『25℃』
何だか色々あって駒形さんのライブに行けるっぽい。
本来は予定が入っていたんですが、何かシレっと無くなったり、偶然が重なって、夜まで時間が出来てしまった。
これは行くしかない。そう思って私は現場に向かった。
現地に近づくに連れて普段会わないような空気感の方々の割合が増える。
電車に乗って暫く経つとサーティワンアイスクリームの新フレーバーみたいな髪色の人達や漫画の世界から出てくるようなカッコいい衣装を纏っている方々が増えた。すごい…緊張してきた。
乗り換え、上手くできるんでしょうか…下っ腹に空間が出来たかのような緊張がある。基本的に普段は地元から出ない私には多少の移動も大冒険だ。
目的地について、ここからは乗り換えの作業。
取り敢えず駅に備え付けられている矢印のとおりに進む。暫く歩くとエスカレーターがあった。
都会の駅のエスカレーター長すぎる。普段のエスカレーターがベイブレードの普通のワインダーだったら、ドラゴンワインダーくらい長い。東京はエスカレーターから威圧してくるのか…覇気を強く持たないとヤラれる。そう思った。
ここから有楽町駅につけば、あとは徒歩二分の位置にライブ会場がある。
一安心と思ったのも束の間、もう1つの不安要素が私に凭れた。
そう、私は…チケットを持っていない。
即ち、駒形さんのライブに参加するには当日券を購入しなければならないわけなのだが…果たして買えるのか…?
前もって買わなかった私が悪いのだが、本来は用事があったのだから致し方なし。こればかりは時の運。祈りながら歩みを進めよう。
駅員さんに会場の場所を言いながら、どっち方面に行けば近いですか?と訪ねたところ、快く「アッチにいけばいいよ」と教えて頂いたので、そちらへ向う。
いや、出口遠い。ff10のナギ平原くらい遠い。
こんなに駅中を歩くことあるのかよってくらい歩いた。道中「本当にあっているのかな?」と不安になるものの何とか到着。張り切りすぎて到着したのは30分前だった。でも早く着いて損することなんてない。取り敢えず一安心だ。
当日券も無事に手に入れることが出来て、ロビーに進む。どうやら暫くはここで待機するみたいです。
ロビーには多種多様なフラワースタンドがあった。
フォロワーさんが描いたものもある。最高だ。
私も何か買ったりしたいのだが、手元にもう1500円くらいしかないので何も出来ない。何せ突発的に来てしまったのでゴリゴリの普段着に超軽装での現地入り。なんだよ手持ち1500円って。RPGの主人公の初期のお金より少ないじゃん。我ながら情けねぇ三十路だぜ。
そんなこんなを書き込んでいるうちロビーに人が次々と集まってきて、会場全体が熱を帯び始めた。
ロビーには駒形さんのニューアルバム『25℃』の楽曲が流れていて、現在、アップナンバーのFLY!が流れている。
やっぱ上がるなぁ…ん?
やべぇぞ。忘れてた。FLY!って皆で同じ振り付けするんでしたっけ?まるで覚えていない。
開演まであと14分。インスタグラムの振り付け動画を見ながら覚えようとするも、全く覚えられない…おかしいな。小学生の頃、世界に一つだけの花のサビでやる振り付けは秒で覚えられたのに、今じゃサッパリだ。
取り敢えず出来る限りの時間、振り付けを覚えることに専念し、席につき、スマートフォンの電源を切る。
初めてのライブ。当日券なので何も見えないんじゃないかと思いましたが、結構ステージが見える位置。
始まると駒形さんが出てくる。可愛い。ピンクのスカートをまとっていて素敵。やはり動いている駒形さんを目の当たりにすると、当然ながら存在するんだな…という思いが出てくる。
マジマジと遠目から眺めていると一曲目が始まる。
CDなんじゃないかと思うくらい歌が上手い。生バンドの音、駒形さんの声に物理的にも精神的にも胸が震える。いや、踊るに近い。
最初のブロックではアップテンポな曲や一緒に歌う曲で盛り上げていき、次のブロックの間のMCコーナーで持ち前の雨女トークでウケを頂いたところは流石の一言。
その次のブロックではニューアルバム『25℃』で私がトップクラスに好きなgoing forward からのビターフラッペという流れを聴いて痺れる。
その後も好きな曲であるソノヒをアコースティックで聴けたり大満足。
そして後半。遂にやってくるFLY!の時間。振り付けを見ていたおかげで何とかやり切る。周りの方々が完璧にやっていて、流石だなぁと感じた。
そして終盤でオービタル、コンパス、First Stepという爆上がりメドレーは聴いていて自然と拳を突き上げ、手拍子をして、膝でリズムを取っていました。
ライブっていうのは元気を引き出してくれるものなんですね。本当に来て良かったと思います。
そういえば、ライブに来たらやってみたかったことランキング上位である「アンコールっ!!!」って言いながら手拍子するやつが出来たのもテンションが上がりました。
アンコールでは何とっ!!!新たな衣装を纏った駒形さんがララルハレルヤとトマレのススメとour storyの3曲を歌って下さって、これまた感情を揺さぶられて泣きそうになる。
駒形さんがライブで歌って下さった数々の楽曲。聴くたびに歌とライブパフォーマンスそのものに感動することは勿論、
「あ、あの人、この曲好きって言ってたなぁ」ですとか「あの時、私はこの曲を良く聴いていたなぁ」ですとか、曲に付随する友人の事や自分の事が頭の中に次々と浮かんできて、
あぁ、駒形さんをキッカケに沢山の思い出を頂いてきたんだなと再確認いたしました。
ライブ後、慣れない体験で得た高揚感と疲労感で夢見心地のような状態で帰路につくことに。
どのくらい夢見心地かと言いますと、帰りの電車を逆方向のものに乗ってしまって気付かずに暫く乗ってしまうくらいです。
今、正しい方向の電車に乗り直して、この文章を書いているくらいです。