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Photo by
norikane
笛の音の人
どこかしら飄々と。
時折柔らかく、時折爽やかに。
遠くから風に乗って聞こえてくる澄んだ笛の音。
澱みを洗い流してゆく。
霞みがかった山の向こう。
奥深くに甘く乳白色したブラックオパールの光を見る。
その光は常に微笑みかけている。
爽やかな影を背負ったまま。
濃厚な蜂蜜がスプーンを伝ってゆったりと流れ落ちる。
なめらかで上質のシルクのようにふんわりと軽く、
清濁からめとってゆく。
規則的にしかし自由に模様を織りなす石畳。
時を経て、尖った角は丸く削られ、
鋭さを残しつつも盤石である。
葉を落とした木の枝は天を貫く。
空にくっきりと己の刺繍を縫い留めるように。
孤高の美学。
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