雑記　Vol.15

水戸黄門のはなし

『30過ぎたらさー水戸黄門見ると泣けるんよ、なんか』

私は26、先輩は32歳くらいだったと思う

新卒で配属された営業所の先輩
異動になってもその営業所と私のいた営業所は営業所ぐるみでみんな仲が良かった

何かの集まりのとき、
「お客様宅に訪問する連絡をしたら
『水戸黄門は絶対見たいから水戸黄門の放映時間は避けて来て』って言われたんですよ」
と何気なく話したときに何気なく返ってきた言葉

水戸黄門、泣けるか？と思ったのが顔に出ていたようで
『30過ぎたら泣けるから（楽しみにしときんさいや）』
と言外のニヤリをうけとった

現在40歳
結論
水戸黄門は泣けます
というか
もはや水戸黄門がどうとかの域を超えている話で
だいたいの事柄、泣けます
ものすごく涙もろくなりました
だいたいの事柄、すぐ泣けます
だから水戸黄門は見ていないけど
たぶん泣けるのでしょう

先輩は水戸黄門のどこに涙をこぼしていたのでしょう
『人生楽ありゃ苦もあるさ』なのか
隙のない勧善懲悪なところなのか
はたまた印籠が欲しかったのか

先日11年ぶりに先輩を見かけました
11年前に引越しをしたのでそれ以来です
お祭りのライブ会場で
先輩は大声でライブをするアーティストの名前を叫んでいました
会場の一番後ろらへんです
酒まつりでもあったし見るからにお酒の量だいぶいってんな、という感じです
つまりファンではなくただの賑やかしです
先輩は変わってなくて嬉しかった

私は11年前とは大きく体型が変わっていたため
話しかけるのを躊躇し話しかけませんでした
でも
今振り返れば
話しかければよかったかなぁと思います

今振り返れば
一緒にバイクの免許取りに行ったよなぁとか
やたら量の多いラーメン屋連れてってくれたよなぁとか
急に
ぽろぽろこぼれだす思い出

今度は話しかけよう。
体型を元に戻してからね

そして
水戸黄門は泣ける、と言おう。
見てないけどね