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展覧会が終わって

愛と感謝の幸せな展覧会からニ週間が経ちました。
展示された父の油絵が友人、知人の元へといま届けられています。父の絵を勿体ないと私が保管したところで'失われたアーク'みたいに人知れず仕舞われるだけ。人に観られる事のない絵は場所を取るただの物としてその生涯を終えていきます。今回は私の友人たちも大勢来廊してくれて、父とは面識もない方にも絵を気に入って頂けたらお迎えして下さるようお願いしました。
父が居なくなって物の処分は大きなタスクのひとつでした。絵は三年前のようにある程度貰って頂けると考えていましたが、道具類の廃棄処分は気の重い仕事でした。そんな時ふと展覧会場に置けば持って行ってくれる人が少しはいるかも!と閃きました。実際置いてみると予想を超えて無くなっていき、最終日には筆も絵の具も全てどなたかの元へ旅立ちました。
さらに部屋にあったイーゼルとサイドテーブル、揮発性溶剤などは友人が車で引き取りに来てくれるというミラクルも。
父が愛してエネルギーを注いだものたちが大勢の方々の元へと旅立ち、新しい生命として生まれ変わっていきました。
いま私はとても温かく幸せな気持ちで満たされています。ものが無くなったスペースに愛をいただいた感覚。
一月末に父が他界し、二月三月と怒涛の日々、そして展覧会の開催と、体もメンタルも維持しながらよく頑張ってきたご褒美は、何にも替え難い豊かで満たされた幸せな気持ちでした。与えた愛が何倍にもなってこんなに早く返ってくるなんて。差し出された仕事はどんなものであっても神様のギフトなんだなぁ…としみじみ感じています。

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