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2025年にマンション購入を考えている人へ
あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。
毎年書いている本シリーズ、2025年版もまとめていきたいと思います。
2024年版はこちら
都心はさらに値上がる可能性が高い
まず、今後の不動産価格を考えるにおいて、投資家に選ばれるエリア・マンションとそうでないエリア・マンションは別の相場形成を行うと考えています。ここで言う都心は主に東京カンテイで定義する都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)を指しています。
2024年都心のマンションは急激に値上がりました。原価が上昇したり、円安だったり、新築の供給戸数が少なかったりと影響を与えた事象はいくつもありますが、一番の要因は「都心マンションが投資対象として広く認知された」ことが大きいと考えています。
このトレンドは今年も継続する可能性が高いです。それは「買った価格より高く売れると皆が信じて買っているから」です。「値上げが続いていること」が価値なので、値上げされればされるほど熱狂し人気を呼びます。売主は原価も金利も関係なく、売れる上限まで値上げして売り続けます。買った価格より高く売れると信じて買ったマンションが高く売れなくなった時その熱狂は終了します。
利回りも金利も関係なく上がり始めたこの相場はいつまで・どこまで上がるか私には想像もつきません。「下がるまで上がり続ける」というのが私の感覚です。
戦争と地震は価格下落のトリガーになりえると考えていますが、それ以外に蓋然性の高い下げイベントが足元見当たらないことから消去法的に「このトレンドは今年も継続する可能性が高い」と予想しています。
買い時は今である
「良い購入タイミングはいつなのか?」
「価格が下がるまで待ったほうがいいか?」
というご質問を時々いただきます。
私は「未来の買い時を予想することは困難なので、今買うべき」と答えるようにしています。
例え話です。
未来予知の能力を持っているAくんは、2030年にマンション価格が下落する未来が見えていました。そこでAくんは2030年までマンション購入を待つことにしました。
A君が気になっていたマンションは2025年に7,000万でしたが、2029年には14,000万まで値上がっていました。でも2030年に価格が下がる未来が見えていたAくんは何一つ焦ることなく2030年の価格下落を待っていました。
2030年予想通りマンション価格が下落しました。2029年に14,000万だったマンションは1,000万値下げしました。Aくんはここぞとばかりに申込し、13,000万で無事契約に至りました。5年間安アパートで我慢した甲斐がありました。
めでたしめでたし(パチパチパチ)
正しい買い時を予想するためには、以下を正しく予想することが必要です。
・いつどれだけ値下がるのか
・それまでにどれだけ値上がるのか
どちらか片方だけでは正しい買い時を特定することはできませんし、その両方を正しく予想することは困難であることから、未来の買い時予想は不可能と考えています。そして未来の買い時を予想することができない以上、消去法的に買い時は今と答えるようにしています。
例外はあります。「長期的にデフレが進むことにベットしている人」です。デフレが進むということは将来的に不動産価値が目減りすることになりますので、不動産を保有するのではなく賃貸とするべきですし、保有するとしてもできるだけ購入は後ろ倒しかつ短期間での保有とするべきです。
都心以外は二極化が進む
都心6区以外のエリアについては「値上がるエリアと横ばいとなるエリアの二極化が進む」と予想します。
2つを分けるのは「広域から買い手を集客できるか否か」です。
2025年に販売開始される多くの新築マンションは今まで以上に高値で販売される可能性が高いです。面積を削ることでグロス(物件価格)は高値に見えづらいものもあるかもしれませんが、坪単価で比較するとエリア最高値となるマンションが増えていくはずです。
一例として野村不動産の用地ストックにおける首都圏/プラウドの価格推移を挙げます。
・2021年:7,084万/戸
・2024年:11,079万/戸
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https://www.nomura-re-hd.co.jp/ir/ir_library/images/materials/20210427_kessan.pdf より画像引用
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2024年のストックはこれから順次販売が進んでいくものになるため2025年の販売と完全にリンクするものではないですが、以前と比べ高値になることはほぼ間違いありません。
少なくとも私が観測しているエリアにおいては、2021年〜2023年くらいまではエリア最高値の新築マンションに釣られて周辺の中古がほぼ全てのエリアで上がる状況が続いていました。しかし2024年あたりから一部エリアでは潮目が変わり、新築に釣られて周辺の中古が上がってこないエリアが増えてきたように感じています。
価格が上がっても買い手がいるというのは、「買い手が予算を上げるか」「買い手が変わるか」のいずれかです。
異次元の金融緩和と共働きの増加で買い手の予算増が進んできましたが、今後金利は上昇していくこと、企業のオフィス回帰が進むことにより共働きの増加スピードは鈍化するであろうことから、ここから買い手の大幅な予算増は見込めないでしょう。となると新しい買い手を外から呼び込めないエリアの価格上昇はストップする可能性が高いです。
湾岸エリアの価格上昇が続いているのは、価格に応じて買い手が変わりづつけているためです。2010年に湾岸タワマンを買っていた層と今湾岸タワマンを買っている層は全く別物です。
金利上昇の影響は?
金利が上がることによる不動産価格の下げ影響は軽微であると予想します。
「買った価格より高く売れると信じて買っている」都心エリアについては、買わないことがリスクですので、金利が上がろうとも関係なく50年ローン与信MAXで早く買うことが正義です。ほぼ無風でしょう。
都心以外のエリアにおいても、価格に応じて買い手が変わっていくためその影響は軽微であると考えます。
ただし外から新しい買い手を呼び込めないエリアについては、金利上昇は買い手の予算減に直結しますので価格下げ要素になり得る可能性がある点には注意です。新築マンションについては面積・スペック調整で価格を合わせてくると思いますので、その影響をより濃く受けるのは調整弁のない中古になりそうです。
一次取得の方が取るべき戦略
好きな街の愛せるマンションを適正価格で買うこと
過去「都心の大規模・駅近・タワマン」を買うだけで数千万儲かった事例が沢山あることは事実ですが、それが今後も同じように続くかは切り分けて考える必要があります。
投資家は「利益最大化」を目的とし「何度も売買が可能」です。またSNSにおいてもその価値観は同質化しつつあります。
こうなると市場はどんどん効率化されていきます。効率化された市場においては利用可能な全ての情報は価格に反映されていきますので、情報格差によるアービトラージによって利益を出すことはどんどん難しくなっていきます。つまり過去の成功事例を元にして今後も儲け続けることの難易度が上がっていきます。
短期的な売買で巨額の利益が出る発信が注目されがちですが、一次取得の方にとっては改めて「長く住むこと」の価値を理解いただきたいです。
「残債割れしないこと」を一つの目標とするのであれば、長く住めば住むほどそのリスクは低減します。
年数毎の住宅ローン残債目安
(借入期間:35年、元利均等方式、金利:0.5%で一定)
・3年:92%(▲8%)
・5年:87%(▲13%)
・10年:73%(▲27%)
・15年:59%(▲41%)
・20年:45%(▲55%)
・35年:0%
上の例だと3年での売却の場合は8%しか残債は減っていません。残債割れしないかどうかは購入時より高く売れる市況かどうか、市況ガチャの要素が大きくなります。
一方で20年住めば残債は半分以下になります。今気になっているマンションと近い条件で築年数が20年古い中古の価格を調べてみてください、おそらく2倍も価格が違うことはないでしょう。残債割れのリスクは大きく低減します。
35年住めば残債はゼロになりますが、不動産としての価値がゼロになることはありません。つまり間違いなく含み益が発生します。長く住むことはそれだけで価値があることなのです。
投資家が殺到する人気のタワマンを否定はしませんが、シサンセイとあなたが長く住みたいと思えるかは別物です。シサンセイのために買ったマンションの価値がなくなった時あなたはそのマンションを愛せますか?幸せな生活を送れますか?
住まいである以上、長く住みたいと思えるか・マンションを愛せるかを大事にしてほしいです。
とは言っても戸建てと比べたマンションの魅力の一つは流動性・換金性の高さです。VUCA時代と言われどんどん世の中が不確実になっていく中で「ライフスタイルに応じて住み替えができること」の価値は高まっていきます。
いざという時、残債割れすることなく売却して住み替えを行うためにも、「適正価格」で買うことは重要です。不動産相場が上がり調子であることから相場と比べても強気な値付けのマンションが新築・中古問わず増えてきています。
可能であれば、周辺マンションの過去成約事例との乖離がないかを確認ください。SUUMOを始めとしたポータルサイトの掲載終了は成約したとは限らない点には注意です。
また長く住むためにはリスク許容度に応じた適正な予算で買うことも重要です。「年収の〇〇倍」はあくまで目安であり、正解ではありません。ご自身のリスク許容度とライフスタイルに応じた適正な予算設定が住まい探しのキモです。
マンション購入の予算の話。
— 2LDK (@2ldk18) November 24, 2024
基本的に個々人で事情とリスク許容度が違い過ぎるので「年収では判断できない、FPに相談して支出額と将来リスクを可視化して許容できるか判断するべし」とアドバイスするようにしていますが、「35年ローン固定金利」で支払いが厳しければほば間違いなく強気な予算設定です
SNSで話題になる新築タワマンの周辺中古を狙うこと
あなたが今住まいが必要な一次取得者であれば、SNSで話題になる新築タワマンはおすすめしません。その価値以上に人気が集中し、買えなくなっているからです。
一方で「新築タワマン」に過剰に人気が集中することで新築の販売期間中は周辺の中古の動きが一定落ちます。つまり適正価格の物件をある程度時間をかけて検討し、意思決定できるチャンスが生まれます。
価格発表されてしまうとその価格を元に周辺中古が値上げをするため、できれば価格発表前の方がタイミングとしてはより望ましいですが、すでに販売中であっても適正価格であれば狙っていいと思います。
具体的なエリアとマンションをピックアップしてみたので、良かったら参考にしてみてください。
販売未確定のものはまだ計画段階であるため場合によっては実現に至らない点には注意ですが、規模が大きく実現確度の高そうなものを中心にピックアップしています。(いずれも順不同です)
<販売中>
・グランドシティタワー月島@月島
・グランドシティタワー池袋@東池袋
・パークシティ中野ザタワー@中野
・ザ豊海タワー@勝どき
・パークシティ小岩ザタワー@小岩
<これから販売予定>
・リビオタワー品川@品川
・プラウドタワー池袋@東池袋
・シティタワー東京田町@田町
・パークタワー品川天王洲@天王洲アイル
・ザ・パークハウス武蔵小杉タワーズ@武蔵小杉
・リーフィアタワー海老名クロノスコート@海老名
・ブランズタワー大崎@大崎
<販売未確定>
・月島三丁目南地区第一種再開発事業@月島/勝どき
・パークタワー勝どきノース@勝どき
・西新宿三丁目西地区第一種市街地再開発事業@初台
・中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業@中野*その後事業計画変更となっています
・囲町西地区第一種市街地再開発事業@中野
・白金一丁目西部中地区第一種市街地再開発事業@白金高輪
・三田小山町西地区第一種市街地再開発事業@麻布十番
・六本木五丁目西地区@六本木
・(仮称)乃木坂プロジェクト@乃木坂
・南小岩七丁目駅前地区第一種市街地再開発事業@小岩
・新小岩駅南口地区第一種市街地再開発事業@新小岩
・柏の葉キャンパス149街区@柏の葉キャンパス
・船橋駅本町1丁目特定街区@船橋
・津田沼南地区@津田沼
・東高島駅北地区 C地区棟計画@東高島
・有明北地区2-1街区@有明テニスの森
・鷺沼駅前地区第一種市街地再開発事業@鷺沼
・千住大川端地区@牛田
新築マンションがしばらく販売されていないエリアを狙うこと
今の市況は、高値で出る新築に釣られて周辺の中古が上がることが多いです。
本質的な街やマンションの価値以上に「同じエリアで新築マンションが販売されるか否か」が価格上昇における重要なファクターとなっています。大規模であればあるほどその影響は大きくなります。
裏を返せば、新築マンションの販売がここ最近途絶えているエリアは居住満足度に対して過剰な値上がりとなっていないケースがあります。
あくまで一例で私の好みが入っていますが、具体的なエリアをピックアップします。(正確に調べてないので、新築販売しているエリアもあるかもしれません)
・大井町
・武蔵境
・さいたま新都心
・鷺沼
・錦糸町
・森下
・清澄白河
・本八幡
・浜町
・八丁堀
・東大前
・千駄木
・小伝馬町
・芦花公園
・仙川
・桜上水
・浜田山
・目白
・中野坂上
ここ数年間で大きく値上がりしていないエリアを狙うこと
バブル崩壊以降リーマンショック(2008年)と東日本大震災(2011年)の2回、不動産価格が下落する局面がありましたが、最も規模の大きいリーマンショック後の2009年ですら前年比▲5%と下落幅は限定的かつ1年程度で価格は元に戻っています。
株と違って実需のマンションにおいては経済的ショックによる投げ売りが発生しづらいため、ダウンサイドのリスクは小さいです。
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なぜこうなるかと言うと残債割れとなる価格での売却はその差額を売主が現金で補填する必要があることからローン残債を大きく下振れる価格での売りが起こりづらいためです。
購入価格5,000万、ローン残債4,000万の人が3,000万で売却した場合、残債との差額1,000万は売主が現金で補填しないと借金が返済できません
そのエリア・マンションに住んでいる人のローン残債額がダウンサイド時の下限に近くなります。
ここ数年で多くのエリアで不動産価格が急激に上がりましたが、上がり幅が小さいエリアも存在します。そういったエリアは今の売出価格と既存住民のローン残債額の差が比較的小さいので、一時的な経済ショックによるダウンサイトリスクが限定的です。
一例を挙げると稲毛海岸です。
同エリアのマンションの一つ、プラウドシティ稲毛海岸レジデンス(2012年築、稲毛海岸駅徒歩19分)の年別価格推移です。
・2021年:坪135万
・2022年:坪140万
・2023年:坪140万
・2024年:坪160万
価格自体は上がっているのですが、2021年からの3年間で坪単価だとわずか25万。70㎡換算で約500万程度の値上がりに留まっています。数ヶ月で千万単位で値上がる都心のマンションと比べるとその上がり幅は非常に小さいです。
都心タワマンのアップサイドが注目されがちですが、投資家の比率が増えれば増えるほど価格上昇のスピードと角度は上がりますが、逆もまた然りと考えます。
どちらが正解というものではなく、住まい選びの選択肢は色々あること。またリスク許容度は個々人で異なるため、自身のリスク許容度の合った住まいを見つけることが重要です。
第三者の力を上手に活用すること
不動産価格が上がっている昨今、住まい探しの難易度は上がってきています。
価格の上昇スピードも早いため、エリアによっては1年前の相場感がアテにならないといったこともザラです。情報収集している間に次の価格ステージに行ってしまうようなエリアやマンションもあります。検討しているマンションが適正価格なのかを判断するのも難しいです。
最近は相談を受け付けている人も増えてきました。質問箱を通じて無料で相談ができたりもします。いい時代です。個々人の事情に応じてオーダーメイドでアドバイスしてもらえる第三者に相談することで住まい探しは飛躍的にスピードアップします。
手前味噌ですが私も相談を受け付けていますので、ご興味あればぜひご活用ください。
今年の抱負
今年はnoteの発信にフルコミットしようと思っています。
昨年から始めたメンバーシップ(裏日記)ですが、登録者が一時期300人を超えました(年末発信が滞ったことで退会者も増えて今は300人を割っていますが笑)。
ご覧頂いている会員の方には本当に感謝していますし、いただくフィー以上の情報発信を今後も頑張っていくつもりです。
なぜnoteのメンバーシップなのかというと、「検討者の方にとって有益な情報を持続的に発信する」ことを考えた時に、情報に対して対価をいただくというこのスタイルが現状は最も自分の理想に近いと思ったためです。
(マンションブロガーのマネタイズについては以下記事でまとめていますので、良かったら合わせてご覧ください)
マンション探しの難易度が上がっていく昨今ですが、自分の発信を通じて読者の方の住まい探しのお手伝いをしたいと考えています。
夢は大きく、会員数目指せ1,000人で頑張ります!
なぜ1,000人なのかと言うと、我が家の生活水準であればこの規模になれば本業を辞めてマンションの情報発信一本でなんとか食べていける水準になるためです。いつになるのか、そもそもできるのか全くわかりませんが、検討者の方に資する情報発信を今年も頑張っていきますので、応援いただけると嬉しいです!
この記事をご覧いただいた全ての方のマンション購入が上手くいくことを応援しております!!!
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