家のない子どもはどう育つのか?デメリット編【#3】
もうすぐ家なし、ふたりっぷの摩衣です。
前回の「家のない子どもはどう育つのか?メリット編」
こちらに引き続いて、今回はデメリット編。
私たちは近々、固定の家を手放し、おやこ二人で快適に住めるように改造した三菱デリカカーゴが「マイホーム」となります。
そのため厳密に言うと、通常の家庭との違いは「家がないこと」ではなく「家が固定されていないこと」であるといえます。
海外移住を検討し始めた時から、居住地が転々とするデメリットについて、考えてきました。
「サードカルチャーキッズ 多文化の間で生きる子どもたち」によると、特に国をまたぐ多文化の中で育つ子どもには、こんな課題が出てくるケースがあるようです。
サードカルチャーキッズとは、
とあります。そしてサードカルチャーキッズが抱える共通の課題として、
とあります。
サードカルチャーキッズという概念自体は、国をまたいで移動をする子どもを指すので、特に「私のホーム(国)はどこなのだろう」という「根無し草感」を抱いてしまうのだそうです。
そのため国内を転々としていくケースでは、国をまたぐような文化的ギャップは少なくなると思われます。基本的にコミュニケーションは日本語(離島に行けばほぼ「外国語」に相当する言葉も経験できますが)。
カルチャーショックは海外のそれとは全くインパクトが違います。言葉や食べ物の文化が似ているのは、それだけでホーム感がありますしね。
考えうるデメリット
それを踏まえた上で、デメリットとその解決策を考えてみました。
根無し草は避けられない可能性大
「根無し草感」でいうと、転勤族の家庭に育った子どもは、それらしい感覚を持っているケースが多いと思われます。私もそうですが、小学校は3校、中学校は2校経験しています。
結果的に0~13歳の間に4都市を移り住んだためか、「我が愛する故郷」というような存在はなくなりました。
実家は今は固定の場所にあり、13歳~22歳はそこに住みましたが、そこはあくまで親の住まいであって私の故郷ではない、という感覚です。
これによって何か不具合があったかといえば、私の場合はあまり心当たりがありません。
日本各地に馴染みの場所があるし、関係が持続するかはさておき各地に友人もいる。そして両親が旅行好きだったこともあり、近隣都市も含めかなりの都市を旅して周ることもできました(13歳まで関西以西を制覇しています)
大人になった自分を客観的に見ると、先に引用したサードカルチャーキッズの概念にあったように、
「特定の文化に属することなく、独自の生活文化を創造していく子どもたち」に近い感覚を持った大人に成長したように思います。
そういう育ちというのも要因となって、車上生活に魅力を感じたりするのかもしれません。
経験上、最大のデメリット
根無し草はデメリットといえばデメリットですが、私の人生において大きな傷となったのはそこではありません。
唯一、転校における傷があります。それは中学1年のことで、これは人生最大の暗黒期を引き起こしました。多感な年齢での、しかもクラスの人間関係の出来上がっている3学期からの転校でした。
詳細は長くなるので割愛しますが、暗黒期となった最大の要因は、13歳の少女には何の選択肢も与えられなかった、ということです。
親(の会社)の言うままに移動するしかなかったこと(そこに時期や移動先の選択肢は無い)
そして移動した先での進路の選択肢も無い
友達ができないから楽しくない、学校に行きたくない。勉強がどうだったかというような記憶はなく、ただただ孤独が辛かった記憶があります。
デメリットをデメリットにしない条件
転々とする生活によって子どもに悪影響を及ぼすとしたら、そこに本人の意志が反映されないことではないかと思います。
行く場所、行く時期、保育園や学校など、これから選択肢はほぼ無限にありますが、絶対に親の意見だけでは決めないことです。
車上生活には乗り気です
一見親の好きなようにしているように見えるかもしれませんが、我が息子の意志を尊重しています。彼も今回の車改造、車上生活にはかなり意欲的です。
まだ4歳ですが、彼には明確に意見があり度々驚かされます。そして私の意志を彼が理解しようとしてくれていることも感じます。
先日の私と息子の会話。
母「おうちが車になったら、どこにいきたい?」
子「寒くないところ!あとはね~」
母「あとは?」
子「ママが南アフリカ行くって言うから、そこは行くんだけど~、モロッコにはまだ行かないよ」
おうちが車になった話は早々にスルーされていますが…
私が絶対行きたいというから南アフリカは行くけど、ついでに行きたいと行っているモロッコには、まだ行きたくないそうです。
彼の直感の方が優れていると思うので、モロッコはまだお預けです。
その4年9ヶ月の人生で、すでに3軒目の家を後にしようとしている息子には、もう根無し草以外の選択肢はないのかもしれません。それを上回るメリットを一緒に作っていきたいとおもいます。
実際に進んでいけば、新たな課題にぶつかることでしょう。
楽しみ楽しみ。
ここまでご覧頂き、ありがとうございます。 各地で得た経験を読者の方に還元できるよう、精進します😊