仕事人

9/10(土)夜公演
「俺たちが、なにわ男子ー!」
7人の繋いだ手が勢いよく振り上げられる。パーン!という音ともに銀テープがひらひらと舞い、7人が立つメンステを包んだ。BGMの初心LOVEが流れる中、皆が思い思いに言葉を放つ。「最高の時間をありがとう!」「また来るからな!」7人が立つ立方体型のステージがせり上がる。…あれ?と思った。背後のプラチナのジェットのタラップが降りてこない。メンバーたちもそれに気づいたようだった。
それでも普段通り、ハケ際のノリが始まった。「伊達政宗ー!」と口々に言いながら、一人ずつセンターに行き、ポーズをとる。普段よりも時間をかけようとしている気がした。最後の大橋くんのターンが終わり、大吾くんからさらに「プラチナのジェットのモノマネして」という無茶ブリがあった。時間を稼ごうとしているのは明らかだった。「ごめんな、プラチナのジェット機嫌悪いねん」そう大吾くんが言い、さあどう終わろうか。どうハケようか。という空気が漂った。
そこで口を開いたのは丈くんだった。「最後にもう一度みんなで手繋いで終わろうぜ!」と笑顔で言った丈くんの言葉を受け、戸惑っていたメンバーたちがもう一度ぎゅっとステージの真ん中に集まった。7人でもう一度手を繋いだ。丈くんが「本日は本当に、ありがとうございました!」と叫び、お辞儀をする。お腹から声を出す感じが、今までに見てきた舞台のカテコを思い出させた。舞台の、カテコの丈くんだった。7人の繋いだ手が掲げられる。その瞬間、丈くんはサッと目線を上手側に移し、スタッフさんに手でステージを下げて!と合図した。その瞬間、ステージが下がり始めた。
かっこよかった。
この1分もないハプニング対応と、1秒もない、たった一瞬のスタッフさんへの指示だしが美しすぎて、昨日から何度も反芻している。その前に2時間弱、アイドルをしている丈くんを見たはずなのに、あの時の、スタッフさんに合図をする顔が忘れられない。トラブルの時ほど人の本質が見えるという。笑顔でアイドルをする丈くんが見せた本質は、キリッとした仕事人の顔だった。ハプニングをものともせず、皆をまとめ、スタッフさんに指示を出し履けさせた丈くん。もちろんイヤモニなどで指示はあったのかもしれない。でもあの瞬間、丈くんが本当にかっこよくて、ああこの人のこういうところが好きなんだな、と心の底から思った。
この落ち着いて対応する様には、長いJr.時代での様々な経験が役立っていると勝手に思った。長い時間だったけど、無駄じゃなかったね。経験が丈くんを、なにわ男子を助ける。これからも、丈くんがいれば大丈夫だよ。
誇りです。自慢です。仕事人アイドル。

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