最近取り組んでいること:サステイナブルなベーストレーニングの所感
○要約
具体的にどのような取り組みなのか
E1勝者のトレーニング(?)メニュー
ベースビルディングフォーサイクリスト
上記2点の共通点
運動強度をRPE基準にするメリット
やりすぎない/心拍数を上げすぎない
総括:サステイナブルさを大切に
○まえおき
カーボンバイクを購入したのが2017年の終わり、翌年にパワーメーターを購入し(初心者的には)本格的なトレーニングを開始。
20分計測でのFTPは1年くらいで4倍(240W/60kg)を超えるも伸び悩み、2019年には鎖骨を折ってやる気を無くしたりしながら、2021年はイナーメ信濃山形でJPTに参戦&実業団チームの先輩であるりゅーじさん(https://twitter.com/RyusukeHonda)にコーチングを受け、体系的な練習に取り組み40分275W/59kg程度まで成長。その後は2022年のシーズンインで無酸素やVO2maxばかりやっていたからかFTPは伸びず。
夏終わりに絶不調になり、更に第2子が生まれ練習時間が減少する見込みの中、「このままでは来シーズンも同じ状況・同じ結果になってしまい面白くないな」と思い、別のトレーニング方法に取り組んでみているところ。
それが割と上手くいっているため、見返せるように体系的に記録しておく。
○背景とBefore/Afterなど
・FTP 273W→283W 59kg(40分MNPから推定)
・練習時間 18時間/週→14時間/週
・冬のZwift名物マーケンブラックリーグ
2021/22シーズン:WarmUP区間で千切れる
↓
2022/23シーズン:ギリギリレース参加できる
○具体的にどのような取り組みなのか
基本的にはワークアウトorCペーサー+土日のZwiftミートアップ3~5時間
ワークアウトはSST(Med or Long)、Carson+2 or 3のレストを45秒にしたもの。夜泣き等で時間が無くなれば60分走とか
ベース期間はパワーを気にしない/トレーニングの目標にしない
代わりに主観的運動強度(RPE)や心拍(HR)を用いる
「もう1本できそう/強度を上げられそう」でやめる
なぜこのように取り組もうと思ったのか、時系列順に次の通り。
①E1勝者のトレーニング(?)メニュー
春先、実走でよくかわいがってもらう一緒に練習している狂人(2022シーズン途中まででE1で2賞、ニセコ150kmで総合シングルリザルト)に
「どんな練習してるんですか?」
と聞いたら、以下の2点が返ってきた(気がする)。
・ゆっくりの日はアニメ見ながら1時間くらい流す
・追い込む日は30分全力走+少し休んでもう少し短時間の全力走
・以上。
(え…目標パワーとかインターバルとか無いんか…?)と思っていたのは内緒である。
②ベースビルディングフォーサイクリスト
アドバイスから半年以上、自転車の調子が最悪の中で2人目が生まれる。「もっと練習時間が減って弱くなってしまう。ここまできたら全然違う事に取り組んでみるか」と思い手に取ったのがベースビルディングフォーサイクリスト(以下BBFC)。
今まで続けていたPolarizedトレーニングやショートインターバルは育児で減少したHP/MPで完遂できる気がしないが、ベースを伸ばすトレーニングであれば体系的に続けられそう、と思っていたためである。
詳細は読んでもらえばと思うが、具体的なトレーニング内容について書かれているのはほんの数%であり、ほとんどがトレーニングの目的や方向性、栄養やメンタルに割かれているのに驚く。
具体的なメニュー等を知りたかったが「トレーニング以外の部分が重要なエッセンスだったりすんか?」と思い、とりあえず読み進める。
③E1勝者のアドバイスとBBFCの共通点
さて、BBFCを読了し、①と共通点がある事に気付く。パワーをトレーニングの本質的な目標/指標にしていないのだ。
これに大きな意図を感じて、自分もパワーメーターを窓から投げ捨t忘れて全力走に取り組み始める。
ちょうどこの頃、
妻入院+里帰り無しで帰ってくる
=上の子ワンオペ+妻の回復のため全家事担当
という最高の育児環境が揃い、練習時間がかなり減少。この状況も相まって「乗れる時間は全力で乗りたい」と40分~1時間全力走にチャレンジする機運が高まり、実際に何回かやってみて分かったのが以下の2点。
自分が想像しているよりFTPは低い。FTPは「1時間出せるパワーの最大値」という本質を忘れていたため、「20分MNP×0.95」が自分のFTPだと思っていた。
30分を超えるような全力走はペース配分を考えないと完走できないため、自分の身体との対話が増えペース配分や体調管理が上手くなる。
全力走の”全力”は主観的運動強度(RPE)を用いないと良い練習になりにくい。具体的には、FTPが270WだとしてAP270Wを目標に1時間全力走をするとして、調子が普通の時は「追い込めて良い練習」になり、不調の時は完走できず「悪い練習」になり、好調の時は「追い込み不足で悪い練習」になる。
つまり、追い込む練習を「良い練習」にする確率を上げるには、運動強度のをRPEで決定する必要があるということである。
④運動強度をRPE基準にするメリット
”「良い練習」の確率を上げる"という所に尽きるのだが、良い練習の何が良いのか、体感しているものを箇条書きにすると
成功体験により自信が付く→自信が付いて乗るのが楽しくなる
楽しくなる→自己肯定感が向上する
自己肯定感の向上→イライラが減り家庭内不和の気配や仕事でbullshitな案件があってもオトナな対応ができる
オトナな対応によりストレスの元凶が遠ざかり、体力が回復しやすい
体力が回復してトレーニング量を増やせる
家庭内平和によりZwiftタイムの延長申請が通りやすい
ざっとこんなところである。
⑤やりすぎない/心拍数を上げすぎない
少し話は変わって、ZwiftレースやGorbyばかりやっていた去年の冬明け頃、疲れた身体に鞭打って家事育児をしていたら動悸が止まらなくなった。自転車に乗っても300Wがスプリントのような感じ。
自転車はL1強度に落とし、最初の1週間で割と動悸は収まる。同時に循環器内科へ行きホルター心電図付けたら1日3万回の期外収縮。先生も「中々だね~。不審な点は無いから十中八九大丈夫と思うけど、若いし何かあったら取り返し付かないから」と大病院での運動負荷検査をやることに。
運動負荷検査までに1か月くらい空いてしまい、その頃には期外収縮もほぼ感じないので検査結果も問題なしだった。
8月くらいから絶不調だったのも、JBCF/ニセコ等々のレースを目標に4,5,6月に乗りに乗って7月も大して休まなかったのが原因な気がしている。
去年の教訓から、心拍数の高まる運動を頻回にやるのは育児(特に夜泣き対応)中の自分にとっては高リスクだなと感じ、ベーストレーニングに取り組む今冬は「心拍/RPEをMAX近くまで上げるのは1~2週に1回まで」と決めている。
おそらく自律神経の強さ的なところもあって個人差が大きいと思うので、ガンガン追い込んでガンガン休んで、というスタイルが合う人もいるとは思う。
⑥総括:サステイナブルさを大切に
ざっくりまとめると「RPE基準で練習すると(自分の中での)練習の成功率が上がって幸福度が増し、回り回って自分に返ってきて乗車時間増えた。しかし調子に乗って追い込みすぎると続けられない可能性が高い」というところ。
トレーニングに夢中になって、勝つこと、峠のタイムを更新すること、そのためにトレーニングすることに躍起になってしまい、子どもが生まれたことによる練習時間の減少や、家庭や仕事が負担に感じてしまう負のスパイラルに陥りそうだった。
パワーメーターを窓から投げ捨てを気にするのをやめ、数字を追うことをやめ、育児が出来るよう程々に、ご飯を美味しくたくさん食べられるようにと乗っていたら、いつの間にかトレーニングにサステイナブルさが生まれて結果的に強くなっていた、という流れのまとめでした。
今日のSSTは調子が良かったので、レスト無しで連続80分、L4域を上げずにL3域を上げる意識でやってみたら10月あたりに記録した全力走60分のMNPを更新してた。今日もきっとご飯が美味い。
1/21追記
JETTの土曜ヒルクラ練でRPE9/10くらいの力感で裏エピコム登ったら16分311WでzFTPが300Wと表示された。さすがに60分300Wは無理だけど、オフ目標のアルプ5倍は希望的観測ではなく目標圏内まで迫ったと思う。