遺体:遺体
ずっと過去のことばっか話してる。過去なんてどこにもないのね。頑張ってる割に全部上手くいかなくて前頭葉が萎縮されるからもう思念体にすらなりたくないかも。人間が怖いです、今は空元気で笑えません、銀貨11枚にもみたない路銀は死にかけのわたしのことをよく知らないのに黒い部屋で抱きしめてくれたきみに受け取ってほしいです。
わたしのこと恨んだ人たちってわたしが苦しそうにしてもわたしは苦しんでいるのにと、楽しそうにしてたらなにのうのうと生きてるんだよと思われているんだろうな、探して、探して、想って、祈って、祈りとは懺悔の裏返しで、それでも生活は続く。勤しむ、慈しむ。間違った答えを選び続けて、もう救われないんだろう、神の自己放棄。罵声。罵倒。書き損じたページは積んで火曜日に出す。
最後の足掻きを弔う、だけどだけど今全部上手くいかなくて、その周辺を何光年かけて積み重ねてきたバベルの塔は少しずつ冬枯れるように積雪に耐えきれないトタン小屋のようにがしゃり、と音を立てて倒れていく。楽園には両手に抱えるほどは持ち込めないので、ぽろぽろと落としながら気づけば手の中は空っぽだ。泣かないで、泣かないよ。
いまは友達との約束があります、約束を沢山破っては人に嫌われてきたけどそれでもわたしを叱咤激励してくれたきみたちがすきです、最近知り合ったけど旧友みたいに仲良くなって話が合って気が盛り上がったきみたちが好きです、久々に再開したけど昨日ぶりみたいに接し合えたことが漁火のよう。
いますぐわたしは君は死ねないし、結末、こない。あいまいでもまぼろしでもいいよ。全部の人間もこわいし勝手に涙出る身体も怖いし、眠れなくても明日が来て、知らない間に知らない人に拒絶されていたり、近しい人間に適当なこと言われて不快があっても同じことしてきたしておもうと生きてるだけで見えない銃口に焦点を合わせられてるみたいで。心がざらざらとしていく。
アニメを違法試聴してた頃から灼けついた希死念慮も鬱も果てまで寄り添って、ずっと歪んだパースの人生を送ってる、昔はしっかりしてたのに変わっちゃったよねじゃなくて、堕ちないようにデスケルでちゃんと人生を測るの。10歳の時に包丁投げつけられたり死にたいって土下座してた幼子は遠く昔に息絶えた。夏が過ぎたら吹き抜ける風が後ろ髪を引いてくる。思い切り。
未来は何色なのだろう、きっと黒色じゃなければいいな。誰にも関わりたくない、わかりたくない、笑ってしまうから。乾涸びた花にきみの名前をつけました。遠くに行きたい、どこでもないどこかに行きたい、海の向こうの知らない土地へ。春が来て、夏が終わって、秋が過ぎて冬が待っている。季節はグラデーションなのかな、地続きなのかな。あかるい、くらい、さみしい、やさしい、あたたかい、つめたい、こわい、なだらかに想う、祈らない。得ることは失うこととの始まりだよ。それをうらっかえして光みたいに微笑むから。
全部わたしが悪いから、が幼少期に埋め込まれて人を大切にできないです、表面をなぞるようにしか人と関わるのも嫌われるのも怖いです、人と関わったらダメな時期なんだと思う、けど人と話さないと自分が自分を責めてくるよ、死なないで、悲しい音も鳴り止むから。ずっと離さないで、ずっと放さないで。通り過ぎても、忘れちゃっても。
その火傷を受け止めて愛撫したい、いつか楽になりたいとかじゃない、幸せになっちゃいけないんですほんとうはって、悪辣なぼくがいて、やりなおしたいことばかりだしばかなきみを一分一秒も失いたくない、探さないから触れられない。でも心も脳も身体も今では疚しい左折になって、深く関わることは淀みに消える泡沫です。未来は過去をUターンしようとするのでハンドルを思いきり回す。出会ってきたきみがとっくにぼくは大切なんです、まぶたの裏のどこかに行こうよ、夏が過ぎたら。優しくいる為に知らないままでいたいのです。