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日記:マインクラフト漂流記
新しい世界
ぼくがひと月ほどswitchを紛失していた間にマインクラフトのアップデートが来ていたらしく、ワールド主が仲間内で建てていた共有ワールドを作り直していた。
世界を作り直して2週間くらいして合流したら、初期スポーン地点に拠点ができていた。ある程度整備されていたので、そこからほど近い場所で農業を始めた。
しばらくしてもほかのメンバーがやってこないので不思議がっていたら、実はメンバーはとっくの昔に別の拠点に移っており、そこで建築やらいろいろなものの自動化をしているらしかった。
たまにメンバーの拠点に行って装備品とか物資を拝借して快適な農業生活を送っていたのだけど、メンバーの一人が「あんまりオンしないからあげるよ」といってエリトラというアイテムをくれた。
エリトラ
空を飛ぶことのできる装備品なんだけど、このエリトラという装備がとてもすごくて、数千ブロックという距離をものの数分で移動してしまう。エリトラがあるとないとではゲームを遊ぶ際の効率が段違いだ。なんでも、エリトラはクラフトをすることができず、発見するのも手に入れるのも難しい正真正銘のレアアイテムらしい。
マインクラフトというゲームにおける最終装備の一つだけあって、その性能も異質な領域に踏み込んだ特殊アイテムだった。
そんなアイテムだから引退をするくらいのことでないと人に渡すことができないらしい。絶対にロストしないようにと言付かった。
晴れて空を飛べるようになったので別の村を開拓することにした。
初期地点から1000ブロックほど移動した場所に村があったので、そこをちょっとずつ開拓した。
YouTubeでアイアンゴーレムトラップの作り方を調べて農場を作る前に経験値の安定供給元を確保したり、コケブロックを使って山を均して農地予定地を作ったりしていた。
空の旅
そんななかで初期スポーン地点と開拓地をエリトラでいったりきたりしており、だんだんと「空を飛ぶのが楽しい」という話になってきた。
空を飛んで地上を眺めながら移動をするのが楽しくて、本当に空を飛べたらこんな気持ちになるかなと思ったりした。
ということで遠くの土地まで飛んでいくことにした。
ビュンビュンと山や海の上を飛び回るのはまさに子供のころの夢を実現しているようで非常に楽しかった。
10分ほど飛んで、エリトラの耐久がなくなったところで地面に落とされ、事の重大さに気づいた。
エリトラって永遠に飛べるわけじゃないんだ。知らなかった。幸い、人からもらった時点で修繕のエンチャントが付与されていたので経験値を稼げば帰れることが分かった。
村の発見と生活
途方に暮れながら歩いていると、村人が住んでいる集落を見つけることができた。
氷の張った湖?海?のほとりにある雪の降る村で、革職人がたくさんいた。
助かった。一旦ベッドとか食料が確保できたのが大きい。
ぼくはモンスターとの対戦経験が非常に希薄なので、ダイヤ装備を一式つけていてもその辺のスケルトンに普通に殺される。とりあえずここで農業をやって、牛や麦を増やして革や麦の交易で経験値を稼ぐことにした。
ということで小さいながらも畑を開拓して麦とカボチャを育てつつ、牛を囲うためのフェンスを作ったりしていたところ、異変が起こっていることに気づいた。
どうも最初に来た頃より村人が減っているようだった。
気のせいかと思ってさらに数日。確実に人が少ない。
気づかないうちに1人、また1人と減っている。
なんならもう2人しかいない。どういうことなんだ。
村人が1人以下になってしまうと村人を増やすことができなくて当初の「交易経験値作戦」が破綻してしまう。
とりあえず村中のベッドを壊して自分の拠点にベッドを3つ設置して様子を見ることにした。
その夜だった。
たまたま木を伐りに山へ出向いていたので少し帰宅が遅くなり、敵がわいていたのでベッドで眠ることができない状態になってしまった。
しぶしぶ剣を取って家の外で振り回していると、ゾンビが家の中に入っていった。
家の周りのゾンビをやっつけて家のゾンビを処理しようとしたところ、家の中にいた村人がゾンビになって出てきた。
ぼくはこの時はじめて「村人はゾンビに襲われるとゾンビ化する」というルールを理解した。
言われてみればそりゃそうだ。なにせゾンビだもの。かまれたらゾンビになるよ。
だから村人が減っていたのか。
しかし気づくのが遅すぎた。
ぼくの村はすべての住民がゾンビと化して壊滅してしまった。
終わった村で
途方に暮れながら朝を迎えたぼくは、とりあえずカボチャを収穫した。
その後近くにいた牛や羊をやっつけて肉を確保したところ、微量の経験値を得られた。
それからというもの、昼に牛や羊をパンで殴ってちょっぴりだけ経験値を稼ぎ、エリトラの耐久値回復を図っている。剣で倒すと剣の耐久値回復に経験値が使われてしまうのでパンで殴っているのだ。
いや、わかる。そんなことしないでさっさと拠点の位置まで陸路なりなんなりで移動しろ、そうでなくとも地下に潜って経験値を稼げとかいうんだろ?
違うの。「エリトラは絶対に紛失してはいけない」というルールがある中でエリトラの耐久値を回復するためにエリトラを装備して防御力を下げた状態でやらなければならない、これはぼくにとってはリスクです。ゴチゴチのダイヤ装備ですら地上のスケルトンに完封されて死ぬのにいわんやエリトラをやって感じだ。
ということで、食料(畑)と拠点(リスポーン地点)が非常に近い場所にあり、非常に低リスクで経験値を稼ぐ手段がある現状がベストとまではいかなくともベターではあるか、という判断をしてパンで豚を殴りつけている。
その甲斐あって徐々にエリトラの耐久値が回復してきた。
肉も手に入るのでついでに食料も備蓄している。このまま頑張って耐久値を最大まで回復して拠点に帰りたい。
ゾンビに滅ぼされた世界でも、楽園は存在している。