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東京薬科大学 公開講座と薬用植物園へ行く
日本各地には薬科大学があるが、大抵は薬用植物園を持っており、一般公開もしているところが多い。私は東京近辺や本州各地の薬用植物園をブックマークしていて、何かあったら行けるようにしている。今回は9月21日に東京薬科大学で唐辛子とナス科薬用植物の公開講座と植物園の見学会があるのを知り、『タバコやダチュラやベラドンナが出るゾ…!』と薬物オタクの本能が疼いたため赴くに至った。
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公開講座には100人以上の人が来ており、普段からなかなか人気がある様子であった。
唐辛子の研究者による唐辛子の講義は、辛み成分はどこから来るのかというのがテーマだったが、主に世間の定説や俗説に誤りがあるものが広がっているのでそれを正したいという感じが強かった。唐辛子を使うのはインドや韓国というイメージがあるのでそのあたりが原産と思って居る人が多いが、唐辛子はアメリカ大陸原産であり、ヨーロッパやアジアに広まったのは西暦1500年以降である、とか。あるいは唐辛子の辛み成分は、種や胎座(トウガラシやピーマンの真ん中の白い部分)ではなくて、隔壁(トウガラシやピーマンの内部で仕切を作っている部分)で作られているのに、間違っている説がメディアなどで流布されている、など。某論文は間違っているとか某有名サイトに書かれている内容も間違っているとか、研究者がパワーポイントでいわば晒上げ行為をしていて面白かった。研究者ぐらい色々知っていると世間の軽率さや適当さにムカつくことが多いのだろう。講義を聞いてて自分もこれぐらい自分が正しいと思って居ることを主張してもいいのかもしれないと思ったし、逆に自分も詳しい人からしたら間違った説を信じて発信している勉強不足の人間と映っているのかもしれない、とも思った。
ナス科薬用植物の講義は別の方が担当で、1時間くらいでいろいろなナス科植物を紹介していくような感じで、サラっと終わった。まあ公開講座となれば素人にもわかる講義をしなくてはならないので、こんなもんかという感じではあった。講義内容は私が知ってることも多かったが、生薬名やナス科野菜の民間療法の効用は知らないものが多かった。ナス科の有毒植物もまだまだ知らない植物も多くあり、イヌホオズキやワルナスビはソラニンを含む有毒植物、アシュワガンダ(ホオズキの一種)はウィタノリド類が有効成分でアルツハイマー病の治療薬として研究がされているということは初めて知った。
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薬用植物園の敷地は広大で、じっくり見ていたら全部回りきらずに閉園時間になってしまったが、さすが薬用植物園というだけあり、私が知っている向精神性物質を含む植物や薬用酒に使われるハーブがたくさん植わっており、私のテンションはめちゃくちゃ上がっていた。
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また、この植物園の作った植物ラベルの有用さは私が見た中でも随一で、概要の説明文もさることながら主要成分や用法,生薬名まで書かれており、ここまでこだわったものは見たことがない。どうやらこの大学オリジナルで開発したものらしく、さすが薬科大学の植物園はいい仕事をすると感心したのであった。
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ナス科植物はかわいらしい花をつけるものが多く観賞用途のものも多い。
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大学に併設されている史料館も行きたかったのだが時間の関係で行けず、また今度機会があったら赴きたい。