ひみつの逢引
この前電車に乗っていたら、周囲が全員小学生になってしまった。
国立か私立の小学校に通っている子たちの下校と、私の出勤時刻がかぶることが多い。
小学校1~2年生かな?
男子の集団(4名)が、女子の隣に座っている男子2人に
「あ!女の子の隣に座ってるよー!」
と冷やかしていた。
私はそれを聞いて、
「へえー!こういう定番のいじりって今もあるんだー!」
と、ビックリした。
女の子2人は、男の子たちより身長も高く、大人っぽい感じだった。
男の子たちの冷やかしは完全にスルー、涼しく微笑んでいた。
いじられた男の子たち(2名)は、
「そういうこと言っちゃダメ」とか「電車では静かに!」とか、そんな風に対面に座っている男の子たち(4名)をたしなめていた。
何駅か進むと、小学生たちが電車を降りた。
すると、なんと
さっきまでお澄まし顔してた女の子が、さっきまで冷やかしてた男の子の隣に移動したのだ!!
「え!?」
本を読んでいた私だったが、この移動には驚いて、こっそり横目で二人を見てしまった。
男の子は昆虫の本を読んでいた。
女子「なに読んでるの?」
男子「ん、昆虫の本。 カブトムシがね、クワガタと冒険するの。
「キャー、たすけてー」「今助けるよ!」 ぐわー!がんばれー!」
なんと、男の子が女の子に、読み聞かせを始めたのだ。
明らかに女の子の方がお姉さんぽい雰囲気だったが、女の子は男の子の読み聞かせを「ふんふん」と楽しそうに聞いている。
きっと、男の子は、おうちの人にこうやって読み聞かせしてもらってるんだろうなあ、と思った。
こういうさりげないところに「育ち」というものが現れるのかもしれない。
世の中を考えた。
そのあとも、2人は本の話や学校の話、おうちでの過ごし方など話していた。
完全に放課後デート、カップルだった。
さっきまでの冷やかしは、一体なんだったのか・・・。
この2人は、いつもこうやってヒミツの逢引を重ねているのだろうか。
ビックリした・・・。
私は小学校の時、男子も女子も全く意識しないまま卒業したので、自分の知らないところでは、こうして逢瀬を重ねていたクラスメイトがいたのかなあと思った。
その後2人は私と同じ駅で降り、「今日はこっちから行ってみよう!」とか言いながら走って去っていった。
ま、まぶしすぎる(涙)
なんだかビックリな光景だった。
おしまい