【note163枚目】浅草ロック座へ行ってきた10
大好きな浅草ロック座秋公演。スト客生活を初めてからというものの、私の辞書には『浅草ロック座』が秋の季語として追加されている。お気に様達がコンスタントにご出演されているからこそです。ありがとうございます。
今回の公演は「浅草流ダークメルヘン」の方向性とのこと。
1景 白橋りほさん 赤ずきん
赤ずきんりほさんと、狼に扮したダンサーさん&おばあさんに扮した狼ゆきなさんの、歌詞に合わせた押し引きの演出がとてもコミカル。強くて生意気で、ちょっとずる賢くてえっちな赤ずきんちゃんでした。
2景 ALLIYさん 青頭巾
おいおいなんだよダークってもブラックジョーク的な雰囲気なのか?と思ってるところにこれです。元が怪奇譚である点を加味しても、髪を振り乱しながら何かをもぎ取り、口にし、恍惚と苦悶の表情が入り乱れるALLIYさん。壮絶なステージだった。
3景 椿りんねさん ハーメルンの笛吹き男
2景に続いてダーク。目に入るのはカラフルな世界なのにずっと不気味。笛吹きにとってはネズミの群れも無邪気な子供たちも大差ない位置付けなのかもしれないと考えるとゾッとした。ベッド着の鈴がりんねさんの動きに合わせて「リーン…」と響くのがまた怖くて、でもその音に誘われるまま消えてしまいそうな。
4景 ゆきなさん 赤い靴
ダークな童話といえばの『赤い靴』個人的に小さい頃に読んだ絵本で1番怖かった思い出がある。真っ赤な靴を履いて踊っていた自分が、今は靴に踊らされ続ける恐怖。ゆきなさんの表現力の豊かさが爆発していた。足から外れた赤い靴を抱きしめる〆に少女の心の変化と浄化を感じたなぁ。
5景 月形はるひさん ウォーキングデッド
某連続ドラマとは関係ないらしい(笑)バッドエンドを迎えた童話の主人公たちが憂さ晴らしに墓場で踊るぜ!!みたいな賑やかな景。5景っていいですよね…。個人的にはここのラプンツェルまこさんの遊び方がツボ。かぼちゃキャッチチャレンジはいつか成功するのかな?
6景 友坂麗さん 大きな木
初めて拝見した踊り子さん。まだまだ初めて見る人が多い。大樹(の妖精さん)と少年の交流が心温まると同時に、永遠の別れの哀しさも感じる景。友坂さんのポーズらしいポーズを切らずにゆったり流れるベッドは、かつての少年への最後のプレゼントなのかもしれない。
7景 眠り姫 橋下まこさん
橋下まこさんが大トリに就任されてから初めての観劇。堂々とされていて、素晴らしいステージでした。まこさんのステージを見ていると、お身体のとてつもない造形美に毎度うっとりしちゃう……ハートの女王まこ様のフィギュアが欲しいと大の字になっていたけど、オーロラまこ姫のフィギュアも欲しい……。そして今回もお衣装がすんんんんんんばらし
くて、改めて浅草ロック座衣装部の凄腕っぷりを見た気持ち。まこさんと薔薇の意匠ってどうしてこんなに相性がいいの?
フィナーレ 天使
皆少しずつ形の違う羽、色の違う装い。色とりどりの花を携えて、優しく魂を運んでゆく。中休憩の各景紹介を見ている時に、今回の公演はダーク・BADから少しずつ浄化・解放へ向かっていくような構成になっているのかな?と考えていた。
ちょっと思ってたのと違うかった。このハードパンクエンジェルス、最高…!!パンク、ロックのジャンルの「しがらみ、不平、不満をぶちまけて『解放』してゆく」という捉え方において、このフィナーレは完璧なのでは?まぁ、個人の考え方、捉え方ということでひとつ。
実は今回の遠征には少しだけ不安があった。1つは外国人の観劇態度。騒がず、言葉を発さず、ステージを鑑賞してくれるのか。2つには女性客の体験談を読んだこと。体験された方ご自身、好きなことをしてるのに不可抗力的に悲しい思いをしたり、残念な気持ちを抱えたり、時には恐怖すら感じたという一連の記述には、全くの他人の事ながら少なからず胸を痛めた。
結果的にはどちらにも遭遇する事なく気持ちよく浅草ロック座を後にする事が出来て、内心ホッとした。前者は英中韓の言葉で「静かにして下さい」と書いたカードを握りしめて観劇していたのもあるかもしれない。(中国語っぽい言葉が聞こえたから中国語版を1番上に握っていた。) 後者に類似する出来事は全くなかった。
秋の浅草詣が無事に終わり、10月結の自分のバースデー週の幕を開けてもらえた気分。
本日、36歳になりました。