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ビジネスコンプライアンス検定の過去問と解説、科目ごとの勉強法

この記事では、ビジネスコンプライアンス検定の過去問と解説、科目ごとの勉強法について、詳しく掲載しています。


ビジネスコンプライアンス検定の過去問と解説

【 No. 1 】 内部通報への適切な初動対応

上場企業A社のコンプライアンス・オフィサーX宛に、「公共営業部の社員Bが『公共工事の受注で談合をせざるを得ない。早く他の部署に異動したい』と言っていた」との匿名の文書が届いた。この場合のXが最初にとるべき対応に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

ア.公共営業部に対して、緊急の内部監査を行う。
→ 正しいです。
談合の可能性がある場合、内部監査は重要な対応の一つです。ただし、慎重に事実関係を確認する過程を経る必要があります。

イ.公共営業部長に匿名文書を見せ、事実関係について聴取する。
→ 正しいです。
部長への確認は適切な初動対応の一環です。ただし、文書の取り扱いには注意が必要です。

ウ.匿名文書を公正取引委員会に送付する。
→ 誤りです。
匿名文書の段階で、外部機関に報告するのは不適切です。まずは社内で事実関係を確認し、談合の実態があるかを判断したうえで対応を進める必要があります。

エ.社員Bから聴取する。
→ 正しいです。
匿名文書に基づき、直接関係があるとされる社員Bから事実関係を聴取することは適切な対応です。

正解 : ウ

コメント:

選択肢 ウ は誤った対応を示しており、不適切です。匿名文書の段階で公正取引委員会などの外部機関に送付するのではなく、まず社内での事実確認を優先すべきです。本問題および正解には不備はありません。

ワンポイント解説 :内部通報への適切な初動対応

ビジネスコンプライアンス検定では、内部通報が行われた際の適切な初動対応についての理解が求められます。本問題は、談合の可能性が示唆される匿名文書を受け取った場合の対応について考える内容でした。

正解である選択肢ウ「匿名文書を公正取引委員会に送付する」は、不適切な対応を示しています。匿名文書の段階で外部機関に報告することは慎重さを欠いた行動であり、事実確認が不十分なまま情報が外部に漏れるリスクがあります。このような場合、まず社内で事実関係を確認し、必要に応じて適切な手続きを経た上で外部機関への報告を行うべきです。

一方、選択肢アの「緊急の内部監査の実施」、イの「公共営業部長への聴取」、エの「社員Bからの事実確認」は、初動対応として適切です。内部監査や関係者への聴取を通じて、談合の有無を確認することが重要です。

ビジネスコンプライアンス検定では、内部通報の対応において「慎重さ」と「適切な手順」が重視されます。実務においても、通報内容を慎重に検討し、事実確認のプロセスを確実に実行することが、適切なコンプライアンス体制の維持につながります。試験対策としても、この流れをしっかりと理解しておきましょう。

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