をわりの始まり
50音順のキーワードで子育てと親父ギャグを綴るnoteです。残り「を」と「ん」で終わりです。
今回のテーマは「をわり(終わり)の始まり」。
トランジションについて書きます。トランジションとは「移行」の意味で、あるステージから次のステージへ移ることを表します。
コロナ危機に対し、首都圏の緊急事態宣言解除がカウントダウンになりました。次のステージへ移るトランジションが始まります。
「アフターコロナ」「ニューノーマル」といったワードで、次のステージが議論されています。果たして、どんな世界になるのでしょうか。
人のトランジションは節目でなされることが多いです。入学/卒業/結婚/出産/転居/病気/介護といったライフイベントや、就職/転職/昇進/退職などキャリアの節目でトランジションが起こります。
新しいステージに移行すると、前とは勝手が異なるために混乱したり失敗します。上手く適応するには準備期間やトレーニングが必要です。
企業の新入社員教育は、学生から社会人のステージチェンジを円滑にする馴らし訓練。職場は猛スピードで動いており、そこに新人をいきなり放り込むと転んでしまうので助走する期間が必要です。
今年度の新人研修はオンラインで行った会社が多いと聞きます。新入社員の皆さん、助走スピードをしっかりあげることができたでしょうか。
トランジションで次のステージに向かうとき、これから始まることに目を奪われがちになります。
例えば、出産のトランジション。これから始まる子育てステージに期待と不安を抱きながら、赤ちゃんを迎える準備をいろいろ行うと思います。
そうしたプレママに、ぼくは「赤ちゃんが産まれたら出来なくなることを、今のうちにやりきっておくとよいですよ」と助言します。
夫婦ふたりの暮らしから赤ちゃん中心の生活に移行すると、以前のライフスタイルとはガラッと変わります。
赤ちゃんが産まれたら目まぐるしく時間が過ぎ、映画を観たり友人とランチするといったことが気楽にできなくなります。妊婦で動けるうちに買い物や旅行など気が済むまでしておくのがオススメです。
ウィリアム・ブリッジス著『トランジション』では、子育てで幸せなはずなのに、以前のような生活ができなくなったことに不全感を訴える女性の事例があります。
トランジションを上手く進めるためには、過去のステージにケリをつけることが必要なのです。
トランジションは「終わり」「ニュートラルゾーン」「新たな始まり」の三つのプロセスから成り立ちます。
「終わり」から「新たな始まり」の間に「ニュートラルゾーン」があることがミソです。ニュートラルゾーンは何かが終わり、次に何かが始まるまでの中間領域。モラトリアム(猶予期間)です。
「終わり」のタイミングは自分の意思で決める場合と、自分では望まなかったのに強制終了する場合があります。
キャリアのトランジションであれば前者は自己都合の転職、後者は会社都合の解雇。コロナショックは後者でした。
今回、誰も望んでいなかったのに「をわりの始まり」に突入しました。唐突だったこともあり、落ち込んだり、やる気をなくした人がいると思います。
喪失感や空虚感は「終わり」を迎えるときにあらわれる自然な態度。ニュートラルゾーンは親族が亡くなったとき喪に服すのに似て、喪失後に新しいステージを迎えるには内省する時間が必要です。
外出自粛で自宅待機していた期間は、ニュートラルゾーンに相当したのではと思います。
ブリッジスの本に、ニュートラルゾーンで行うアクションが紹介されています。
(1)ニュートラルゾーンで過ごす時間の必要性を認める
(2)一人になれる特定の時間と場所を確保する
(3)ニュートラルゾーンの体験を記録する
(4)自叙伝を書くために、ひと休みする
(5)この機会に、本当にしたいことを見出す
(6)もし今死んだら、心残りは何かを考える
(7)数日間、あなたなりの通過儀礼を体験する
ぼく自身は3ヶ月近く自宅待機しました。自分のステイホームを振り返ると、これらを行っていたと気づきます。このnoteは(4)自叙伝の代わり。
(7)通過儀礼では動画配信のアニメを見まくりました。こちらの投稿は、LINE LIVE「エヴァンゲリオン序破Q」イッキミ!を視聴しながら更新した次第です。
緊急事態宣言の解除によって次のステージに移行するのか、全く分かりません。「新たな始まり」がどのようであるか、おそらくは誰も正確に見通せていないと思います。
未来が不透明なことで不安にかられておびえるよりも、先が見えないからこそワクワクする。そんな心持ちでいたいもの。
こんな転機にピッタリな「ピンチをチャンスに変える歌」があります。みなさんご存知の童謡「雨ふり」です。
あめあめ、ふれふれ、かあさんが
じゃのめでお迎え、うれしいな
ピンチ、ピンチ、チャンス、チャンス
ランランラン!
チャゲ&飛鳥「始まりはいつも雨」も good!
それは転機じゃなくて天気でしょ!(←ひとりボケツッコミ)
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