イベントレポ「戯曲を読んでみる会」チェーホフ『かもめ』第三幕
どもども皆さんヤーチャイカ。
三重県津市の愉快なスペース・ニネンノハコです!
「聖書を読んでみる会」に引き続き、今年四月から始まった「戯曲を読んでみる会」(読んでみる会シリーズ第二弾)。
今回はチェーホフの『かもめ』第三幕を読んでみた模様をお伝えします……とまあ、そんな次第です!
第三幕は「お別れの時」
前回第二幕では個々の登場人物たちが深掘りされていきましたが、第三幕では物語が前に進み始めます。作家のトリゴーリンをめぐる白熱したやりとりは必見。今回は一対一の会話(といっても、噛み合っていないのですが)が多めなので、状況が理解しやすい場面が多かった気がします。
まずは前回と同じく主催者さんによる解説のあと、役を回しつつ初見で読んでゆきました。
強かな大女優、ソーリンの新たな決め台詞(!?)
第三幕の中心人物はなんといってもトリゴーリン。二幕と三幕の間でトリゴーリンを巡ってまた一悶着あったようで、アルカージナ、トレープレフ、ニーナの関係性がまた一段と複雑になってきています。しかしそれを悲劇として描かないのがチェーホフ流。今回も様々なツッコミが参加者の皆さんから湧き起こりました。
今回一番盛り上がったのは、ニーナに靡いてゆくトリゴーリンをなんとか繋ぎ止めようと必死になるアルカージナの長台詞。作家としての実力を誉めるくだりのうまさには「まるで食レポのようだ」との声が。トリゴーリンを思い止まらせることができたあとのセリフ「これで、わたしのものだ」も読みながら爆笑してしまう面々でした。
今回もう一つ謎に盛り上がったのが、ソーリンの決め台詞について。「……とまあいった次第でな」が口癖のソーリンさんは具合が悪くなって「目まいがする。気持ちが悪い」と言った後にも欠かさず「……とまあいった次第でな」。それを言う気力はあるんかい!とツッコまずにはいられないのでした。
また今回新たに「論より証拠」という言葉も繰り返していて、これは新たな決め台詞なのではないか?とウキウキする参加者たち。
またポリーナの「わたくしたちの時は過ぎて行きますもの!」も印象的なセリフだったため、しばらくニネンノハコ的バズワードになりそうです。
それではみなさまお耳を拝借、我らが劇団ニネンノハコによる「かもめ」の開幕でござい!
感想・ツッコミなど
ちょい役の料理人が出てきたなと思ってよくみたら、ト書きに小間使いもいた。
→チェーホフの劇は実際に演じると意外と人数が必要トレープレフとアルカージナ、情緒不安定な親子だ
二幕と三幕の間でトレープレフが自殺未遂している
→頭を打って失敗してるというのはリスカ的な感じかもしれないトリゴーリン、アルカージナとニーナでどっちつかずな感じだけれど、よく考えたら二人ともトレープレフから奪ったみたな感じだ。
ニーナが推理小説みたいな方法でメッセージに使ったトリゴーリンの小説の言葉は実際にチェーホフが小説に書いた言葉で、チェーホフ自身がファンから同じ方法でメッセージを受け取ったらしい。だから劇中で3回も繰り返している。
→ファンサがすごい。送ったファンの人めっちゃ嬉しかっただろうな〜女性が男性役を演じてもちょっと少年っぽい感じだけれど、男性が女性役をやると笑いが起きるのはなぜだろう?
次回、ついにあのセリフが!!
戯曲を読んでみる回「かもめ」編の最終回となる第四幕は2週間後、7/24(水)の19時から開催です!
トリゴーリンを追ってモスクワへと巣立ったニーナ、ついにあのセリフを口にします。いったい誰が演じることになるのか? 乞うご期待!
直近のハコイベント
7/10(水) 大人のための国語勉強会
今回のテーマは「根拠」。循環論法や早まった一般化など、よくある詭弁を学びつつ根拠の妥当性を考える回です。
9/1(水) 勝手にアフタートーク! 第七劇場「ヘッダ・ガーブレル」
恒例の観劇感想回。8/31・9/1に三重県文化会館で上演される「ヘッダ・ガーブレル」の感想でワイワイ盛り上がる会です。戯曲に興味がある方はこちらもぜひ!