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深海から浮上し、ローレルキャニオンへ心が向かう
アンビエントの深い海から浮上して、この5日間ぐらい、ロサンゼルスのローレルキャニオン地区で1960年代・70年代に生まれた音楽と、米国史に残る事件の数々のことばかり考えている。
僕はロサンゼルスで生まれたメンバーにより構成されるビーチ・ボーイズで人生が変わり、その後の留学やキャリアや音楽活動に大きく影響を受けたけれど、同じロサンゼルス郡内で同時期に生まれた音楽やミュージシャンたちのことを、そこまで詳しくないのだと気づかされ、驚き、急いで勉強しようという次第だ。
デヴィッド・クロスビーは、性格が悪い薬中の問題児というイメージしかなかったけれど、こんなに美しい声で歌う人だったのか。
ママス&パパスは仲の悪さと、ミシェル・フィリップスの悪女伝説の印象しかなかったけど、こんなにワクワクする音楽だったのか。
その他にも、バーズとか、バッファロー・スプリングフィールドも、何枚か聴いているし基本情報も知っているが、詳しいわけでなく知っているふりをしていたなと後悔している。
(きっと僕は中学3年まではカリフォルニアの1960年代のバンドをたくさん聴いていたが、高校1年で細野晴臣さんの音楽に出会ってテクノに向かっちゃったから、中途半端で当時勉強を終えてしまったのだろう)
『ローレル・キャニオン』、『エコー・イン・ザ・キャニオン』という2本の映画は、今の僕には教科書のようだ。(どちらも前に観たことがあったのだが、これほどじっくり時間をかけ、視聴後の研究や分析も含めて学ぶのは今回が初めてだ。)
この2本の映画を観ると、いわば日本の狭山「アメリカ村」に細野晴臣や小坂忠が集まってコミューン化したようなイメージだ。ブライアン・ウィルソンがローレルウェイという住所に1965年〜1967年頃に住んだことを知っていたが、そのローレルはローレルキャニオンのことで、彼もこの地域の住人だったと知った。
僕が学んだ音楽や米国大衆文化史の発祥が、ローレルキャニオンにあったのかと驚かされている。
この数ヶ月、病を患っていることもあり、自分の身心の平穏を生む音楽しか聴かなくなったので、ほとんどアンビエントというメロディが抽象的でリズムがなく、音で心象風景を描く穏やかな作品しか聴いてこなかった。
ひきつづきアンビエントのビーチに浸かりつつ、ローレルキャニオンで生まれたフォークやカントリーやロックやコーラスが混ざったハイブリッドサウンドを聴いていきたいし、つくりつづけている音楽もそっちに向かいそうな予感がしている。
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