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年収1000万のフリーランスが気づいた「自分を殺して稼ぐ」という落とし穴
「お客様は神様です」という言葉に縛られすぎて、自分の意見を言えない。フリーランスになって収入は増えたのに、なぜか心が満たされない—。そんな違和感の正体を、僕は最近やっと理解できました。
「お客様の言う通りにすれば上手くいく」は、本当か?
「いいね、その方向で進めましょう」
僕は今日も、クライアントの意見に合わせて頷いていた。
本当は違う提案をしたかった。でも、波風を立てたくない。その一心で、自分の意見を押し殺している。
『フリーランスになれば、自由に働ける』
そう信じて会社を辞めたはずなのに、気づけば以前より強い「見えない鎖」に縛られていた。
3年前、僕はITベンチャーを退職してフリーランスになった。
きっかけは単純だった。「もっと自分らしく働きたい」。そう思い続けた毎日に、終止符を打ったんだ。
最初は順調だった。
クライアントの要望に徹底的に応えることで、次々と仕事を獲得。年収は会社員時代の倍以上になった。
数字の上では「成功」と呼べる状態。
でも、どこか満たされない。
むしろ、収入が増えるほど、その違和感は強くなっていった。
「なぜだろう?」
答えは、意外なところにあった。
現場で起きていた「小さな違和感」の正体
それは、とあるミーティングで起きた出来事がきっかけだった。
「この施策は、効果が出ないと思います」
新規のクライアントが提案してきた施策に、僕は首を傾げていた。
でも、表情には出さない。言葉にもしない。
「まずはやってみましょう」
結局、いつもの様に相手に合わせる返事をした。
案の定、その施策は失敗に終わった。
クライアントからの信頼は少し下がり、次の契約には繋がらなかった。
「あの時、もっとはっきり意見を言えば良かった」
後悔が残った。でも、次のクライアントとの打ち合わせでも、同じことを繰り返していた。
SNSでの発信も同じだった。
『フリーランスとして成功する方法』を発信しながら、心の中では「こんなに苦しいのに、成功とは言えないんじゃないか」という声が響いていた。
毎日が消耗戦。
心が疲れ果てていた。
「嫌われる勇気」が教えてくれたこと
変化は、ある「覚悟」から始まった。
「この人たちに嫌われても、契約を切られても、それでいい」
ある日、ふとそう思えるようになった。
なぜそう思えたのか?
理由は単純だった。他の案件はいくらでもあることを改めて認識したから。
「この案件を失っても、新しい機会はいくらでもある」
その安心感が、僕に「本当の自由」をくれた。
毎月、自分の中にある「モヤモヤ」を書き出すようにもなった。
「今の仕事の中で、本当はやりたくないことは何か?」
「誰に対して、自分を合わせすぎているのか?」
「本当は、どんな提案をしたかったのか?」
正直に向き合うと、意外な発見があった。
案件を失うことへの不安以上に、自分を殺し続けることへの疲れの方が大きかったんだ。
フリーランスの「自由」と「束縛」の境界線
今、僕は少しずつ変わろうとしている。
クライアントとの関係も、以前より率直になった。
「その方向性では、期待する効果は得られないと思います。代わりに、こちらの方法を提案させてください」
驚いたことに、むしろ信頼関係は深まった。
なぜか?
それは、「自分の意見を持っている人」として認識されるようになったからだ。
フリーランスの「自由」は、決して「一人で好き勝手にできる」ということではない。
むしろ、「自分らしさ」と「他者との関係性」のバランスを、自分で選び取れることなのかもしれない。
経済的な自由は、その土台でしかない。
本当に大切なのは、「自分の心に正直に生きる自由」なんだと、今は思う。
これから大切にしたい3つのこと。
それは、
「NO」と言える関係性を築くこと
いつでも代わりの収入源を持てるようにすること
定期的に自分の本音と向き合うこと
収入は、少し下がるかもしれない。
でも、「自分を殺して稼ぐ」よりも、ずっと持続可能な働き方になるはずだ。
あなたは、どんなフリーランス生活を送りたいですか?