迷っている人ほど行くべき。眉村ちあきはライブでこそ本領を発揮する。
【即興ソングの歌姫という見方を捨てる】
「眉村ちあき」というと、「あのゴッドタンのね」とか、「即興ソングの」というレッテルを貼られがちである。確かに彼女を知ったのが「ゴッドタン」だという人は多いだろう。しかし、眉村ちあきは即興ソングの歌姫ではない。ここはあえて全否定する。
もちろん「大丈夫」に代表されるメッセージ性のある音楽も彼女の骨頂だ。
しかし、シブヤノオトやsongsのオンエア後に検索すると「眉村ちあきがあんなに歌上手いとは思わなかった」や、「世界観がいい」「自由すぎる」などの感想がヒットする。
そして「ライブに行ってみたい」というツイートも散見する。
そんな人の背中を押したい。一度は見ておいた方がいいと。
【眉村ちあきのライブは何が起きるかわからない】
彼女のライブでは開始5分前に、影マイクで開演前の諸注意を、彼女自身が行うのが通例だ。
そしてライブを開始から5秒で、観客を膝から崩し落とす。
一曲目はたいていこうだ。自由である。
ここに来た人全員に、笑顔になってほしいという思いが、彼女のパフォーマンスの源だ。彼女自身もライブ中はずっと笑っているか、感極まって泣くかのどちらか。
たとえ近くで見られなくとも、向こうから来る。
彼女のライブには子供から大人まで、とにかく幅広い年齢層の客が来る。アイドルなので、熱心なヲタクもいる。僕はどういうスタンスで見ているかと言うと、「保護者」に近い。コールやMIX、ガチ恋口上などはわかる範囲でしかやらない。それぞれの楽しみ方でいいし、それを否定する人もいない。
【押し売りのない元気をもらう】
「ビバ☆青春☆カメ☆トマト」という曲がある。検索すれば動画がいくらでもみられると思うが、簡単なコールで、観客と彼女がライブ中に最も一体になれる曲と言っても言い過ぎではない。歌詞の意味の分からなさと、ライブでここまで温まった感情をお互いに大いに吐き出せる。
【ライブ終わりは多幸感しかない】
ライブ後の特典会での彼女は、2時間あれだけパフォーマンスをしていてまだ元気だ。そして、ライブ帰りの子供はニコニコしているし、開演前に泥のような顔色の疲れた中年は、血色のいい顔で帰る。お互いにエネルギーを消費しているはずなのに、お互いに元気になってしまう。それが眉村ちあきのライブだ。
【迷っているうちに売れてしまう】
このノートを書いている現在では、劇団オギャリズムツアーは、既にいくつかの公演を終えており、静岡公演はsold out。地方の公演を経て豊洲ピットが2020年4月3日。
彼女のキャリア最大の3000人キャパだ。
しかしそう遠くない未来に、もっと大きなキャパになってしまいそうな眉村ちあき。間近で見られるのも、今のうちかもしれない。