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プロダクトマネージャーの本質を考える。"人"を中心に据えた価値創造
こんにちは。
FIREを目指している32歳のシンバです。
ITのマネジメント側をやり始めて、6年目になります。
まだまだ経験は浅いですが、最近プロダクトマネージャーの役割の本質って何だろうと考えることが多くなりました。
今日は、その考えを共有したいと思います。
アプリ開発の主な登場人物
アプリ開発には、大きく4つの役割があります。
オーナー
プロダクトマネージャー
エンジニア
デザイナー
エンジニアはさらに細かく役割を分解できますが、今回はまとめて考えていきます。
プロダクトマネージャーの役割
オーナーとプロダクトマネージャーは、アプリの現時点での課題を、仮説を立てて、分析し、次回のアップデートでは何をすべきかドキュメントにまとめます。
アプリのUI/UX(画面の見た目)が変わる場合は、プロダクトマネージャーがデザイナーに今回のアップデート内容を説明し、新しいデザイン作成を依頼します。
また、プロダクトマネージャーは、エンジニアにもアップデート内容を説明し、設計と実装を依頼します。
こんな感じで、プロダクトマネージャーはオーナーとやりたいことをまとめ、デザイナーとエンジニアに指示を出す、言わば4種類の登場人物をまとめることが仕事です。
求められる幅広い知見
かつてのプロダクトマネージャーは、幅広い知見が求められました。
オーナーと会話するには、経営的な視点やその業界のことをある程度知っていなければいけません。
デザイナーと会話するには、UI/UXのパターンを知っていなければなりません。
(ダイアログで表示するのか、画面遷移にするのか、とか)
エンジニアと会話するには、システムの仕組みを理解していなければなりません。
これはかなり大変なことです。
だからこそ、マネージャーというのは単価が高いんです。
スケジュール管理の難しさ
加えて、スケジュールも管理しなければなりません。
当然、オーナーと長々とアップデート内容を語り合っていたら、デザイナーとエンジニアが暇になってしまいます。
デザイナーやエンジニアとの調整に時間がかかっていたら、次のアップデート内容を考える余裕がなくなっていきます。
AIによる変革
だから、適度なところで切り上げ、デザイナーやエンジニアとも情報伝達の齟齬がないように、できるだけ分かりやすく図や表を作ったりします。
という感じで、マネージャー業は、常に何かに追われている感じがありました。
ところが、昨今のAIブームにより、その状況が少しずつ変わってきているような気がします。
仮説を立て、分析することは、アプリのデータをAIに流し込めばある程度やってくれます。
分析した結果から出てきた課題とそれに対するアップデート内容を雑に文章にしたら、それをエンジニアやデザイナーが分かりやすい形に清書してくれます。
だから、プロダクトマネージャーの作業自体は、今後AIに取って代わられるような気がしています。
本質的な価値
しかし、だからと言ってプロダクトマネージャーの役割がなくなってしまうわけではないと思います。
オーナーもエンジニアもデザイナーも、全員人です。
全員感情を持っています。
だから、いくらプロダクトマネージャーが全ての作業をきっちりこなし、認識齟齬が生まれないように整理をしたとしても、彼らがモチベーション高く動いてくれるとは限りません。
(もちろん、やらないよりはマシですが)
モチベーションの重要性
ここからかなり感覚的な話にはなりますが、アプリというのはある種ナマモノで、魂をこめてアップデートをしていかないと、使ってくれるユーザーに伝わらないんです。
それは、実際に作るエンジニアやデザイナーがモチベーション高く、魂を込めないと、伝わらないものになるということです。
魂がこもっていないというのは、もう少し具体的に言うと、プロダクトマネージャーが説明した仕様をそのまま作るのが仕事だと思っている、という状態のことです。
魂がこもっている場合は、プロダクトマネージャーに「もっとこういう仕様にした方が良いんじゃないだろうか?」「これだとユーザーは使いにくくないか?」と意見をしてくれます。
チーム作りの極意
なので、僕はエンジニアやデザイナーが、やる気を出して作ってくれるよう、応援することが、プロダクトマネージャーの本質的な役割なのではないか、と思うようになりました。
もしかしたら、オーナーに向けても応援というのが大事かもしれません。
(オーナーも様々なことで疲れ、弱気になっていることもあったりするので)
だから、僕は必ずエンジニアやデザイナーからメッセージが届いた場合は、どんな内容であっても、必ず「ありがとうございます!」から始めるようにしています。
感謝の言葉を言われて、嫌な人はいないと思うからです。
称賛の力
さらに、少しでも出来上がったものが良いと思ったら、徹底的に「すごい!」と称賛します。
自分が称賛するというのは若干おこがましいですが、とはいえ、とにかく褒めるようにしています。
これをコミュニケーションの基本としつつ、さらにやっていく中でその人が特に得意なことは何か、を見出し、できるだけ得意なことに役割を寄せていきます。
こうすることで、その人は業務のやりやすさが格段に上がり、僕も褒めやすくなり、その人はさらにやる気がアップする、という好循環が生まれます。
プロダクトマネージャーの本質
これが良いプロダクトを生み出すサイクルを作る中で、プロダクトマネージャーが一番大事なことだと思うのです。
プロダクトマネージャーは、実際に開発するほどの能力はありません。
デザインスキルもありません。
エンジニアやデザイナーがいないと、結局は何も作れないんです。
だから、徹底的にエンジニアやデザイナーのやる気を上げるような仕組みを作れば、良いモノが生まれやすくなっていくのです。
成功のサイクル
良いモノが生まれればユーザーに伝わり、アプリの売り上げは増えてオーナーは喜びます。
そのサイクルを回しているのがマネージャーなんです。
オーナーとエンジニア、デザイナーで直接会話すれば良いじゃないか、と思うかもしれません。
でも、自分で自分を管理しながら、自分で作業するのは難しいんです。
だから、誰かに音頭を取ってもらうのが重要なのです。
AI時代のプロダクトマネージャー
AIの進歩が目覚ましい昨今、今まで以上にプロダクトマネージャーは人のやる気と本気で向き合うことが大切になっていくような気がします。
そんな、人との交流が、僕は、大変ではあるけれど楽しいんです。
以前の記事で、noteというサービスに僕はハマり、将来的にはnoteのプロダクトマネージャーとしてユーザーから運営側になってみたい、と書きました。
決めたらすぐ行動なので、早速応募してみましたが、契約には至りませんでした。
正社員を募集しているので、さすがに業務委託契約は厳しいだろうな、と思ったのですが、その通りでした。
残念ではありますが、今後もPdMとして精進しつつ、何らかの形で関わり合いが持てたら良いなと思っています。
なんか話が脱線してしまいましたが、とにかく、僕は、プロダクトマネージャーとして日々仕事仲間のやる気と向き合うのが好きなんです。
おわりに
人のモチベーションを高め、チームとして最高のパフォーマンスを発揮する。
それがプロダクトマネージャーの本質的な価値だと思います。
AIがどんなに進化しても、人と人との関係性を作り、チームを導くという役割は、むしろ重要性を増していくでしょう。
この仕事をいつまで続けるかはわかりませんが、これからも成長し続けていきたいと思います。
そして、一緒に働く仲間たちと、より良いプロダクトを作っていけたらと思います。