間のフリーランス生活で実感したのは、むしろ「働き方の質」の変化でした。
お客様と100%向き合える環境
自分の意思で選べる案件
お金の流れを理解し、コントロールできる知識
これらは、単なる「会社員 vs フリーランス」の違いを超えた、働き方の本質的な違いだと感じています。
もちろん、全ての人にフリーランスが向いているわけではありません。
でも、もしあなたが今、フリーランス転向を考えているなら、収入面だけでなく、こういった「質的な変化」にも目を向けてみてはいかがでしょうか?
きっと、新しい発見があるはずです。
※この記事は、私の個人的な経験に基づいています。フリーランスの形態や業界によって、状況は大きく異なる可能性があります。