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ちょっと面白い道路舗装の話 ふらっとインフラ#13

前回、陥没事故を話題に取り上げたのですが、久しぶりの投稿ながらいいねをたくさんいただきましていつも読んでくださっている皆様には大変感謝しております。

実は前回の投稿の後、お世話になっている銀行の方とお話をしていた時にこの道路陥没事故の話になりまして、あれってなぜ起きたのかと尋ねられました。
私は、自分の知識を持て余すことなく道路舗装の仕組みや下水管やガス管などの埋設管の話もしたのですが、相手の反応は「ええ〜そんなんなってるんだね」と驚いた様子でした。
私は、「(あ、そもそも道路の仕組みすら全然知られてないのか)」と、自分にとっての当たり前が他の人には当たり前じゃないということに改めて気付かされ、これは記事化しておこうとなったわけです。

今回は、そんな道路に関するお話ということで、道路舗装ってどんな構造なのかや地域ごとの特性などそんなお話ができたらと思います。



道路ってそもそも何?

道という概念

「道」という言葉で辞書を引くと、次のような説明が出てきます。

人・車・船などが、往来するように整備された所。通路道路。また、航路。「—を横切る」「—が混む」「船の通う—」
目的場所に至る経路や、その途中途上。「帰る—で土産を買う」「駅へ行く—で知人に会う」「—に迷う」
目的地までの距離。道程。行程。「町までは約二キロの—」「遠い—」
ある目的や結果に行きつく道すじ。「合格への—」「世界平和への—」「我が—を行く」
物の道理。ことわり。また、人として踏まなければならないとされる行動筋道道徳。「—をあやまる」「人の—に背く」「—ならぬ恋」
神仏の教え。特に、儒教仏教などの教義。「法 (のり) の—」「仏の—を説く」
芸術技芸などのそれぞれの分野。また、その精神真髄。「茶の—をきわめる」
ある特定分野専門方面。「その—の大家」「この—一筋
事を行うためにとるべき筋道。手だて。方法手段。「救う—がない」

goo 辞書

道という言葉にはいろいろな意味が含まれていますが、土木における道とは人や動物、物資等が通るための整備されたところと解釈できます。

ただ、みなさんが普段通る道路には種類がありますよね?
自動車の運転免許を持たれている方はよくご存知だと思いますが、道路法では次のようにその種類が定められています。

第二条
 この法律において「道路」とは、一般交通の用に供する道で次条各号に掲
 げるものをいい、トンネル、橋、渡船施設、道路用エレベーター等道路と
 一体となつてその効用を全うする施設又は工作物及び道路の附属物で当該
 道路に附属して設けられているものを含むものとする。
第三条
 道路の種類は、左に掲げるものとする。
  ①高速自動車国道
  ②一般国道
  ③都道府県道
  ④市町村道

道路法 第一章 総則

その種類をわかりやすくするとこのような表で見ることができます。

国土交通省 HP

県道や国道はこんな感じで標識ありますよね。
高速道路でも国道でも都道府県道でもなければ市町村道だと思ってください。

国道のマーク(逆三角形)
県道のマーク(六角形)

データで見る道路

道路には色々と種類があるわけですが、日本の道路の総延長距離はどのくらいなのでしょうか?
これも国土交通省のデータがあるので見てみましょう。

上記のリンクを参照してみてください。
見ていただければわかる通り、日本の道路の総延長は1,283,725.6 km(令和3年3月31日時点)となっており、世界の道路と比べると日本は6番目くらいに道路延長をもつ国だとわかります。

道路の構造

構造的な道路の種類

道路には管理区分としての種類があると紹介しましたが、実は構造的にも分類されています。
これは道路構造令という道路を設計する上で必要な条件や機能を規定している法令によって定義されています。

都市部なのか山間部なのか等で第一種から第四種まで分類され、さらにそれらを国道なのか指導なのか等で第1級や第2級というように分類されるのですが、これらは少し専門的すぎるので割愛させていただきます。
この話をする上で、交通量の話が避けて通れないので笑。

ここでは作る場所や管理区分の条件によって分類されるんだなと思っておいてください。

一般的なよく見る道路舗装

場所によって設計に方法は変わってくるのですが、中でも一般的な道路舗装の構造を少し紹介できたらと思います。

あまり意識をされてきていないとは思いますが、実は一般的な道路のほとんどは土で構成されています。
橋梁の上や暗渠の上にでもない限り、そのほとんどは土の上に存在しています。

ん?いやいや、そんなの当たり前でしょ笑
ちょっと土を平らに均してアスファルト敷いたら舗装完了じゃないの?
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実際はその土もきちんと構成されて人工的に整備されています。

具体的に図を見た方がわかりやすいと思うので、こんな図を作成してみました。

表層というのがみなさんのよく知るアスファルトになります。
主な役割としては、自動車等が通ることによる交通荷重を分散して下層に伝達することです。また、安全性の面で流動・摩耗・ひび割れに抵抗したり、使用性の面で平坦で滑りにくく、快適な走行を実現するという役割も果たします。

その次にある基層ですが、ここからあまり聞いたことがないかもしれません。
役割としてはシンプルで、路盤の不陸を整正したり、表層から伝わる荷重を路盤に均一に伝達します。
表層、基層は主に加熱アスファルト混合物で作られるケースが多いです。

さらにその下にある路盤ですが、これに使われる材料は主に土で人工的に作られるそうになります。そして路盤は、上層と下層に分かれてそれぞれ役割を果たします。
そもそも路盤としての役割は、上部から伝達される交通荷重をさらに分散させて、安全に路床に伝えることとしています。
上層では、主に支持力の均一性を得るために、支持力の大きな(砕石などの郷土の大きな)良質な路盤材料を用いることが多い一方で、下層では、交通荷重による影響が小さくなるため、比較的安価な路盤材料を用いて、経済的な路盤を造ります。

最後に路床ですが、これはだいたい約1mほどの高さで作られ、交通荷重と舗装を支持する道路の基礎部分になります。
この路床は切土による自然地盤で作られるパターンと盛土による人工地盤で作られる二種類があります。


最後に

さて、道路の下がどうなっているのかなんとなくイメージがつかめたでしょうか?
まだちょっとわからないなという方がいたらこのアニメーション動画がわかりやすかったので紹介しますね!

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