続・イケメンの秘密。
きのうの彼の人、修理屋のにーちゃんは、清廉潔白が過ぎるので、ともすれば面白味のないイケメン君かと思いきや、もしかするともしかして謎めいている。
というのも遡ること、同僚が修理の依頼をしていた機械メーカーの担当者と連絡がとれずにイライラしていたあの時。もう夕方だし、前日から何度となく電話を入れている彼女のイライラは、最高潮に達していた。
ーそら、怒るよな。一触即発やん。どうやって鎮火すべし?
と、頭を悩ませたミミは、コールバックをすっ飛ばして今。無礼千万承知の助で今。修理に来てくれたら解決やんなと提案してみた。
エスパーでもあるまいし、ファーストコンタクトが取れてないのに何言うとんねん「はぁ?」と、マスクを突き破って怪訝な顔でミミを見つめる死んだ魚の目の同僚に、イヤイヤイヤイヤ、噂をすれば影って言うやんか、と怯まず応戦の我らがミミちゃん。そのめでたさが羨ましいよと、同僚からため息の倍返しを受けた数分後。
現れた。
うそぉ…
来たで、おるで、現れた…!
なにこの間髪入れずのタイミング。
ゴォォォォォォル!
今のハナシ、聞いてたの?
彼の人の、解脱したかの如し爽やかさが同じニンゲンとは思えないと思っていたけど、あながち当たらずとも遠からずじゃない? だって、こんな瞬間テレポーテーションが出来るんだもの。
あ、だから。人間サマの基本の基であるホウレンソウが、出来ないのではなく素より必要ない訳だ。それにしてもこの類まれなる離れ技を、履歴書の特技欄に書けそうにもないのが今生の名残に思えるけれど。ってもしかして。
そもそも、就職していなかったりして。
だってそんな今さらよ、人間様の社会システムに入る必要があるのかい?
え? ほな彼のイケメン君は、一体全体どちら様…?
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脚本で韓国デビューを目指す会社員です! もし、アタイをサポートしてくれはるのなら…あなたのおはようからおやすみまで笑いで見つめるライオンと化します(ガオー)