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【要約】がんになってわかったお金と人生の本質


✅『がんになってわかったお金と人生の本質』を読んで学ぶ、著者が感じた「本当に大切なこと」

2024年1月1日にこの世を去った経済評論家の山崎元さんが著した『がんになってわかったお金と人生の本質』は、がんとの闘いを通じて、山崎さんが発見した人生の「本当に大切なこと」を深く語った一冊です。

がんは、今や多くの人が一度は向き合うかもしれない病気です。

山崎さんはこの病気を通して、健康や人間関係、お金の本当の意味、そして限りある時間をどう使うべきかについて、多くの気づきを得ました。

この本は、その経験から得た教訓を私たちに共有し、人生を見つめ直すヒントを与えてくれます。

こんな人におすすめ!

  • 健康や病気をきっかけに、人生の優先順位を考えたい人

  • お金の使い方や時間の使い方について見直しをしたい人

  • 仕事や人間関係での悩みを抱え、自分にとって本当に大切なものを知りたい人

  • これからの人生をより豊かにしたいと感じている人

本書の魅力

山崎さんの言葉は、単なる理想論ではなく、実体験に基づいたリアルな教訓であり、その分心に深く響きます。

著者ががんという厳しい現実に直面しながらも、そこから得た「人生の本質」には、私たちが日常生活で忘れがちな「本当に大切なこと」が詰まっています。

お金や時間の使い方、身の回りの人との関係をどう大切にするか、また健康と向き合いながら自分の幸せをどう築くかなど、読むことで自分の人生にもすぐに役立てられる実践的な内容です。

山崎さんの経験から学ぶ「人生をどう充実させるか」というヒントを知りたい方は、ぜひ一度手に取ってみてください。

それでは、以下で本書の要約をご紹介します。




✅1. 毎年の内視鏡検査を怠らないこと

がんを早期に発見するには、定期的な検査が欠かせません。

特に内視鏡検査は、食道や胃、大腸などの内臓の様子を直接確認できる重要な検査です。がんが進行してからでは治療が複雑になり、体や生活に負担が増すため、早期発見は非常に大切です。

著者も、長年内視鏡検査を避けてきましたが、最終的には食道がんが見つかりました。著者の場合、普段からお酒を飲む機会が多かったため、特に消化器系に負担がかかりやすい状況でした。

しかし、がんのリスクを意識することなく、検査を先延ばしにしていたのです。このように、体に不調がなければ検査を受けない、という考え方は一般的かもしれませんが、がんのように自覚症状が出にくい病気にはとても危険です。

内視鏡検査は、35歳を過ぎる頃から年に一度は行うことが推奨されています。これは、加齢に伴いがんリスクが高まるためです。検査には胃カメラ(胃内視鏡)や大腸カメラ(大腸内視鏡)などがありますが、どちらも医療機関で安全に受けられるものです。最近では、鎮静剤を使用して寝ている間に検査を行えるため、不安や痛みを感じにくくなってきています。

忙しさや面倒くささから検査を後回しにしがちですが、自分の健康を守るためにも、検査を習慣にすることが大切です。



✅2. がん保険は不要、貯金で十分

がん保険への加入は必要なのか、多くの人が迷うところです。

がんは治療に時間とお金がかかるイメージが強いため、「備えが必要」と考えがちですが、著者は実際にがんを経験し、保険に頼らずともカバーできる場合があることに気づきました。

日本には、高額医療費制度という制度があり、一定額以上の医療費がかかった場合に、自己負担が軽減される仕組みがあります。例えば、治療費が高額になると、一部は自己負担するものの、ある上限を超えた分は健康保険によって支援が受けられます。

著者の場合、40日間の入院と抗がん剤治療にかかった総額は25万円程度で、実際の医療費はもっと高かったものの、多くはこの制度によって軽減されました。

さらに、がん保険は毎月の保険料がかかるため、長期的に支払う保険料の合計と実際の治療費を比較すると、貯金の方が合理的な場合もあります。保険に毎月支払い続けるより、その分を貯金や投資に回しておけば、いざというときに自己資金でまかなえる可能性が高まります。

もちろん、がん保険が不要だと一概には言えません。がん保険は、入院費や差額ベッド代、先進医療の費用などもカバーすることがあるため、あくまで自己資金でまかないたいと考える方には選択肢として良いかもしれません。



✅3. 情報の取捨選択が必要

がんに関する情報は、インターネットや書籍、メディアなどであふれています。

これには、科学的に根拠のあるものから、根拠が乏しい情報、誤った情報まで様々です。がん患者にとって、情報が豊富であることは一見良いことのように思えますが、情報が多すぎると、かえって混乱を招くこともあります。

著者は、自分にとって必要で信頼できる情報だけを選んで取り入れることが大切だと述べています。例えば、がんの治療方法についても、新しい治療法や民間療法などが次々と登場し、そのすべてを試したくなるかもしれません。

しかし、全ての情報を追いかけていると、治療への迷いや不安が大きくなり、精神的にも負担がかかります。特に、がんに関する情報は専門的で理解しにくい内容も多いため、専門家のアドバイスを受けるなどして、信頼性の高い情報に絞ることが重要です。

また、周囲の人々からのアドバイスも、がん患者にとっては負担になることがあります。親切心からアドバイスをしてくれる人も多いですが、患者が求めていない情報や自分の治療方針に合わないアドバイスが届くと、かえって混乱や不安を感じやすくなります。

著者は、必要な情報だけを取捨選択し、冷静に向き合う時間と空間を作ることの重要性を説いています。

がん患者にとっては、まず自分が何を求めているかを意識し、情報を絞り込んで取り入れることが、治療をよりスムーズに進めるための大きな助けとなるでしょう。



✅4. 増え続けた持ち物を手放し、必要最低限にする

がんという病気を経験した山崎さんは、これまで持っていた多くの物が「本当に必要だったのか」を見直し、持ち物を整理しました。

その結果、身の回りの物を必要最低限にすることで、心が軽くなり、平穏を感じられるようになったのです。

山崎さんは、過去にはApple製品やカメラ、さまざまなガジェット類を次々に購入し、家の中が物であふれていました。特に、カメラやその関連機器を多く所有し、日々の生活にあふれんばかりの物があったそうです。

しかし、病気をきっかけに「自分にとって本当に必要なものは何か」を考えるようになり、物を手放す決意をしました。結果的に、仕事道具はiPhoneとMacbook Airだけに絞り、持ち物を整理することで身軽な生活を実現しました。

「物を持つこと」によって得られる一時的な満足感は、時間が経つとともに薄れてしまいます。しかし、身の回りがシンプルになることで、物に対する執着が減り、心に余裕が生まれます。

これは、ミニマリズムとも呼ばれる考え方で、必要以上に物を持たず、自分にとって本当に必要なものだけに囲まれる生活のことです。物が少ないと管理も簡単で、掃除や整理整頓の手間も少なくなり、心がすっきりと落ち着きやすくなります。

山崎さんは、病気を通して物の持ち過ぎが逆に心の負担になることを実感しました。持ち物を必要最低限にすることで、生活も心も軽やかにすることができるのです。



✅5. 仕事があるからこそ元気が出る

山崎さんは、がんという厳しい状況の中でも連載の仕事を続けていました。

普通なら、体調を理由に仕事を休むこともできたはずですが、山崎さんにとって「働くこと」は、単なる収入源以上の意味があったのです。仕事を通じて社会とのつながりを感じ、自分の存在価値を実感することで、生きる力を得ていたのです。

特に、年齢を重ねると社会との接点が減り、孤独感を感じやすくなることが多くなります。年齢と共に人とのつながりが少なくなり、「自分は誰かに必要とされている」と感じる機会が減ると、幸福感が薄れてしまうこともあります。山崎さんも、連載を通して多くの読者に情報を提供することで「自分がまだ社会の役に立っている」と実感できたため、仕事が大きな励みとなっていました。

また、仕事は単なる作業だけでなく、時には挑戦や成長の場でもあります。仕事があることで、毎日に目標が生まれ、がんの治療を乗り越えるエネルギーにもなっていました。

このように、仕事や趣味を持つことは、健康な人にとっても心の安定ややりがいにつながりますが、山崎さんのように健康を害している場合は、なおさら大きな意義を持つのです。

「生涯続けられる仕事や趣味を持つこと」が大切だと山崎さんは語っています。体調や年齢に合わせて無理なく続けられる活動は、健康維持にもつながり、何歳になっても活力を与えてくれる大切なものです。



✅6. 若いうちに惜しまずお金を使う

著者は、若い時期にお金を経験や思い出に使うことの大切さを強調しています。

これは、ただ貯金するだけでなく、若いからこそできる体験に投資することで、人生をより充実させようという考え方です。若い時期は、体力も気力も充実しているため、新しい挑戦や冒険に対して柔軟で積極的になりやすく、多くの刺激や学びを得ることができます。

たとえば、旅行に行く、友人と楽しい時間を過ごす、興味のあるスキルを習得する、といった体験は、後の人生で貴重な思い出となり、人生の豊かさを感じるきっかけにもなります。

特に20代や30代は、さまざまな人との出会いや、新しい環境での経験を通じて、大きく成長できる時期です。年齢を重ねると、同じ体験でも得られる感動や刺激が薄れることが多く、体力面からも挑戦できる機会が限られてしまうため、若い時期の体験はとても貴重です。

DIE WITH ZEROという本にあるように、貯金だけを増やし続けることではなく、人生の各ステージでその時期ならではの価値ある体験にお金を使うことが、最も有意義な生き方だとされています。

この考え方は、将来に備えることも大切ですが、若い時期には将来を見据えながらも、今の自分が心から楽しめる体験や学びにお金を使うことが、その後の人生にも豊かな影響を与える、というものです。

もちろん、無計画に使うのではなく、自分にとって本当に価値ある経験に使うことがポイントです。若いうちにお金を自己投資や経験に使い、自分らしい豊かな人生を築いていくことを目指すと良いでしょう。



✅7. 25歳から全世界インデックスファンドに投資

著者は、25歳から全世界インデックスファンドに投資を始めることをおすすめしています。このファンドは、世界中の企業に広く分散して投資する商品で、リスクを抑えながら長期的なリターンが期待できるため、初心者にも人気の投資手法です。

この投資のポイントは、株価の上下に一喜一憂せず、一定の金額をコツコツ積み立て続けることです。若いうちは、日々の生活やキャリアの成長に集中し、運用の成果を長い目で見る心構えが大切です。

投資の値動きに敏感になりすぎると、不安から売買を繰り返してしまい、投資の利益が得にくくなってしまうこともあります。そのため、著者は「気にせず淡々と積み立てる姿勢」を大切にするよう勧めています。

ただし、20代や30代の若い時期には、投資を続けつつも、人生経験にお金を使うことも重要だと著者は語っています。たとえば、旅行やスキル習得、友人や家族との時間などにお金を使うことも、後々の成長につながります。必要であれば、積み立てを一時的に止めて経験にお金を使う柔軟さも大切だとしています。

全世界インデックスファンドは長期的にコツコツ積み立てるだけで、自分が働き続ける間も資産が成長する可能性がある商品です。特にNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)を利用すると、利益が非課税になり、節税効果も期待できます。若いうちから始めると、積立額が少額でも長期間で増えていくため、早く始めるほど将来の資産形成に有利になるでしょう。



✅8. 自分が会いたい人とだけ会う

著者はがんの影響で、日常生活に多くの制約ができた中で「本当に会いたい人とだけ会う」という大切さに気づきました。

体力や時間が限られた中で、一緒に過ごす人を選ぶことで、かけがえのない交流がより深く心に残るようになったのです。

私たちは多くの人と関わる機会がありますが、すべての人に同じように時間を割くことは難しいです。がんという病に直面した著者は、限られた時間を誰と過ごすかが、より重要であると感じました。実際に大切にしたいのは、自分が心から会いたいと思う人や、励まし合える信頼関係がある人たちであり、その人たちとの時間こそが人生を豊かにしてくれるのです。

また、価値のある人間関係を築くためには、自分が相手から会いたいと思われる存在であることも大切です。互いに時間を大切にし、相手の気持ちを思いやることが、良い関係を続けるためのポイントです。一方で、無理に関わりを持ち続ける必要がない相手や、自分にとって負担に感じる相手との時間は、必要以上に取らないことも重要だと著者は述べています。

著者の経験から学べることは、「時間は有限であり、自分にとって価値のある人との交流を優先する」ことの大切さです。時間が限られているからこそ、心から会いたい人と充実した時間を過ごし、人生の満足度を高めることができるのです。



最後に

山崎元さんががんを経験する中で見出した人生の本質は、私たちに健康や人間関係、そしてお金や時間の使い方について深く考えさせてくれます。

この本に書かれた教訓は、特別な状況でなくとも、今すぐ私たちの日常に取り入れることができる実践的な内容ばかりです。

例えば、若いうちにしかできない経験にお金を使ったり、自分にとって大切な人とだけ時間を過ごしたりすることは、限りある人生をより充実させてくれるでしょう。

「がんになってわかったお金と人生の本質」には、山崎さんのリアルな経験と、それに基づく深い洞察が詰まっています。

がんという厳しい現実に直面しながらも、そこから人生の豊かさを再発見した山崎さんの言葉は、心に響くものがあります。

ぜひ一度手に取って、山崎さんが教えてくれる「本当に大切なこと」についてじっくり考えてみてください。

この本を通じて、きっとあなた自身の人生の価値を見つめ直すきっかけが得られるでしょう。







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