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時間を埋めるように #26
再会したあの日から
彼への想いがどんどん膨らんで、
寝ても覚めても
頭の片隅にいつも彼がいた。
やっぱり彼のことが好きだと実感した。
それからLINEでの連絡は続く。
連絡を取っていると
会いたい気持ちも募っていく。
仕事が遅くなったある日、
帰りにちょっとだけ時間があったわたし。
「ちょっとだけ会いたい」
と、わがままを言ってみた。
彼は30分だけのために会いにきてくれた。
暗い駐車場。
会えるのはやっぱり車の中。
狭い車内だけど
お陰で自然と距離が近くなる。
仕事の話や
たわいもない話をした後、
不意に抱き寄せてくれた。
抱きしめ合った時の安心感に浸った。
それから何度もキスをした。
別れていた間の16年間を埋めるように。