季節外れの銀色花火
川面に反射して散って星屑になる
厚手のカーディガンにアメリカンドッグ
黒縁めがねに茶色のサンダル
湯気を立てるコンビニ珈琲の中にも銀星
音が鳴るたび腹の底から震える体
舞い上がって開いて散って暗闇
沢山の銀砂をばら撒く両手
それは鎮魂の祈りか何かへの願い
色のない花火が空いっぱいに広がり
チリチリと川面へ流れて消える
勝手に落ちた涙が珈琲の星を揺らしたりして
季節外れの銀色花火
夏に向かうまだ寒い夜に
空を眺めてはじめての
一人で迎える夏の準備をはじめる夜
5.28 花火の日
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