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僕は、広告案件にフルスイングできているのか?

初めて広告制作に携わったのは、2008年。留学から帰ってきた直後に、大学の新学科のために2曲の音楽をつくらないかと誘ってもらったときのことです。

某代理店も絡む案件にド素人の僕が関わったわけですが、緊張した記憶はあまりなく、むしろ若気の至りで生意気だったような(笑) 1週間で10曲ぐらいのデモテープをつくって、フォーマルな会議室でプレゼンに挑みました。

なんとか2曲に興味を持ってもらい、その本テイクを友だちと録音して納入。フラッシュアニメをつかった映像広告に仕上がったんですが、映像チームの仕事ぶりに不満が隠せず。僕らは苦い経験をしました。

このことをつい数日前に突然思い出して、「そういえば企画を会議室でプレゼンして、ゴーサインをもらい、それで仕事を得るというのは、いまの仕事ではあまりないな・・・」と。

(もちろんそれは僕が編集部に所属する社会人であり営業部ではないからなど、さまざまな背景はあるんですけれど。)

ただ誤解を恐れずに言うと、音楽でデモテープを10曲つくるのと、ウェブ記事の企画を10本つくる。だいぶ要するカロリーが違う。さらに会議室でプレゼンだなんて、、、その労苦に雲泥の差がある・・・(笑) いまのスタミナじゃできません。よくやったなと思います。

(デモテープをそれだけ求められるのは、キャリアがない僕だからだったかもしれませんね。プロのみなさまにそんなオーダーをするわけがない)

ウェブマガジン「greenz.jp」を運営する仕事に就いて10年目。

業界全体を俯瞰したら、映像コンテンツの台頭や、SEO・リスティングなどへの傾倒も起きているわけです。

インディペンデントで果敢に内容だけで勝負するメディア事業は茨の道。

個人としてのキャリア形成や、じゅうぶんな経済的基盤ができているとは言い難く、長い道をいくつものハードルを飛び越えて歩み続けるわけで、ヘコたれることのほうが多いです。

ただ、NPOグリーンズはメディア=記事広告の製作以外に環境教育やネットワーキングやコンサルティングなど、さまざまなサービスを織り交ぜたビジネス展開をしてきたこともあり、なんとか危機をすれすれで乗り切ってきました。

そのビジネス戦略については前任のスタッフがあちこちで取材を受けていましたし、現コアスタッフも比較的棚卸しの機会は多いようです。

ただ、記事広告というコンテンツをどのようにつくり、クライアントに提案し、無事に契約。そして取材依頼書などを作成し、インタビューをし、記事を書き、編集校正し、先方確認を経て公開するまでのことについては、意外と棚卸しをしてこなかったかもしれませんね。

僕は「作文の教室」というのを7年つづけてきましたが、それもプロの編集者・ライターを育てるというよりも、文を書いて情報発信や表現活動に取り組む人びとを増やすことがミッションに設定している場。記事広告を書けるように、という受講生層は厚くないので、質問された機会もあまりなかったですね。

もしかしたら、その棚卸しはここでない場で起こりそうなので、今日詳しく書くことは今回はスキップしますが、ここで2008年の記憶と結びついてくることがあります。

それは、いまの記事広告業務は、あまりにもクライアントのコンテクストに寄り過ぎているなということ。2008年に10曲のデモテープをつくったときの僕は、相手を挑発するぐらいの気概にあふれていたけれど・・・。

もっとできるんじゃないか。
僕自身を含めたチームを、クリエイティビティと斬新な価値をつくろうと追い込むべきじゃないか。

と、少し最近の仕事ぶりを反省しています。(ギラついてるか、反抗期なのか・・・)

クライアントや広告代理店のニーズを受けて、僕らの解釈や編集手法に持ち込むし、判断・主導権は編集部が握るという前提把握をしてもらっている。でも、フルスイングしきっている感じが常にあるかと言うと・・・。

こんな斬新な解釈で、この取り組み・商品・地域活動を観察するの!?」と驚かせるウェブマガジンや雑誌。最近のYouTuberのユーモアや観察眼を巻き込んだ企画。負けないように、もっと挑戦してもいいんじゃないかな・・・

社会人経験やスキルは分野が違えどいまのほうがある。
2008年の完成物は苦い思い出。

でも、あのときのフルスイングしきった気持ちよさにはヤバい前進感があったし、そのギャラを全部飲み+焼肉代に注いで、バカ騒ぎしたときの達成感。あれに勝る快感を最近得ていない気がしています。(若かっただけかな・・・笑)

これは僕のクリエイティビティに鍛錬が足りていない結果だと思いつつ、同時にクライアントと接点が生まれてから記事を公開するまでのステークホルダーとプロセスの再設計も鍵を握るというのが僕の現在解。

ここにも破壊し、再構築していく箇所がある。

たぶん同僚も近い認識を持っていて、すでに2022年度に走らせる企画のいくつかは、なかなか実験性を含むものになってきています。成果が出るといいのだけど。

ちなみに僕が営業案件で担当するのは記事広告以外にワークショップや授業がありますが、授業は「始まってしまえばこっちのもん」。クライアントの満足さえつくれれば、毎回自由に遊べるのが楽しいですね。こちらも2022年度、クライアントと実験性を含む協働事業が進みそう。

僕らは、クライアントに恵まれてきたと思います。より彼らにアピールし、少しでも僕らのキャリアや経済的基盤が前に進むようにするべく、フルスイング!

(というブログを、ほぼ徹夜明け、眠気眼で午前の仕事を終えたランチタイムに、突然、書き切っちゃう覚醒状態が実は楽しい。どこかでスタミナ切が切れないよう気をつけます。笑)


スズキコウタ個人への仕事依頼・過去に担当したクライアントはこちら:

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スズキコウタ
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