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paslil' 朝日ゆきの卒業LIVE

paslil'のリーダーを務めて来た朝日ゆきのが、本日このライブを持ってグループを卒業。
明確な理由については寡聞にして存じ上げないが、生誕祭や日頃の配信などから考えるに、何かしら心が折れてしまう出来事があったようだ。

朝日ゆきのは粗忽で雑、脊髄反射で喋っているようでいて芯は一本通っており、決めたことはやり通すし、喋らないと決めたことは喋らない。
paslil'は今後も宮坂舞子と滝本里奈(そして新たに加わるメンバー)によって続いて行くので、立つ鳥として跡を濁さないと決めたのだと思う。

定時に開演。
Good luck など、持ち歌の中から盛り上がる楽曲で押す序盤。
3曲やってMC

自己紹介のお題は「今日の目標」

滝本里奈は「泣き過ぎない事」。
リハーサルから泣きっぱなしだったようで、「泣かない」は無理なので「泣き過ぎない」。
進行を止めるような事もなく、泣いたなりにきっさちり〆られていた。

宮坂舞子は「泣かない。笑顔で過ごす」
そうすると決めたことを貫けなかった時にあきらかにどんよりした表情を見せる事も有るが、この人も意志が強く、泣かないと決めたら泣かない。
今日もなんとか土俵際で堪えていた。

朝日ゆきのは「(終演時間を)押さない」
自前のハコで後ろの予定が無かったというのもあるが、ワロップで行われた生誕祭は1時間オーバー。
客の方もその「ゆるさ」を楽しんでいるところは大いにあり、客との雑なやり取りに笑う。

朝日:「泣いてる人~?」
(客、ちらほら手を挙げる)
朝日:「そんなにいねーじゃねーか!」

(客の当てこするようなガヤに反応して)
朝日:「ウルセー」「出てけ!!」「カエレ!」
(「カワイイー」と褒められて)
朝日:「またまた~」

など乱暴ではあるのだけれどスピード感とキレはあっても厭味が無いので、笑いに繋がる。
まだ3曲しかやっていないけれど
「後半戦も盛り上がって行きましょー!!」
じつに「らしい」。

中盤はメドレー的な繋ぎも入れて止まらない構成。
客の振舞いの自由度が高い楽曲が多く、初見に優しい。
知らない曲でも耳馴染みは良く、戸惑うことなく入って行ける。

カメラは持って行ったものの、バッテリーを忘れたためスマートフォンで撮影

後半は一つ前の衣装にお色直し。
今日はOvertureも初期の物を3人バージョンで仕立て直したものになっており、滝本里奈にグループの歴史を追体験して貰う格好。

滝本里奈のアイドル「らしさ」が増していて驚く。
朝日ゆきのが卒業を発表してから今日までの3か月間は、滝本里奈にpaslil'の精神のバトンを受け渡す期間だったのだと思う。
アイドルとしての振り出しからの盟友である宮坂舞子と、大きく育った滝本里奈に後を任せられる安心感が、笑顔溢れる卒業ライブの下地になっている。

paslil'は、演者としても余白を持たせてあり、振る舞いの自由度が高い。
勿論、振り付けは簡単なものではないのだけれど、やるべきことをやってさえいれば、枝葉に個性は出せる。
滝本里奈の「らしさ」は、paslil'だったからこそ伸びたように思う。

朝日ゆきのが書いてきた手紙を朗読。
長い文章だが、しっかりまとめてある。
漢字が苦手とか慣用句を知らないとか、そういうところを揶揄されることは多かったが、背伸びせずに自分の言葉で書かせる/語らせると、人並み以上にしっかりはしている。
そんな朝日の美点が出たお手紙だった。

一旦〆て退場 → アンコール。
朝日ゆきのの歳の数だけ用意されたサインボールを投げながら「未だ⾒たことないセカイへ」
ステージ前の優先入場にいる自分のファンを見つけては、やさしくボールを投げる朝日。
さながら「鯉のエサやり」。

「二個取れた人は、まわりの「朝日のファンっぽい人」にあげてください」

MVが作りたかった、大きなライブにも出たかった等、心残りは無いではないが、出来る事はやり切った笑顔。

最後の最後に「波乗り男のいくじなし」
一番盛り上がる曲でワイワイ騒いで終演(10分押し)。

(2023.12.29 記)

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