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焼肉屋でのとっておきのギャグを封印した日

「スティーブ~ンっ!!!」



「・・・ナニ、ソレ・・・?」

「・・・まぁ、知らないか…」


ある日の焼肉屋。
ウチは、肉を網に敷き詰めるタイプではなく、
食べる分だけ、じっくり育てる派。

なので、
あんまり炎まみれになる事はないんだけど、
たまに、「ボォっ!」と火が上がる時に言ってたギャグ。


「前から思ってたけど、何なの、ソレ?」

「昔ね、
 『バックドラフト』って映画があって、面白かったんだよねぇ。
 ダメ消防士の弟が、放火犯を捕まえる為に奮闘して…
 最後、犯人が分かった時に、大きな爆発があって、
 お兄さんと一緒に現場に駆け付けるんだけど…
 そこで、そのお兄さんが炎の中に落ちちゃうんだよね…」

「それで?」

「お兄さんは、優秀な消防士さんで、スティーブンって言うんだけど、
 炎の中に落ちていくお兄さんを助けようとして、
 手を伸ばして言うんだよね。
    スティーブ~ンっ!!!
 って」

「ふ~ん。
 で、お兄さんは助かるの?」

「そのまま、落ちて、亡くなっちゃう…」

「えぇ、死んじゃうの?」

「・・・そう、だね…」

「じゃぁ、ダメじゃん。
 そういう風に、ふざけて言っちゃ」

「・・・そう、だね…」


それ以来、
トウチャンの焼肉屋でのギャグはなくなった…


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2nE3
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