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【詩】縷々

夜を泳ぎ回る
報われない思い
夜風に運ばれ
誰かに届く頃には
ばらばらになって
上手に伝わらなくとも
私は頷くよ

ただおだやかに
ただささやかに
微笑んで生きていたい
ただそれだけなのに
許してくれない世界は今日も
朝日が昇る頃には
瞼を伏せるように
寂しそうに消えていく

そうして手のひらには
決して消えない痕と
やわらかい名残
絶え間ない寂寥が
途切れそうな糸のように
ただただ連綿と
夜から夜へ続いていくよ
いつまでも

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