踏み切り

踏み切りが、好きだ。

踏み切りそれ自体まず面白い。

踏み切りによって矢印表示の違い、バーの数や太さの違い。それによる踏み切りそれぞれの雰囲気の違い。

小さな頃は何色の電車が来るか、予想して当てて遊んでいた。

しかし。

久しぶりにぼーっと外を眺めながら電車に乗ったとき、

踏み切りのある場所の違いに目がいった。

田んぼの間の通路の先にある踏み切りや、

住宅街の中にある踏み切り、

街の中にある踏み切り。

街の踏み切りは、大抵、車がずらーっと待っていた。

昼間だったので、多くはどこかの会社の車。社会を動かしてくれている人の姿。

住宅街の中の踏み切りはあまり車が待っていなかったが、いくつも踏み切りを通り過ぎていると、たまに待っている車がいた。

田んぼの踏み切りはほとんどだれも待っていなかった。

ああ、なんか、

電車からぼーっと沢山の人の生活を覗くことができたみたいだ。