越後湯沢温泉旅行、トンネルを抜けると…
お久しぶりです。けちゃです。
みちゃが東京で就職して初めて賞与をもらいました。すごい! おめでとうございます! そのお祝いで、なんと越後湯沢温泉に連れて行ってくれました。
みちゃがお正月、実家へ帰った時に余った青春18きっぷがあるということで、往路は在来線で行くことに。東京駅で待ち合わせをして、アーバン快速に乗ります。
朝食はエビとブロッコリーのサンドイッチをニューデイズで購入。ふたりで同じ方向を向いてモグモグ食べながら越後湯沢へと向かいます。
この旅行に合わせて越後湯沢が舞台の名作、川端康成の『雪国』を二人で読んでいました。車内の会話はほぼ『雪国』の話で持ちきりです。美しい日本語で描かれている文学作品ですが、やっていることは最悪だよねってことで、大変盛り上がりました。
みちゃは作中の、車窓に映る向かいの客の描写が好きらしく「ここ! 窓のここらへんに葉子(登場人物)がおる!」と、言っていました。
さて『雪国』で最も有名なフレーズといえば
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」
です。
越後湯沢温泉駅手前の水上駅で電車を乗り換える際、雪はまだ積もっていませんでした。本当に突然雪国になるのだろうか?と、ふたりは半信半疑です。
乗り換えた電車は小説に書いてある通りに、やがて長く暗いトンネルに入りました。ガタンゴトンと揺れる車内で、初老の夫婦がお揃いの、センスのいいトレッキングシューズを履いているのを見つけて、みちゃに教えます。
「おしゃれやね」
と、二人で微笑みました。歳をとっても、パートナーと2人で健康的に外出できるのって素敵なことだなと思います。しばらくして車内が一気に明るくなりました。トンネルを抜けたのです。
「うわー! すげー!」
まさか本当に小説の通りだとは思いませんでした。さっきまでまったく雪はなかったのに、突然視界に広がる白銀世界。真っ白な山の斜面から水蒸気が立ち上り、その雪晒しに太陽の光がキラキラと反射しています。けちゃとみちゃは、子供に戻ったかのようにキャッキャとはしゃぎました。
国境の長いトンネルを抜けると、うわー! すげー! 雪ー! であった。
それでいいよね。旅行でかっこうつける必要なんてないと思った、けちゃでした。
つづく
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