【要約】こうやって、考える。
✅外山滋比古著『こうやって考える』の解説:思考のヒントを得るための道筋
外山滋比古さんの著書『こうやって考える』を解説します。
外山滋比古さんは、生涯にわたって好奇心を失わず、300冊以上の著作を生み出した非常に生産的な文学博士です。
96歳で亡くなるまで執筆を続け、特に90歳を過ぎてからも年間10冊もの本を出版するという驚異的な働きぶりを見せていました。
本書『こうやって考える』は、外山さんの過去の著作の中から、仕事や勉強に活かせる考え方を厳選しまとめた一冊です。
これから、この本の魅力やポイントについて詳しくご紹介していきます。
こんな人におすすめ!
もっと効率的に仕事や勉強を進めたい方
日々の生活や考え方に新しい視点を取り入れたい方
創造的なアイディアを生み出す方法を知りたい方
年齢に関係なく、充実した人生を送りたいと考えている方
自分自身の思考や行動を見直し、より豊かな毎日を送りたい方
本書の魅力
『こうやって考える』は、外山滋比古さんが長年にわたり培ってきた思考法や実践的なアドバイスが詰まった一冊です。
外山さんの言葉は、決して難解なものではなく、誰でも実践できるシンプルで効果的な方法を示しています。
特に「リラックスした状態でアイディアを得る方法」や「朝の時間を最大限に活用するコツ」など、現代の忙しい生活を送る私たちにとっても役立つヒントが満載です。
また、年齢を重ねてもなお活躍し続けるための考え方は、どの世代の方にとっても大きな励みとなるでしょう。
『こうやって考える』の要約
この後、本書の主要なポイントを詳しく解説します。
ぜひ最後まで読んでいただき、外山滋比古さんの思考法から多くのヒントを受け取ってください。
✅1. 良いアイディアを出したければ外に出る
私たちの脳は、リラックスした状態で最も創造的になることがあります。
実際、何かを一生懸命考えようとするときよりも、お風呂に入っているときや散歩をしているときにアイディアがひらめくことが多いのはそのためです。
外山さんが指摘するように、これは「デフォルトモードネットワーク(DMN)」という脳の仕組みが関係しています。
デフォルトモードネットワークとは、何も考えていないときやぼーっとしているときに活性化する脳の領域のことです。
このネットワークが活性化されると、脳は無意識に過去の記憶や経験を組み合わせて新しいアイディアを生み出しやすくなります。つまり、何も考えていないように見える時間こそが、脳にとっては創造性を発揮するための大切な瞬間なのです。
たとえば、何かを考えるときに「頑張ってアイディアをひねり出さなければならない」と感じるのではなく、あえて一度考えることをやめて外に出るだけでも効果があります。
軽く散歩をしたり、カフェでのんびり過ごしてみたりすることで、頭の中がリフレッシュされ、新しい発想が生まれやすくなります。
また、アイディアを忘れないようにするためには、出かける際に小さなメモ帳やスマートフォンのメモ機能を使うのもおすすめです。リラックスしているときに浮かんだアイディアは、思いのほかすぐに消えてしまうこともあるので、思いついたらすぐに書き留めておく習慣をつけましょう。
要するに、良いアイディアを求めて机に向かって長時間頑張るよりも、リラックスして外に出ることで、自然に新しい発想が生まれる可能性が高くなります。気軽に試してみてください。
✅2. 朝に仕事をして、夜は仕事をしない
外山さんは、朝こそが最も脳が活発に働く時間帯であり、集中力と効率が最高になる「金の時間」と述べています。
朝は睡眠によって脳がリフレッシュされているため、新しい情報を吸収したり、創造的な発想をしたりするのに最適なタイミングなのです。
逆に、夕方から夜にかけては、体も脳も疲れてきてしまい、特に夜は「鉛の時間」と呼ばれるほど効率が落ちてしまいます。たとえば、仕事や勉強をしていても、同じ時間をかけても朝に比べて成果が出にくく、無理に続けることで逆に疲れが溜まるだけということもあります。
たとえば、朝の時間を有効に使って難しいタスクや重要な仕事を片付けるようにすると、効率的に作業を進めることができます。反対に、夜は無理をせずにリラックスしたり、翌日の準備をしたりする時間に充てることで、無駄なエネルギーを使わずに済みます。
実際に、小説家の村上春樹さんも毎朝4時に起きて数時間集中して執筆し、午後はリラックスしたり運動をするという生活スタイルを続けています。このように朝の時間をうまく使うことで、高い生産性を維持することが可能です。
もし「夜型だから朝は苦手」と思う方でも、まずは少しずつでも早起きを心がけてみるとよいでしょう。最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると自然に朝の時間を活用できるようになり、その効果を実感できるはずです。
朝の静かな時間は、集中力が高まり、作業に取り組みやすい環境を提供してくれます。少しずつ取り入れて、あなた自身の「金の時間」を作り出してみてください。
✅3. 身銭を切って真剣に取り組む
外山さんは、物事に真剣に取り組むためには自分自身でお金を使うことが重要だと説いています。
これは、「無料」で手に入るものは軽く扱われがちで、その結果、得られる成果も少なくなってしまうからです。
たとえば、映画を例に考えてみましょう。
映画館でお金を払って観る映画は、より集中して観ようとします。対して、テレビで無料で放映されている映画は、「まあ、途中で見なくてもいいか」と思ってしまったり、他のことをしながら観たりすることが多いのではないでしょうか。
人はお金を払ったものには「せっかくお金を出したのだから、しっかりと楽しもう、学ぼう」という意識が働くのです。
たとえば、勉強に使う参考書を購入するとき、自分で選んでお金を支払った方が、より真剣にその内容を吸収しようとする傾向があります。無料で手に入る資料や情報は手軽ですが、どうしても「いつでも見られる」と思ってしまい、本気で取り組むことが難しくなってしまいます。
また、自分でお金をかけることで、より選択に責任感を持てるようになります。「自分で選んだものだから、これを使いこなしてやろう」といった気持ちが生まれ、結果的に深く学び取ることができるのです。
逆に、無料で手に入れたものは「別になくてもいいや」という気持ちになり、得られる経験や知識も浅くなりがちです。
ですから、何かに取り組む際は、あえてお金をかけてみることも重要です。本当に学びたいことや達成したいことに対して、身銭を切るという行動は、自分自身を奮い立たせ、より大きな成果を生むきっかけとなるでしょう。
結果として、その投資は自分への最大のリターンとなって返ってくるはずです。
✅4. 常に疑問を持ち、仮説を立てる
外山さんは、考える力を身につけるためには「常に疑問を持つこと」が大切だと述べています。
つまり、何かを見たり聞いたりしたときに、そのまま受け入れるのではなく、「本当にそうなのだろうか?」と自問する姿勢を持つことが重要です。疑問を持つことで、物事を表面的に捉えるのではなく、より深い部分まで考えることができるようになります。
たとえば、「1日3食を食べるのが健康的だ」という一般的な常識についても、外山さんは疑問を投げかけます。
これが本当にすべての人に当てはまるのかを考えてみることで、新しい視点を見つけるきっかけとなります。「なぜ1日3食なのだろう?」「他の食事スタイルでも健康的に過ごせるのでは?」といった疑問を持つことで、初めて自分自身で調べたり、考えたりすることが始まります。
疑問を持つだけではなく、その疑問に対して自分なりの仮説を立てることも重要です。
たとえば、「1日2食にしてみたらどうだろう?」といった具合に、自分なりの仮説を立て、それを試してみることで、実際にどうなるかを経験から学べます。こうした仮説を立てるプロセスは、新しい発見をするための第一歩です。
例えば、仕事や勉強で何かを学ぶときも、ただ先生や上司の言うことをそのまま受け入れるのではなく、「本当にそうだろうか?」「他にもっと良い方法はないだろうか?」と考える習慣を持つと良いでしょう。
これによって、既存の知識を深めるだけでなく、自分なりの視点や発想力を鍛えることができます。
「疑問を持つ」ということは、ただ単に反抗的になるということではなく、よりよい答えや理解を求めるための行動です。
常識に囚われずに、自分で仮説を立てて検証することで、物事に対する理解が深まり、柔軟で創造的な考え方が身につくようになります。ぜひ、日常生活の中でも小さな疑問を見つけて、仮説を立てる習慣を始めてみてください。
✅5. 図書館で仕事や勉強をする
外山さんは、自宅の書斎ではなく図書館を仕事や勉強の場として活用していました。
図書館は、静かで集中できる環境が整っているため、頭を最大限に使うことができる理想的な場所です。家だとどうしてもリラックスしすぎてしまったり、他の誘惑に引っ張られてしまうことが多いですが、図書館ではそういった余計なものがないため、自然と作業に集中できます。
図書館の最大のメリットは、知識の宝庫である書籍に囲まれている点です。自分が取り組んでいる課題や仕事に関連する情報がすぐ手に入るので、効率よく調べ物ができ、作業を進めることができます。
また、周りに同じように勉強や仕事に集中している人がいると、自分自身も「自分も頑張らなきゃ」という気持ちになり、モチベーションが高まります。
また、図書館は公共の施設なので利用が無料で、電源やWi-Fiが使えることも多いので、パソコンを使った作業にも適しています。
さらに、図書館では「時間を有効に使おう」とする気持ちが強くなるため、自然と集中力が高まる効果もあります。図書館という場所の「静けさ」や「緊張感」が、あなたの脳を仕事や勉強モードに切り替えてくれるのです。
外山さんが多くの著作を図書館で執筆していたという事実は、図書館がどれほど仕事や勉強の効率を高めてくれる場所であるかを示しています。図書館を活用して、自分の集中力を最大限に引き出し、より効率的に仕事や勉強を進めてみてはいかがでしょうか。
✅6. 年を取ったからこそ、若い時よりも忙しくする
外山さんは、「年を取ったからといって楽をするのではなく、むしろ若い時よりも忙しく活動するべきだ」と説いています。
一般的には、年を取ると仕事から引退し、ゆっくりと過ごすイメージがありますが、実際にはこのような生活を続けることで心身の活力が急速に衰えてしまうことが多いのです。
特に男性は、仕事が生活の大きな部分を占めていることが多いため、退職してしまうと「自分はもう必要とされていない」と感じたり、何もすることがなくなってしまったりしてしまいます。
これが原因で、体力だけでなく精神的にも元気を失い、結果として老け込んでしまうケースが少なくありません。
たとえば、年齢を重ねてからも積極的に趣味を持ったり、新しいことに挑戦したりすることは、心と体の若さを保つ秘訣となります。また、年齢を理由に「自分には無理だ」と諦めるのではなく、むしろ新しいスキルを身につける機会と考えることで、生活に活気が生まれます。
忙しくするというのは、必ずしも仕事に追われることを意味するわけではありません。
ボランティア活動や地域のイベントへの参加、趣味のサークルなど、自分がやりたいと思うことに積極的に取り組むことで、日々の生活に充実感を感じることができます。また、新しい人との出会いや交流も、心の若さを保つ大きな要素です。
外山さん自身も高齢になってからも執筆活動を続け、90歳を過ぎても毎年複数の本を出版するほど精力的に活動していました。この姿勢こそが、長く健康で充実した人生を送るための秘訣なのです。
年齢に関係なく、挑戦を続けることで、日々の生活をより豊かで生き生きとしたものにしていきましょう。
✅7. 本を読んだら感想を書く
外山さんは、本を読んだら必ず感想を書くことを強く勧めています。
なぜなら、感想を書くことで、自分がその本から何を学んだのか、どの部分に感動したのか、どんなことを考えたのかを整理することができるからです。これにより、本の内容が頭の中にしっかりと定着し、単に読んだだけでは得られない深い理解が得られます。
本を読むだけでは内容をすぐに忘れてしまうこともありますが、感想を書くことで記憶に残りやすくなり、自分の考えや意見を言葉にする練習にもなります。
最初は簡単な一言でも構いません。
たとえば、「この部分が面白かった」「この考え方は自分にはなかった」といった短い感想から始めるとよいでしょう。
また、感想を書くことで、自分自身の考え方や感じ方を確認することができ、自己理解を深めるきっかけにもなります。外山さんは、定期的に日記を書くことも推奨しています。
日記を書くことで、自分の気持ちや日々の出来事を振り返り、それらを言葉にすることができます。この習慣を続けることで、自己成長や考え方の整理が自然とできるようになります。
感想を書く際のポイントは、必ずしも上手に書く必要はないということです。誰かに見せるためではなく、自分自身のために書くものなので、思ったことや感じたことを素直に書き留めれば十分です。
書くことで、あなた自身の気づきや学びがより深まり、その本から得た知識や経験が自分の中にしっかりと根付いていくでしょう。
このように、本を読んだ後に感想を書く習慣を持つことで、読書の効果を何倍にも高めることができます。読書は単に知識を得るだけでなく、自分の考えや感じ方を広げる大切な手段です。
ぜひとも、まずはこの記事を読んだ感想をコメントに書いてみてください!
✅8. 定期的に場所や付き合う人を変える
外山さんは、物事を深く考えるためには「多面的な視点を持つこと」が重要だと説いています。
これを実現するためには、定期的に自分の環境や付き合う人を変えることが効果的だと述べています。同じ場所にいて、同じ人たちとばかり交流していると、どうしても考え方が固定化され、新しいアイディアや視点を持つことが難しくなってしまいます。
例えば、普段行かない場所に出かけてみたり、新しい趣味の集まりに参加したりするだけでも、今まで気づかなかったような新しい視点を得ることができます。
また、異なる分野の人と話すことで、今まで自分にはなかった考え方や価値観を知ることができ、それが新しいアイディアや発想を生み出すきっかけとなります。
たとえば、カフェや図書館、公園など、自宅とは違う場所で勉強や仕事をしてみるだけでも気分が変わり、集中力や創造性が高まることがあります。また、普段接することのない異業種の人たちと話すことで、自分の専門分野に対する新たな気づきやアイディアを得ることができます。
こうした環境の変化が、新たな発見や成長につながるのです。
さらに、新しい経験や出会いは、考え方を柔軟にし、より広い視野で物事を考える力を養うことにもつながります。
たとえば、旅行に行って異なる文化や価値観に触れることや、オンラインでさまざまなコミュニティに参加してみることも効果的です。これらの経験が、あなた自身の考えをより豊かにし、他の人とは違った視点を持つことができるようになるでしょう。
このように、定期的に場所や付き合う人を変えることは、思考の幅を広げるだけでなく、新たなインスピレーションを得るための効果的な方法です。日常生活の中で少しでも環境を変えてみることから始めて、ぜひ多面的な視点を取り入れてみてください。
それが、より豊かな考え方や創造的な発想力を身につけるための第一歩となります。
最後に
『こうやって考える』は、外山滋比古さんが長年にわたり培ってきた経験や知識から生み出された、豊かな思考法や生活の知恵が詰まった一冊です。
外山さんの深い洞察と実践的なアドバイスは、私たちの日々の生活や仕事、勉強の中で新たな気づきを与えてくれます。
この本を通して得られる数々の知恵は、きっとあなたの人生においても大きな変化をもたらすでしょう。
特に、創造的なアイディアの出し方や、効率的に仕事を進めるための方法、そして年齢を重ねても生き生きと過ごすための考え方など、外山さんの教えは今の時代を生きる私たちにとっても大変参考になります。
若い方から年配の方まで、幅広い方にとって役立つ内容が満載です。
ぜひ一度、『こうやって考える』を手に取ってみてください。
この本を読むことで、今まで見えなかった新しい視点や発想が生まれ、自分自身の考え方をさらに豊かにすることができるはずです。
外山さんの思考法を取り入れて、より充実した日々を過ごしてみてはいかがでしょうか。
きっと、あなたの人生にとって素晴らしいヒントが見つかることでしょう。
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