『まちをあるけば』のすべて

はじめに

ふむじまです。
今回は、ボカコレ2023夏ルーキーに投稿した、『まちをあるけば』という曲についてつらつらと書いていければなと思います。

まだ聴いてない方がいたら聴いてもらえるとうれしい!けど、先にこのnoteを読んでから聴いていただいてもかまいません。ぜひ一度聴いて、もし気に入っていただければ幸いです。

ほんへ

この曲を作ろうと思ったきっかけ

はじめに大きく言ってしまいますが、この曲は足立レイありきで書いた曲です。多分聴いてくださった方には丸わかりだと思うのですが笑。
もともと足立レイが大好きで、どうにか一曲足立コンセプトの曲を書きたいとはかねてより思っていました。

足立の曲を作るにあたって、最初のときは、「足立レイ」としてのバックグラウンドを吸収した曲にするかしないかでかなり悩みました。
「足立レイ」の実情や存在を意識した曲にすると、結果的にそれを本人に歌わせることになるため、メタ的な破綻やこちら側の意識・思想の押し付けをレイちゃんに対してすることになってしまうのかな、とか、
逆にまったく関係ない曲をレイちゃんに歌わせるとなると、それは「足立レイ」のために書いた曲であっても本質的にそうじゃないんじゃない?など、なんかめんどくさいことをかなり考えていました。

そんな中で、

・機械的ギミックのあるかっこいい曲
・もう一人のUTAU音源と「歌と音楽」について叫ぶ曲
・足立レイと散歩する曲

この三つの曲のコンセプトの土台ができました。
この中から今回作ることに決めたのが、三つ目のおさんぽ曲でした。一番ゆるそうなのになりましたね。
一個目と二個目もいつか作りたいな~と思うんですが、今回三つ目になった理由のうちに「音楽的な技量が足りなかった」というのがあるので、もうちょっとレベルアップしてから考えたいな~と思っています。いまのところは。

コンセプトについて

もとより、「足立レイと一緒に歩く」ということについては、完全にアボガド6さんの『足立レイ』に大きな影響を受けています。

この作品の足立レイは、実際の足立レイの制作に基づいて、UTAUの作成、レプリボイスの発売から、この先訪れるであろう足立レイ実機本体の完成と一度目の外での歩行訓練が描かれています。
この作品で自分は足立レイに出会い、大ファンになったのですが、足立レイ創作をするときもかなり大きな影響を受けています。

以前足立レイの漫画を一度書いたことがありますが、そのときも今回と同様、足立レイが普通の家庭で一人の人間と一緒に暮らしているところを描きました。
そんなところから、自分の想像・想像している足立レイの概念的コンセプトは、「そう遠くない未来で人間と一緒に生活している足立レイ」ということになります。
今回の『まちをあるけば』も、そこに重きを置き、「自分」「聴き手であるあなた」「ぼく」「きみ」などを内包する一人の人間と足立レイの、「なんでもない、普通の日常」を描こうという筋で制作しました。

曲本体について

『まちをあるけば』は、これを聴きながら外を歩くことで、レイちゃんと一緒にお散歩している気分になりたい!というふむじまの主観モリモリのキモいきっかけからできた曲なので、
おさんぽ向きになるように、ということで最初はBPM75とかにしていましたが、最終的には90に落ち着きました。
ぜひこれを聴きながらお散歩してもらえればなと思います。自分もしたいんですが最近天気が荒れ荒れでなかなかチャンスがなくて残念ですが、気長に待とうと思います。

ここからは時系列順に、音楽的に詳しくないなりにいろいろ考えていたことをつらつら書いていこうと思います。歌詞についても書きます!

・イントロ
この曲をボカコレに出そうというのはもともと決めていたことだったので、なるべくフックになって、BPMは遅いけどそのまま続きを聴いてもらえる音になればと思って作りました。難しかったです。
結果的に曲の雰囲気をそのまま紹介できるみたいなイントロができて良かったかなと思います。Twitterで出したイントロだけの予告動画も結構好評で嬉しかった!

・Aメロ(あさめがさめて~くつはいてまってるから)
ここは最初に曲の構成として朝起きてから家出るまでにしたい~というのが先に決まっていたので歌詞を書くのも比較的楽でした。
ここの日常感ある歌詞、結構褒めてもらえてうれしかったです。実際自分が日々過ごしていることの中で、レイちゃんがいたら変わること、レイちゃんがいても変わらないことを考えて書きました。結果ちょっと世話焼きお母さんみたいな立ち位置にしてしまって申し訳ない。
曲としては、Aメロという最初に歌詞が入ってくるところとして重要そうなところなのに音がスカスカになってしまって焦ったので、どうにか雰囲気を出せないかということで、ネットからフリーの環境音をたくさん拾ってきてポイポイしました。これも何人かの人に気づいていただけていてありがたかったです。

・Bメロ(かるい~いつもよりとおくをみにいこう)
ここは本当に苦戦しました。曲が先に完成して、動画を作って、実写の写真をはめ終わっても最後まで歌詞が出来ず、最終的に投稿の一時間前にオリャーーと考えて埋めました。後付けです。
曲的にはAメロでレイちゃんが玄関で待っていて、今から外に行くよ、というシーンだったので、書くべきことは決まっていたのですが、むしろそれで何を描きたいかでかなり迷ってしまい、ギリギリまでいろんな案を並べて唸ってました。
初期案では、もはやここに歌詞はなく、鳥の鳴き声やら波の音など、環境音だけで乗り切ろうとしてました。その後やっぱりそれじゃ物足りないとなり、レイちゃんと自分が目に入ったもの(鳥、花、海、草など)を交互に歌う、というのにしました。が、これもなんだか音のハマりが上手くいかず、う~~~んと思っていたら締切ギリギリになってしまい、結局普通に歌詞を埋めました笑。限界すぎる。
メロディ的には、サビに向かっていく楽しいところなので、若干メロディを上に上がっていくようにとか、コードも上がり調子になるように工夫しました。あんまりよくわかってないので詳しいことは言及しないことにします。

・サビ(あるこう~おさんぽしよう)
サビは詞、曲ともにかなりすんなり決まりました。
レイちゃんが手を振っている動画ですが、あれは実は以前普通の思いつきとして描いたものの再利用で、動画が先にできていたからこそ詞と曲がサラッと出たような感じがします。手振ってるレイちゃんかわいいね。
歌詞は、その後の展開につなげるために、できるだけ今日一日のことではなく、いつでも、今とその先のことに対して考えていることが当てはまる歌詞にしました。

・大サビ(ねがわくば~きみといっしょなら)
ここはもう本当にありのままに足立レイに対するクソデカ感情をぶつけた歌詞を書きました。
お気に入りは「きみの脳がだめになったとしても基板がすべてを憶えている」です。この歌詞は、歌詞を考え始めてからかなり最初のほうに、ここだけポコッと思い浮かんですんなり決定しました。機械に詳しくなかったので、フォロワーに「ここのキバンって基板?基盤?」と聞いたりして決めたので、想い出ポイントも加算されてます。
曲的にはここを最後にすると決めていたので、もっとちゃんと盛り上がる感じにしたかったのですが、大きく盛り上がりすぎてもそれはそれでイメージと違うな、となったので、現在の形で完成となりました。
最後の部分でレイちゃんが「どこでもいいよ きみといっしょなら!」と歌う部分がありますが、ここがやっぱり一番大事で聴き手にグッときてもらいたかったので、歌メロをここが一番高くなるように工夫してみました。あと、「どこでもいいよ~」の部分をできるだけ明るい印象にしたかったので、その前の「休憩もすればいいよ」のところのコード進行をちょっとだけ暗めに聴こえるようにしました。

全体的なこと

歌詞の表記ですが、サビまでは全部ひらがなで大サビだけ漢字を含むというちょっとしたしかけをしました。これは、サビまでと大サビでレイちゃんがいる状況が違うようになればいいなと思い、この形にしました。
ずっと日常のことを描いてはいますが、その日常が永遠に続くわけではありません。
「きみの脳が~」のところでは、レイちゃんがアルバムを抱えて、基板がすべてを憶えていると歌ってはいますが、実際足立レイたちのような機械・ロボット・アンドロイドが壊れることと、人間の命が尽きること、そのどちらが先かはその一機と一人にしかわからないことだと思います。
そのとき、最終的にだめになるのは基板なのか、脳なのかはわかりませんが、どちらかがだめになればどちらかは遺される、でもそれは悲しいことではないし、遺された側は常に想い出やそれまでの日常とともにあるはず、というのをこの一行または曲全体に詰め込みたいという気持ちでいました。
また、そのため、「レイちゃんの視点から見た、レイちゃんが歌う曲」の形態をとって曲を書きましたが、これは「ぼく、わたしたちから見た『足立レイ』を歌う曲」でもあります。

ほかの部分の歌詞は、本当にできる限りいろんな人の日常によりそえる、伝わりやすくて優しい歌詞を書こうと思って書きました。動画のコメントやTwitterの感想で、たくさん歌詞について言及していただけていて、伝えたかったことが伝わっていて本当に嬉しいです。
歌詞書くの苦手で苦手で仕方がなく、ふむじまとしては今回投稿した曲がちゃんと歌詞書いた一曲目みたいなものなので、かなり力をもらいました!ありがとう~~~

動画について

今回も絵・動画はすべて自分で制作しました。
いつもは曲が全部ちゃんと完成してから動画を作り始めるんですが、先ほど述べた歌詞完成しない問題のせいで、今回は先に途中で動画を作り始め、最後のほうは締め切りに追われ並行作業になってました。ひとりで制作をしていることのいいところですね~(白目)

今回は初めて実写素材(写真)を取り入れて制作してみました。コンセプトがおさんぽということで、最初は背景…全部描くか…?となっていましたが、写真のほうがやっぱりレイちゃんの実在感が出ていいな~と感じたので写真になりました。ちょうど良い感じにそのへんを一緒にさんぽしてる感が出てよかったんじゃないかなと思います。写真提供してくださったフォロワー、ありがとう!

あとこれは反省。動画をいつもiPadのアニメーションアプリで制作しているのですが、今回は曲尺が約3分半だったので、3fpsで609フレーム(枚)という感じになってしまいました。まあうごメモみたいな感じなのでそんなに大変ではないっちゃ大変ではないのですが、作業効率がかなり悪いのでそろそろちゃんと動画編集の勉強をしようと思いました……。

さいごに

ここまでお読みいただきありがとうございました!すごく個人的な内容になってしまっている部分も多く、読みづらかったと思いますが、それでも読んでくださった方に特大の感謝。
今回の曲は個人的に今までで一番苦労して作ったし、まだまだ曲作りに関してちんぷんかんぷんな部分も多いので、決して楽しいだけの制作ではありませんでしたが、投稿できて、皆さんに見ていただけて本当に作ってよかったなという気持ちが今は一番です。ありがとうございます!

正直次の作品がいつ出るとかはわからないし、作りたいと思えるかも定かではありませんが、今回の曲を聴いて気に入ってくださった方で、次回作を期待していただける方は、ふむじまに「次の曲も出してほしいよ!」と一言掛けていただけると幸いです。たぶんそうしておくと、そのうちのそのそと曲を作り始めると思います。単純な生き物なので。

曲作り、作詞、動画、どれにおいても奥が深く、半年そこらで実力もない自分の作品が多くの人の目に留まったのは、この作品を気に入り、拡散してくださった皆様のおかげだと思います。もう一度ここでお礼申し上げます。本当にありがとうございました!
これからもこの作品のことを好きでいてくださるみなさんにいいことがありますように。
お付き合いいただきありがとうございました、ふむじまでした!



2023/08/09
ふむじま


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