見出し画像

陰陽を持つ橋「犬山橋」から見る景色

全国のインフラをふらっと見ながらその歴史や魅力を感じる「ふらっとインフラ」。今回は愛知県と岐阜県を結び、木曽川を渡る「犬山橋」について、その魅力をご紹介します。

みなさんこんにちは。
土木インフラをこよなく愛するオワDです。
今回も木曽川に架かる橋について取り上げさせてください笑。地元贔屓ですみません笑。
今週から一気に寒くなって構造物たちも一気に縮こまりそうな感じですが、私も寒さに耐えるべく、ポケットにカイロを忍び込ませています。
ふらっとインフラも第六回目の投稿ということで、年末まで頑張って執筆しつつ、何かしら土木コミュニティでも作って好きなインフラでも語り合う会を開いてみたいなと思いつつ。みなさんのサポートあってのふらっとインフラでもありますから、何か還元できるようにもなりたいなと考えながら描き続けていきたいいと思います!

2ndStar社では、地球に住み続けられる世界の実現をミッションにより効率的なインフラの維持管理システムの開発と普及に尽力しております。
ご興味ある方は、Facebookもしくはこちらのリンクからお問い合わせくださいませ。

2ndStar社よりPR

さて、今回取り上げるの犬山橋ですが、この橋は木曽川に架かり、県道27号線と名鉄犬山線が通っています。愛知県と岐阜県をつなぐ役目も果たしており、鉄道と道路の二つの橋をまとめて犬山橋と称されています。

この橋の魅力は主に二つありますので、今回はその二つについてご紹介していこうと思います。

犬山橋は道路供用の橋だった

改めて、犬山橋の概要についてご紹介します。

以前から存在していた現在の鉄道用の橋の呼び名であるが、その下流側に隣接する形で2000年(平成12年)3月28日に開通した道路橋も管理上、犬山橋と呼ばれる。鉄道橋としては名鉄犬山線の犬山遊園駅 - 新鵜沼駅の間に位置し、橋の北端が新鵜沼駅に、南端が犬山遊園駅にそれぞれ通じている。道路橋開通までは現在の鉄道橋内に道路(県道27号春日井各務原線、旧・国道41号)が敷かれ、その中央に複線の鉄道線路があったため、路面電車と同様に道路上を鉄道が通行する鉄道道路併用橋となっていた。鉄道用の橋の橋長は223.15 m、支間長73.15 m、幅員は16 m、3径間鋼下路曲弦ワーレントラス橋である。道路橋は「ツインブリッジ」という愛称があり、愛知県の一宮建設事務所によると、橋長が253.5 m、幅員は25 mだが、下流側の歩道の一部が「バルコニー」として張り出た箇所は31mとなっている。構造は「3径間連続鋼床版箱桁」となっている。

wikipedia
左に写る鉄道橋が元々の犬山橋

犬山橋という名称自体はもともと鉄道橋の方を指しているそうで、その鉄道橋は道路と線路が横並びになっていた併用橋だったんですね。
過去の写真を見てみるとその様子がよくわかります。

ちなみに、横に道路橋が併設されたのは2000年3月ということで、私が生まれる前にはこの姿は見れなくなってしまったとのこと。記憶がなかったとしても一度は見てみたかった景色ですね。
ちなみにその様子はこちらのNHKのページから視聴することができます。

さて、昔は道路と路線が共用されていた犬山橋ですが、現在はツインブリッジが県道27号線を通し、愛知ー岐阜間の移送を可能にしています。
私も撮影のために訪れましたが、実際に立ってみるとかなり大きく、インフラの壮大さを改めて感じます。

犬山橋を岐阜県側から見た様子

また、この橋は土木学会から「選奨土木遺産」にも認定されているそうですね。

端から見る木曽川二つの景色

過去と現在で姿が異なる犬山橋の魅力は、もちろんこれだけではありません。
この犬山橋の最大の魅力はなんといっても橋の上から見る絶景でしょう。

電車とトラス橋と山に囲まれた木曽川

名鉄犬山線の新鵜沼駅から犬山遊園駅に向かって電車に乗ると、川上の景色を非常に綺麗に楽しむことができます。切り立った山々に囲まれる木曽川とその上を流れる川船のセットからは心を落ち着かせるような陰の趣が感じ取られます。日本が誇る「静」の芸術とはまさしくこういった景色のことを言うのかもしれません。

一方、ツインブリッジからみた川下側には、非常に広大な濃尾平野が広がっており、開放感のある景色とその先に聳え立つ犬山城とその城下からは、人に賑わいなどの活力を感じることができます。これがまさしく陽の趣といった感じで、犬山橋を境界にして二つの景色が相まみえています。

川下の景色 広大な濃尾平野と犬山城が見える

この景色とその趣をぜひみなさんには訪れて感じていただきたいのですが、ではなぜこのような境界地点となっているのでしょうか。ぜひ、その理由も知っていただきたいと思います。

国土地理院地図をベースに私が手書きした犬山扇状地の図

ここ、犬山橋のある位置は、木曽川が山間地から濃尾平野へと入るスタート地点になっています。川は平野へ出ると、山間地から運搬した土砂を堆積させ扇状地を作りますから、この土地は平野の中でも高いところに位置しています。また木曽川によって作るられた扇状地を犬山扇状地と呼びますが、その大きさは非常に広く、半径約12kmで一宮や岩倉の方までその扇を広げています。

そして犬山橋のある位置こそこの犬山扇状地の始まりになっていると言うことです。
だから、川上と川下で景色が異なるんですね。山間地で見られるような山に囲まれた河川の景色と平野に見られる広大な大地に流れる河川と広がる市町の二つの景色が、陰と陽を持つ橋「犬山橋」で見られるという奇跡的な場所でもあるということですね。

川上側の様子

まとめ

さて、今回は犬山橋について取り上げで参りました。
過去と現在で2つの姿を持つ、犬山橋は景色もまた2つ持っていたということで、犬山に来た際にはこの犬山橋もぜひ訪れてみてください。

全然何のフィーももらってないですけど、こういう旅のプランもあるみたいなので、ぜひ使ってみてください。

あと、これも全く私にお金入らないですけど、犬山遊園周辺には遊べるスポットも満載なので、犬山橋を見に来るついでにいかがでしょうか。

博物館明治村
https://www.meijimura.com/

媚びうり満々な宣伝はこの辺で満足しておいて、犬山橋については私一推しのインフラなので、少し張り切りすぎましたかね笑。

次回は、11月30日投稿でまたもや木曽川にかかる橋ですが、「愛岐大橋」について魅力を紹介していこうと思います。

この投稿が少しでもいいと思っていただいた方は、いいねとフォローをよろしくお願いいます。
マガジンに過去の投稿もまとめておりますので、そちらもフォローいただけますと幸いです。
何かしらコメント等ありましたら、Facebookの方で受け付けておりますので、よろしくお願いいたします。

ご愛読ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!