8月30日(水)円の実力、53年ぶり低水準 家計負担は20万円増
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📰今日のニュース
円の実力、53年ぶり低水準 家計負担は20万円増
主要通貨で独歩安
今日は海外の通貨と比較した時の「円」の価値についての話。
☝️一面のワケ
世界の中でも日本が顕著に落ち込んできていることを示唆している。
📚目次
円の実力(=実質実効為替レート)とは
円の実力が落ちることの何が問題か
2分で一面(ニブイチ)的視点
🪅ポイント
円の実力は実質実効為替レートで測られる
下がると輸入コストの増大や富の流失などマイナスの影響
賃金の上昇が継続していくかがポイントに
💱円の実力(=実質実効為替レート)とは
円の実力は「実質実効為替レート」というもので表されます。それぞれ分解して見ていきます。
「為替(かわせ)レート」というのは、1ドル=100円や1ユーロ=120円など各通貨の交換比率のこと。
“実質”為替レートは物価の変動を加味したもの。例えば日本はこの数十年あまり物価が上がってきませんでしたがアメリカは緩やかに物価が上がっていました。
物価が上がり続けてきたアメリカ国内では1ドルを支払って買えるものが数十年前と今では違うということはお分かりいただけると思います。
同じ1ドル=100円であったとしても、物価上昇率の違いが購買力に影響する。というのが実質為替レート。
ただドルと円、日本とアメリカだけの比較をしていれば十分というわけではなく世界にはユーロ、ポンド、フラン、元など様々な通貨があります。
1対1の通貨の動きでは捉えられない総合的な為替レートの変動を見るのが”実効"為替レートです。為替レートに貿易額の大きさなどで重み付けをして算出されます。
この実質と実効を組み合わせた為替レートが「実質実効為替レート」です。ややこしいですね。
ざっくりと円の他国通貨に対する購買力。円が割安か割高かみたいな感じで捉えてもらえればひとまず良いかと思います。
📉円の実力が落ちることの何が問題か
この実質実効為替レートが50年前と同じくらいになってしまっています。
「円の実力」下落の要因は2つ。
長らく物価がほとんど上がってこなかったこと。
アベノミクスの金融政策によって円安が誘発されていること。
ゆえに円が相対的に割安になり購買力が下がってきているよ。というのが今日の記事。
下がってなにか問題があるのかというとあります。
顕著なのが輸入にかかる費用の増大。特にエネルギー関係。
「迫るガソリン最高値、円安の影響8割 原油高要因上回る」という記事が出ているように生活に影響し始めています。
またこれまでは「円安になれば輸出企業が儲かる」という話もありましたが工場を海外移転してしまっているため前ほどプラスの影響はありません。
また円だと割安感があるため「海外通貨で資産保有をしよう」「ビジネスをしよう」という思惑が働き資産や資本が海外に出ていきやすくなります。
この観点から見てもある程度是正の必要があります。
🤔2分で一面(ニブイチ)的視点
記事内でも言及されていますが物価が伸び悩み、賃金も上げてこれなかったことが現在の「円の弱さ」に大きな影響を与えています。
背景にはバブル崩壊、リーマンショック等の不景気時に「雇用維持」を優先したため賃金が上がりづらくなっていることがあります。
ここに来てようやく企業も重い腰を上げ一時的な「賞与」ではなく基本給を上げる「ベースアップ」に踏み出し始めています。
継続的に賃金上昇を行っていけるかが日本経済にとっても円の実力の回復にとっても重要になってきます。
またこちらは日銀が着手し始めていますが(と私は見ていますが)円安是正に向けアベノミクスで行った金融緩和策の修正も必要になってきます。
📰今日のその他の一面
昨日の記事に通ずる話ですが大企業で技術や着想を得て独立して高速で事業を成立させまた戻ってこれる流れが出来上がってる安心して起業できる側面はあると思います。一方で技術を一企業が独占してしまうことによる弊害もあり規制とのバランスが難しいところ。
記事的に念頭にあったのは処理水放出による中国からのサイバー攻撃の可能性だと思いますがそうではないとのこと。
どの様な形になるか楽しみではありますが神宮外苑の再開発事例を教訓として地域の方や関係者としっかり連携を取りながら進めてほしいなと思います。
✉️追伸
日銀が金融緩和策に踏み出したかどうかは議論があるところだと思いますが私は前回の決定会合がスタートだったのではないかと見ています。
ちょくちょくSNSでシェアしてくださっている人がいるようで嬉しいです。ありがとうございます。