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【note101枚目】DX東寺へ行ってきた1
11月1日から10日は踊り子興行です。
— DX東寺劇場 (@dxtoji) November 1, 2021
香盤順は瀬能優、夢乃うさぎ、ささきさち、中条彩乃です。
よろしくお願いします。 pic.twitter.com/KSVgLYeSb4
初!!の京都・DX東寺。地図アプリに道案内を頼むも途中で案内を終了され、普通の地図に切り替えるも自分がどこにいて目指す場所がどこなのか理解出来ない。そんな奇跡の方向音痴を発揮して到着が大幅に遅れるアクシデントに見舞われたけどなんとかたどり着く事ができました。なお、GPSを付けていた模様。お察せ。
近くを歩いてるともう音漏れしてくるような環境かつ、住宅街に突然現れてくるから結構なインパクト。堂々たる佇まい。圧倒的な「「「「「小屋」」」」感。いやはやすごい建物があったもんだと思いましたね。
券売機には数種類の金額が表示されていてどれを買って入ればいいか悩んでたらテケツのおじさんが「3000円ねー」と案内してくださいました。金額が書いてないピンクのボタン、女性割が正解だったようです。なんというビギナーキラーな券売機(笑)ポイントカードは10回分貯まれば1回無料とのこと。通うのが楽しくなる仕掛けでいいですね。扉を開けたらこぢんまりとしたロビーがあって、次の扉を開けると場内。奥から本舞台、後盆(小)、前盆(大)今まで見た劇場で1番天井が高くて、1番座席数が少なくて、1番レトロに思いました。なにより盆が回らない!びっくり!!よく見ると座席によって傷み方が違っていたり、そもそも座席の種類が違っていたり。ステージも補強の跡が目立つから歴史を感じるというか…レトロ。外見だけじゃ無く中までレトロ。素敵な劇場です。
前置きが長くなりました。今回の香盤では中条さん以外が初めましての踊り子さんでした。スト活メインにしている東洋には乗られない方なのかな?
1 瀬能優さん
わらべ歌の「かごめかごめ」にまつわる伝承や解釈をベースにされた演目のようでした。誰しもこのわらべ歌で1度は遊んだ事があると思うのだけれど、成長するにつれ都市伝説的な「ほんとは怖い」という解釈の側面に触れるのもまたひとつある話だと思うんですよね。私は「かごの中の鳥→赤ん坊」という解釈の話をきいた事があったので、囲われた内で同じ動きを繰り返す「何か(お面を着けられていたのでこう表したい)」を最初はまだ見ぬ赤子だと思って見ていたのですが……なるほど。「かごの中の鳥→籠女→遊女」という解釈もあるのかと、提示されてからもう一度演目を思い起こして鳥肌が立ちました。本舞台や前盆に散りばめられているおもちゃと相反するようなベッドの表現やいで立ちが「子供の心を置き去りにするしかなかった」哀しさにも思える気がして、最後に覗き込んだ万華鏡の美しい光の粒が場内のライティングで表現されていたように思えた。救われ…てないよな…。悲哀に締め付けられるような瀬能さんの表現が素晴らしかったです。
2 夢乃うさぎさん
夢乃さんは以前から時折noteを拝読していました。フォローもさせていただいています。文体がとても好き。
パフォーマンスされているところは初めて拝見しました。音楽の好みは少し昔に軸を置かれているのかもしれない。極厚のヒールブーツ、あれ重たそうだなぁ。そんな重たそうに思えるものを履いて、足を大きく開いて思い切り振り回す豪快なダンスには圧倒され通しでした。ダイナミックで力強いロックサウンドに乗せて、盆に刻みつけるようなパフォーマンスかと思いきや、蕩かされてしまうような甘くてキュートな演目もされたりとなんだか情緒を揺さぶられる踊り子さんだと思いました。少なくとも今日の私はめちゃくちゃ揺さぶられた。絶対にまた見たい。
3 ささきさちさん
ささきさちさんもnoteをされていたからフォローさせていただいた。なんとお呼びするのが正しいのだろうか?とりあえずさちさんとお呼びしよう。さちさん、今まで見た「新人」カテゴリーの踊り子さんでも上手い方だなーと思った。細身でとてもスラリとされているからか幾分手足が長く感じて、さちさん自身はとても可憐なんだけど、振りひとつひとつがとても優雅に見えてそのギャップがまた素晴らしい。個人的には1回目よりも2回目の演目が好き。『紫陽花』というらしい。入口はとても晴れやかで爽やかで、ハートのクッションなんか持っちゃって可愛いじゃない………と思ってたら雷鳴と大きな雨音。白いベッド着がてるてる坊主みたいでひらひらしてるから足を捌くたびに舞って可愛い。って思ってたら紫陽花のブーケを手にした途端に空気が妖しく変わった。あれにはゾクゾクゾクゥ!!!とした。ちなみに紫陽花の花言葉には『移り気』『浮気』『変節』もあるそうな。
4 中条彩乃さん
今週のトリかつ、今回の遠征最大のお目当て。過去2回でガッッッッツリ心を掴まれてしまった。で、今回もガッツリ掴まれてしっかり浄化していただいた。本当に心を救われて、先に言うと泣いた。1回目も2回目も涙を想定されるような演目では無いと思うんだけど泣いた。人間あまりにも美しく尊く感じるものを目にしていると自然と涙が出るもんなんだと思う。1回目は周年作『中条さんま』和装のたおやかで美しく柔らかな舞と、落語の表現を想起させるような扇子を使った情景描写と演技がお見事。「さんま」の意味は秋刀魚以外にもモトがあると思うけどなんなんだろう?これまで拝見した演目でも、情景がブワッと目の前に拡がる中条さんの表現が大好きで、今日も猫が走り去っていった様子には鳥肌が立った。人間が一献また一献としてるうちに、次は猫がやってくる。美味しい物を食べてる時はきっと猫も幸せで人と変わらないのかもなと感じられる多幸感溢れる猫ちゃんの表現が素晴らしい。そんな多幸感に触れてひと泣きした。なんでなん。2回目は🍞🍞プレじゃんけんが組み込まれている巻き込み型の演目。「みんなの元カノ」のフレーズを象徴するような演目に思えたが、私は何より使われていた音楽と、暖色の衣装でキラキラと舞う中条さんの姿を見て、あたたかな存在そのものに触れて心が浄化された心地がしてめちゃくちゃに泣いた。絶対に泣くような演目じゃ無いはず。それだけ彼女のあたたかな太陽のスマイルには「大丈夫だよ」と包んでくれるような安心感さえ感じられた。
最大の目的が中条さんだったから厚めになったのはごめんやで。
いやはや、それにしてもこれまで足を運んだ事があるのが東洋ショー劇場と浅草ロック座だけだったのでオープンショー(浅草はないけど)の概念が更新されてしまった。正直カルチャーショック。お練り的に歩くもんだと思ってたから、しっかり止まってオープンしていくスタイルには面食らった。ポラ撮影も初体験。ファインダーちっさ。意外とポラがでかい。ところ変われば作法もまるっと変わるとはいえ、今日は何もかもが初体験でした。あと事前情報で見ていたDX東寺の看板の数々。生で見るとより一層作り手さんのストリップに対する愛情や熱を感じられて感慨深かった。いい劇場だー。今度は来週の金銀銅杯で行くぞ!
帰り道に、ほぼ一本道で大きな道路へ出てすぐ京都駅が見えることを確認した。次は迷わないはず。10分以内で着ける所に30分以上かかってた…。