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理学部からプログラマーへの転身。初めての転職で得た気づき
こんにちは。今、社会人8年目の僕が、初めての転職について振り返ってみたいと思います。
物理学科での迷走
僕は北海道大学の理学部物理学科を卒業しました。
でも、正直に言うと、物理学との相性は最悪でした。
2年生から始まる専門科目で、もう躓いてしまったんです。力学や熱力学で出てくる微分方程式の時点で興味が失せ始め、量子力学に至っては1ミリも理解できませんでした。
そんな中で、僕が選んだ逃げ道は...チェロでした。
チェロとの出会い直し
小学校1年生から続けていたチェロ。大学のオーケストラでは、それなりの実力を発揮できていました。
「今の自分に得意なものと言ったら、チェロしかないんじゃないか...」
そんな思いから、勉強は最低限に抑え、チェロの練習に打ち込む日々が始まりました。
単位は追試験直前に誰かから解き方を教えてもらい、それを暗記して何とか取得。そんな綱渡りの毎日でした。
人生の岐路
大学4年生。アメリカの音楽祭への参加を決意し、卒業研究をすっぽかして渡米しようとしました。
当然、研究室の教授は激怒。「これでは卒業させられない」と。
それでも僕は行きました。2週間の音楽祭を終えて帰国後、芸大の別科受験を目指すことに。
実は大学2年から札幌でチェロを習っていた先生も、大学時代に同じような道を歩み、芸大の別科から音楽の道へ進んでいました。
必死の練習の末、「かなり可能性がある」と言われるまでになりましたが...結果は不合格。
どん底からの再出発
頭が真っ白になりました。
でも、合格発表を見る前から結果は分かっていました。人生がかかった演奏で、練習通りの力が出せなかったんです。
卒業できない。チェロの道も閉ざされた。
両親からは「何とか大学は卒業して」と懇願され、教授のもとへ。
恥ずかしさと悔しさで一杯でしたが、教授は「半年研究を頑張れば卒業させてあげる」と言ってくれました。
就職活動と新たなスタート
2016年4月から9月まで、大学4年生を半年延長。
卒業研究から発表資料まで、教授が直接手伝ってくれました。本当に感謝しています。
就活は出遅れ組。ネオキャリアに登録し、東京と北海道を行き来しながら面接を受けました。
そして出会ったのが、社員150人ほどの計測器メーカー。
エンジニアとしての芽生え
初任給は280万円。同じ大学の友人たちが国家公務員や大手メーカーで働く中、正直悔しい思いもありました。
でも、こんな経歴の僕を採用してくれた会社には、感謝の気持ちでいっぱいでした。
仕事は回路設計から始まり、CADでの基盤作成、マイコンやFPGAのプログラミング。
周りは高専出身者や、東大で独自にロボットを作っていた人など、異次元の能力を持つ人ばかり。
その中で、東大出身の先輩に手取り足取り教えてもらえることになりました。
プログラミングとの出会い
毎日が新鮮で、特にプログラミングが面白かったんです。
大学時代は全く理解できなかったプログラミングが、目の前で動く機械があると急に分かるようになりました。
効率的で美しいコードを書くことが、純粋に楽しかった。
転機
しかし1年が過ぎると、仕事が作業になり始め、収入への不満も出てきました。
3年目に結婚が決まり、将来のことを考え始めると...。
会社の構成は20代の新卒組と40代以降のベテランだけ。30代が完全に抜けていました。
試しに40代の先輩に年収を聞くと、僕とほとんど変わらない360万円。
「このまま10年頑張っても、大して変わらないのかも...」
新たな可能性との出会い
そんな時、「転職の思考法」という本と出会いました。
収入を上げるには、業界選びが重要だと。
さらに「マナブ」というYouTuberの動画で、エンジニアなら年収1,000万円も可能と知り、希望が見えてきました。
プログラミングスキルの再発見
Paizaというサイトでスキルチェックを始めました。
最初は簡単なDランクから。
徐々にレベルを上げていき、つまずいたAランクは、数百問ある基礎問題を全て解くことで克服。
なんと2ヶ月で最高ランクのSランクを獲得。大量のスカウトが届くようになりました。
転職への挑戦
しかし面接では、実務経験のなさを指摘される日々。
それでも諦めず、Sランクまでの到達スピードや、副業で始めていたYouTube活動(登録者1,000人以上)をアピール。
5社目でついに、ITベンチャーからポテンシャル採用が決定。年収400万円という条件に、心が躍りました。
新章の始まり
2019年12月、計測器メーカーを退職。2020年1月から新しい挑戦が始まりました。
この時の僕は、これから待ち受ける試練の数々を知る由もありません。
でも、この初めての転職は、間違いなく人生の大きなターニングポイントとなりました。
そして今、プログラミングという武器を与えてくれた最初の会社への感謝を忘れずに、新しい道を歩んでいます。
おわりに
人生は思い通りにはいきません。
でも、失敗や挫折を経験しながら、思いがけない場所に自分の才能を見つけることもある。
そんな僕の経験が、誰かの参考になれば嬉しく思います。